カテゴリ:セネガル( 117 )
『Freedom for the wolf』という映画とilliberal democracy
最近、猛烈に忙しくて、ちょっと無理して働いたら体調を崩し、来週から4日間のワークショップだというのに、声が出なくなってしまった。私は開催者で、講師はセネガルの農業省の方々なのでまだ大丈夫だが、やはり体は正直なもので、意識的に自己制御しないとだめだなあ。

ということで、ブログも10日ぶり。休暇中の8月後半にほぼ毎日更新していたのが嘘のような静けさである。

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さて、前回の記事に書いたCine Droit Libreのプレリュードで上映された映画をご紹介しよう。

『Freedom for the wolf』
監督:Rupert Russell
2017年、ドイツ・アメリカ
89分


https://www.freedomforthewolf.com/

広辞苑によると、民主主義とは「demos(人民)とkratia(権力)とを結合したもの。すなわち人民が権力を所有し、権力を自ら行使する立場を言う。基本的人権・自由権・平等権あるいは多数決原理・法治主義などがその主たる属性であり、また、その実現が要請される」という意味らしい。

一国の中で、民主主義の第一歩は多数決原理の選挙なのだろう。しかし今、「民主的な」選挙で選ばれたリーダーたちが、自由や民主主義を排除する傾向にある。香港の反政府デモ、チュニジアの「アラブの春」後に選挙で選ばれたリーダーたちのラッパー弾圧、インドにおけるコメディアンの表現の自由、アメリカ人たちに選ばれたトランプ政権、他にも世界各地でこのような状況が発生している。人権、マイノリティ、反政府団体を踏みにじる選ばれたリーダーたち。

映画では、選挙に参加することで民主主義が保障されるわけではなく、フェイク民主主義を生み出すねじ曲げられた選挙であることが描かれている。

映画を見終わると、あれ、民主主義ってなんだっけ?と頭が混乱する。おそらく映画の目的はそこで、本当にあなたがいる社会って民主主義社会ですか?と問いかけ考えさせるのだろう。



映画の中で頻繁に出てくる言葉がある。

「illiberal democracy」という言葉。私は初めて聞いた表現なのだが、日本語では「非自由主義的民主主義」と訳すそうだ。

wiki先生によると、「制度的には民主制だが、実質的には自由が制限されている政治体制」のことだそうだ。「そこでは選挙は実施されるが、市民は自由権の不足によって実際の権力者の活動に関する知識から切り離されており、「開かれた社会」ではなく、実質的には権威主義的政治体制の一つともされる。この状態は、制度上は政治権力を制限しているが、言論の自由や集会の自由、知る権利など市民の政府への自由は無視されており、自由主義の適切な法的な構築された枠組みはほぼ存在せず、法治主義はあっても法の支配がない状況となっている。

なんか考えてみれば、大小さまざまだがそんな社会沢山ある気がする。野党が当選しないように裏工作されている選挙、政権にのし上がったらマジョリティの声だとかいってマイノリティを排除する政府。映画のタイトルにもあるように、「狼」に完全な自由を与えると社会はどうなるか、それを深く考えさせられる映画だった。


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by iihanashi-africa | 2018-09-23 05:21 | セネガル | Trackback | Comments(0)
Cine Droit Libre映画祭の誕生秘話とノルベール・ゾンゴの映画
ブルキナファソにいた時から、Cine droit libreという映画祭の大ファンで、セネガルで開催されていると知った昨年も、毎日映画館をはしごして見た。そして今年も始まった!と思ったら、本番のCine droit libreのプレリュードだった。がくっ。11月末に映画祭が開催されるようなので、もうスケジュールに記入!

昨年の映画祭の記事。
Cine Droit Libre Dakar 1:ブルキナ映画「Frontières」
Cine Droit Libre Dakar 4:セネガルにおける薬物依存
Cine Droit Libre Dakar 5:ブルキナのBalai CitoyenからトーゴのTogo deboutへ


昨年の記事にも書いたのだが、映画祭の名の通り、人権保護を訴えると同時に、映画を通した表現の自由を推進する目的で実施されており、自国で上映禁止になったような映画も上映している。大半がドキュメンタリー映画で説得力があり、とても貴重な映画祭なのだ。

先日、Cine Droit Libreプレリュードの映画上映の前にモデレーターが、実はこの映画祭はNobert Zongo事件がきっかけであることを話してくれた。

ブルキナファソにいたことのある方なら、ノルベール・ゾンゴといえばピンとくるだろうが、ブルキナファソのジャーナリストで週刊誌「l’independent」の創設者でもあり、表現の自由を勝ちえるべく闘い若者たちにとってのカリスマ的存在だった。1998年、当時のコンパオレ大統領の弟の運転手が不可解な死に方をし、真相を調べていた時に、暗殺された。首謀者は容易に想像できるのだが、20年経った現在も未解決の事件である。暗殺された12月13日には、現在でも毎年デモ行進が行われている。

当時、ノルベール・ゾンゴに誘われてジャーナリストになったのがAbdoullaye Diallo氏である。ノルベール・ゾンゴ暗殺後、友人たちとノルベール・ゾンゴ事件のドキュメンタリー映画『Borry Bana ou le destin fatal de Norbert Zongo(ボリーバナ、ノルベール・ゾンゴの悲劇的生涯)』を製作し始めた。そして2003年、そのドキュメンタリー映画が完成したが、ブルキナファソでは検閲にひっかかり上映禁止になった。一般大衆に見てもらいと思い、海賊版を作ってマーケットに流してほしいと業者に依頼したが、それもリスクが大きいとして断られた。どのテレビ局も映画館も上映を許可してくれず、フランス文化センターでも断られている。

2005年のFESPACO(Festival Panafricain du Cinéma et de la Télévision de Ouagadougou、ワガドゥグ汎アフリカ映画祭)でも上映を禁止されたが、Abdoullaye Diallo氏が中心となって設立したノルベール・ゾンゴ・メディアセンターで、「FESPACO Off」と称して上映することにした。FESPACOに招待されていたジャーナリストの大半がセンターに来てくれ、立ち見が出るほどの人数だったそうだ。この企画が大成功に終わったこともあり、2005年6月に、FESPACOで上映が許可されなかった映画を集めて最初の映画祭を開催した。ここにCine Droit Libreが誕生した。

なるほどこういう経緯があるから、上映映画もかなりセンセーショナルなものが多いし、政治批判も多いし、討論会も面白いのね。本当に映画祭の開催が、表現の自由そのものかも。

早速ドキュメンタリー映画『Borry Bana ou le destin fatal de Norbert Zongo』を探したら、YouTubeで発見した。フランス語の分かる方は是非どうぞ。




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by iihanashi-africa | 2018-09-14 08:21 | セネガル | Trackback | Comments(0)
エレベーターのボタンの押し方(続編)
1カ月ほど前、「エレベーターのボタンの押し方」という記事をアップした。多くの職員が、エレベーターのボタンの押し方を勘違いしているという記事。一人二人ならこっそり教えることもできたが、大半が間違えているので静観するしかなかった。

あれから1カ月。しばらく不在にしており、セネガルに戻ってきたら、職場のエレベーターの横に、こんな張り紙がしてあった。

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「エレベーターの使い方について」
注意書き:3つのエレベーターは連動しています。全ての3つのボタンを押す必要はなく、最も近いエレベーターのボタンを1つ押してください。

1) 下階へ行く場合、どれか一つのエレベーターの▼のボタンを1回押してください
2) 上階へ行く場合、どれか一つのエレベーターの▲のボタンを1回押してください
3) 閉まりかけたエレベーターの扉をあける場合は、エレベーターの中で ◀▶のボタンを押してください


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やっぱり全員に周知するにはこういう張り紙が必要だったのかも。

でも、未だに押し方が分かっていない人がいるような気がする(笑)


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by iihanashi-africa | 2018-09-08 08:08 | セネガル | Trackback | Comments(2)
チェブヤップの作り方
先日、「セネガル料理一覧」という記事をアップしたが、その中のチェブヤップという料理の調理風景を動画に撮ったので、簡単にまとめて「チェブヤップの作り方」という映像を作ってみた。いくつもの動画を、ただ切り貼りしただけなので、何の字幕もつけていないけれど、なんとなく分かるかな。調理の最初の部分は撮影できなかったので、肉を煮込んでいるところから始まります。ちなみに、これはセネガル人の知り合いの息子の命名式のお祝いのお食事。さすがに一家族分ではありません。




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by iihanashi-africa | 2018-09-05 17:14 | セネガル | Trackback | Comments(0)
アタイヤというセネガルのお茶の文化
セネガルだけでなく、イスラムの影響が強い国ではお茶の文化がある。アラブの国々でもミントティーを飲む習慣があり、モロッコに旅行した時も毎日1回は飲んでいた。セネガルでも、セネガル人と一日過ごすとアタイヤAtayaと呼ばれるお茶を何度も飲むことになる。中国緑茶を使う人が多いのだが、それに砂糖をたっぷり入れて、じっくり沸騰させ、ミントも加えてさっぱり感を出して飲むのが一般的。普段デザートを食べる習慣がないセネガル人にとっては、食後のデザート替わりにも思える。

アタイヤはアラビア語が語源。単なる飲み物というだけでなく、家族やコミュニティー、仕事の同僚などとの親睦を深める日常のひとときでもあるような気がする。アタイヤ専用の炭火を使ってお茶を作っている間、その周囲には人々が集まり、世間話をする。こうして深いネットワークが生まれる。勤務時間中にお茶を飲むために1時間くらいオフィスをあける人もいるが、非効率的なようで意外とここで作られたネットワークが効率的な仕事につながるのだ。

アタイヤは、お湯を入れれば完成というシンプルなものではない。親から子へと作り方が引き継がれる伝統的な無形アートとも言えるかもしれない。

まずアタイヤ専用のティーポットに水をいれ、緑茶を入れる。そして沸騰してきたら、一旦これまたアタイヤ専用グラスに煮立ったお茶を出したりポットに戻したりして、均等に煮立つようにする。その後、しばらく煮立たせてから、砂糖を入れ、さらに煮立たせる。途中水分が少なくなってきたら水を加えたりもする。
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そして、ある程度煮立ったら、再度グラスに注ぎ、別のグラスに高いところから注ぎ返し、それを何度も何度も繰り返して、グラスの底にきめ細やかな綺麗な泡ができるまで続ける。友人のセネガル人は、泡のないアタイヤは美味しくないと常に言っている。ビールも泡がないと美味しくないのと同じかな。この泡の作り方が芸術的なので、動画をどうぞ(音量にご注意を(笑))。





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最終的にこういう泡がグラスの底にできる。ちなみに、泡にこだわるセネガル人にとっては、この泡はまだまだらしい。もっときめが細かい泡を出せる人もいる。
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そして、アタイヤを注いで周囲の方々に提供する。
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アタイヤを飲むとき、よく「Eweul(あるいは仏語でpremier)」、「Niarel(仏語でdeuxième)」、「Tarhis(仏語でtroisième)」という言葉を耳にする。

Eweulは1番目のお茶、Niarelは2番目のお茶、Tarhisは3番目のお茶という意味。日本で言う一番茶、二番茶とは意味合いが異なり、同じお茶っ葉で、1回目に入れたお茶、その後水を加えて2回目に入れたお茶、そして3回目に入れたお茶をさす。1回目のお茶はとても濃く、苦みが強い。2回目、3回目になると、徐々に苦みが薄れ、逆に甘味の強いお茶になる。セネガルでは、1回目のお茶は「死」のように苦く、2回目のお茶は「生命」のように優しい味で、3回目のお茶は「愛」のように甘いと言われている。私は、1杯目の濃いお茶が好きかな。ただ、これを夜飲むと眠れなくなる。コーヒーに匹敵する覚醒効果があるような気がする。私は一度、夜10時頃に飲んで、全く眠れないという痛い目にあったので、夜は飲まないようにしている。

もう一つ、アタイヤを作るのは伝統的に男性の役割とされている。料理をしないセネガル人男性も、アタイヤだけは自分たちの仕事だと感じていると思う。上の写真や動画では女性が作っているが、これはレストランだから。家では男性や男の子が担うのだ。


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by iihanashi-africa | 2018-09-01 23:08 | セネガル | Trackback | Comments(0)
Dankhという木の実
現在休暇中なので、情報集めに時間がかかる記事ネタから書いているが、手元にある写真は木の実や果実が多かった。私の興味がここにあるのが自分でも良く分かる。ということで、もう木の実は飽きたと言われることを覚悟で、もう一つ木の実の話題を(笑)。

これも以前セネガルのルーガ市のマーケットに行った時に発見したもの。ダンハDankhと呼ばれる木の実。果肉が緑色なのでディターDitakhという木の実かと思ったのだが、違うものらしい。ディターについては、まだ写真が撮れていないので、別の機会にアップするが、緑色のジュースで知られるディターの方が圧倒的に有名なので、ダンハと入力してもディターが検索されてしまうほど、認知度が格段に違う。かくいうディターも、日本では知られていないけど。。。
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ダンハの学名は、Detarium microcarpumディターの学名は、Detarium senegalense。見た目もとても似ている。それも意外にもマメ科。ダンハはサヘル地域全般で見られるが、セネガルでの消費は、感覚的に他国に比べて多い気がする。樹皮も葉も根も、利尿作用や収斂性があり、薬用に使われることが多いらしい。
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果実は楕円形で、乾燥させると、外側の殻が固くなり、むきにくいゆで卵の殻のように、ぽろぽろと少しずつ爪でひっかいてはがしていく。想像以上のむきにくさで、なんとか一つむき終わると、二つ目、三つ目をむこうという気にならなくなる。外皮の中には緑色の凝固したパウダーに覆われた種が出てきて、これをなめる。「食べる」部分は全くなく、ただひたすら舐める。日本人になじみの抹茶の味がして、十分食べられる味。甘味はほとんどないが、苦みや酸味も強くないため、甘くない抹茶の飴をなめている感じ。

舐め終わると、こういう種が出てくる。
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乾燥させるだけでなく、蒸して食べることもあるらしい。

ダンハの木は見たことがないので、このサイトから写真を拝借。
http://tropical.theferns.info/image.php?id=Detarium+microcarpum
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by iihanashi-africa | 2018-08-31 17:59 | セネガル | Trackback | Comments(4)
セネガル料理一覧
セネガルに赴任して1年9カ月。これまでに多くのセネガル料理を食べて写真に収めてきたので、撮りためた料理をアップしようと思う。

セネガル料理は、西アフリカで最も美味しい料理かもしれない。ブルキナファソで働いていた時も、チャドにいた時も、時々セネガル料理屋に行き、日本人の口に合う料理の数々にほっとしていた。日本人だけでなく、西アフリカの方々にとってもセネガル料理は美味しいらしく、ブルキナファソでは、レストランに「セネガル料理」という看板を出すと客が集まると言われており、セネガル料理が一品しかなくても、「La cuisine sénégalaise(セネガル料理)」という看板を出しているレストランもあった。

セネガル料理が美味しいと言われる所以は、調味料が豊富だからだと思われる。海産物の出汁がよく効いており、様々な干し貝や燻製魚が料理に使われる。それに加えて、タマリンドやネテトゥ、ビサップ等々も、独特の深い味に貢献している。

セネガル料理を把握する上で、関連するウォロフ語のワードを知っておくと分かりやすいので、幾つか記載しておこう。

チェブ Thièbou:コメ
ジェン Jën :魚
ヤップ Yapp:肉(鶏肉以外の肉)
ギナール Ginaar:鶏肉



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c0116370_21412978.jpgチェブジェン(赤):Thiéboudienne rouge / ceeb bu wonq
セネガルの国民食といえばチェブジェン(コメと魚)。魚入りの炊き込みご飯。欧米の方々に言わせると「セネガルのパエリア」らしい。19世紀にサンルイの料理人Penda Mbayeが創作したといわれる料理。大きな鍋で、野菜と魚をじっくりと煮込み、しっかり味がついて煮えたら、具を取り出し、残った汁でご飯を炊く。具を煮込んでいる間も、鍋の上の方で湯気を使ってコメを蒸すという下準備もするなど結構凝っていて調理に時間がかかる。赤と白があり、赤はトマトソース入り、白はトマトソースなし。ちなみに、チェブジェンやチェブヤップなど炊き込み系の料理は、砕米を使う。これはセネガル料理の大きな特徴。


c0116370_23270873.jpgチェブジェン(白):Thiéboudienne blanc / ceeb bu weex
白いチェブジェンは、個人的に私が最も好きなセネガル料理。基本的に油と塩分たっぷりのセネガル料理の中で、油も塩分も控えめなような気がする。具は、赤いチェブジェンと同じ。上に、ブグジBeugeudiというビサップ(ハイビスカス)の葉の酸味のあるソースやスレSouleというネレの実から作った独特の臭みのある発酵調味料などと一緒に食べるのが一般的。


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チェブヤップ:Thiébou yapp
作り方は白いチェブジェンと類似しており、ジェン(魚)がヤップ(肉)に置き換えられた料理。牛や羊の肉が使われる。チェブヤップには基本的にトマトソースは入っておらず、タマネギやニンニク、黒コショウや赤コショウ、パセリなどで味付けがされている。


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チェブギナール:Thiébou ginaar
チェブヤップと作り方はほぼ同じだが、ヤップ(肉)がギナール(鶏肉)に置き換えられた料理。野菜にニンジンが使われることが多いかも?


c0116370_23270846.jpgヤッサプレ(ギナール):Yassa Poulet
代表的なセネガル料理を二つ挙げるとしたら、チェブジェンの次に来るのがヤッサではないだろうか。元々はカザマンスの料理だったらしい。タマネギをたっぷりの油で炒めて、鶏肉も加え、レモンやマスタードで味付けした意外とシンプルな料理。でも、これがとても美味しい。私も10年前はヤッサが最も好きだった。ただ、年齢と共に体が油を受け付けなくなり、今は白いチェブジェンが好みになった。


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ヤッサポワソン:Yassa Poisson
ヤッサプレと同じソースだが、鶏肉ではなく揚げた魚をのせた料理。ヤッサといえば鶏肉が一般的だが、魚も時々見かける。


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スープカンジャ:Soupe Kandia
オクラソースと白飯。スープカンジャは、多様な干し貝や干し魚をだしとして使う。スーパーでもスープカンジャ用の5~6種類の干し貝セットなるものを売っている。この貝のだしが味に深みを与えており、オクラのねばねばも日本人にとっては馴染みのものだし、ソースの中でこれが一番好きという日本人も多い。オクラソースは様々な国で見かけるが、やはりセネガルのものは味わい深い。



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マフェ:Mafé
ピーナッツソースと白飯。ピーナッツソースも西アフリカ全域でよく見かける。しかし、セネガルのソースは、スープカンジャ同様、やはり干し貝の下味があるというのが大きな違い。



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チュウ:Thiou
セネガルにいる多くの日本人が、セネガルのハヤシライスと呼ぶ料理。タマネギやニンジンが沢山入っており、トマトも入ってちょっと濃いめの味付け。これに魚や肉が入って、チュウポワソン、チュウヤップと呼ばれる料理になるが、写真はチュウ・ブレット。魚のすり身団子が入っている。


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ドモダ:Domoda
トマトと小麦粉と酢がベースのソース。酸味が聞いていることが大きな特徴で、セネガルでも男性陣でドモダを嫌いな方は結構いるらしい。野菜や肉、魚などと共に煮込まれる。

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バハル・サルーム:Mbakhalou saloum
肉とピーナッツパウダーとササゲ豆を混ぜ合わせた料理。セネガルは落花生の大生産国ということもあり、ピーナッツを様々な形に加工して利用する料理が多い。



c0116370_23123935.jpgダヒン:Dakhine
ピーナッツを潰したペースト状のものに、ネテトゥと呼ばれるネレの実やトマトや肉や燻製魚などを入れて煮込んだソースにご飯を入れてもっちりさせた料理。これを食べると口の水分を全て吸い取られ、水を沢山飲まなければならないことで有名な料理。もともとは、夕食として食べられていたが、現在は昼食としても食べられている。


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チェレ:Thiéré
ミレットのクスクス。様々なソースと共に食べるが、写真のソースは、タンバクンダで食べたンブムと呼ばれるモリンガのソース。最後に少しクスクスを残し、牛乳をかけて食べることもある。


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チョフ:Thiof
セネガル料理でチョフだけ特出しするのもどうかと自分でも思うが、セネガルで最も人気があり美味しいと言われる魚。日本でいうハタらしいが、少々異なる。新鮮なチョフはふんわりしており本当に美味。しかし、なかなか保存がしっかりしていないとパサパサで美味しくない。保存方法ってホントに大事。


<デザート>

c0116370_22414202.jpgガラー:Ngalakh
セネガルのキリスト教徒が、イースターのお祝いとして作る食べ物。セネガルのキリスト教徒もイスラム教徒のように断食を行う。イスラム教徒は約27日だが、キリスト教徒は40日。人によって断食の方法は異なるが、私の知り合いは朝8時に食事をし、その後丸々1日断食し、また翌日8時に食事をする。つまり1日1回同じ時間に食事をするという断食。その断食が終わる最後の金曜日にこのガラーを食べる。材料は、ピーナッツペースト、バオバブの実、はちみつ、チョコレート、ミレットのクスクス。かなり甘い。ミレットのクスクスは、既に粒になっているものを蒸して調理する。


c0116370_22330739.jpgラー:Lakh
ミレットのクスクスと発酵乳(Lait caillé:ヨーグルトのように半凝固させたもの)を混ぜたもの。通常砂糖で甘みをつけており、朝食やおやつ、祭り事の際に食べる。同じミレットのクスクスでも、前述のガラーとは調理法が異なり、パウダー状のミレットに水を加えながらだまにしていく。


チャクリ:Thiakry



<海鮮>

牡蠣
セネガルはマングローブ林で昔から牡蠣がとれていた(サルーム・デルタのマングローブ)。セネガル人は、生で食べることはないが、牡蠣を乾燥させて、様々な料理の味付けとして入れる。外国人向けに生で食べられるレストランもあるが、日本やフランスの牡蠣に比べ、身は小さくクリーミーさはない。でも、しっかりと牡蠣の味は楽しめる。


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貝類
貝類の豊富さは本当に驚く。こんなにも貝を消費するアフリカの国って他にあるだろうか。セネガル料理では、牡蠣同様、乾燥させて料理の下味として使う。とりわけ、イェットYetと呼ばれる大きな巻貝は有名で、結構高価である。貝の味をそのまま楽しむ料理はない。ただ、貝を蒸して出してくれるレストランでは、様々な貝を楽しめる。これまでの私のヒットは、蒸したムール貝。パリで食べたものより美味しかった。


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ウニ
セネガル人は、私が知る限りウニを食べないのだが、海にはウニが山ほど転がっている。やはりふっくらとした濃厚なウニではなく、さっぱりあっさりウニだが、時々食べたくなる。



上述の料理を見ると分かる通り、セネガル料理はコメを基本とする。しかしこれらのほとんどの料理は、昼食にしか食べられない。夜はミレット(稗)やフォニオのクスクスや練って餅のようにしたものを食べる家が多い。ただ、最近の子どもたちはコメが好きらしく、夜もコメを食べたがるため、親と子で食事が異なることもあるらしい。ちなみに、朝食はフランスパンとコーヒーが一般的。

また、追々情報を追加していこうと思う。


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by iihanashi-africa | 2018-08-30 23:31 | セネガル | Trackback | Comments(5)
Solomという木の実
数か月前、セネガルのルーガという街のマーケットに行った時、ソロムSolomという木の実を売っていた。
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学名はDialium guineense。フランス語ではTamarinier noir、つまり黒いタマリンドと呼ばれる。Solomはウォロフ語。コートジボワールや、ギニア、ベナン、トーゴなどでもローカルネームが存在することから、これらの国でも食されているのだと思われる。オレンジ色のこの種は黒い殻に入っているらしい。
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見た目は小石のように固そうに見えるが、舐めるとオレンジ色の部分がラムネのように溶け、舐め終わると下の写真のような黒い種が現れる。おやつとして楽しむには十分な甘さと程よい酸味があり、食べ始めると止まらない。こういう伝統的なローカル食材の価値を見直そうという動きは以前からあるが、ソロムもその一つで、グルコース、果糖、鉄分、マグネシウム、銅、たんぱく質などが豊富に含まれているらしい。
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木は見たことがないので、ネットから写真を2枚拝借。
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http://www.senegal-export.com/le-solom-ou-tamarinier-noir,62.htmlより

地方のマーケットは、こういう発見が沢山あり面白い。


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by iihanashi-africa | 2018-08-29 22:46 | セネガル | Trackback | Comments(0)
エレベーターのボタンの押し方
銀行の話題に続き、もう一つだけ最近体験した(している)エピソードを一つ。

1カ月半ほど前、私の職場である農業省がダカール郊外に引っ越した。もはやダカールですらないジャムナジオという別の市である。私のダカール市内の自宅から35km。毎日高速にのって車通勤している。

農業省がダカール市内にあった時は、それぞれの局が市内にてんでばらばらに散在しており、同じ省内でも園芸局まで出向くのに車で30分、統計局に行くまでに20分もかかっており、非常に仕事がやりにくかった。現在は、農業省のすべての局が一つの建物に入り、ちょっと打ち合わせをしたいときに「今いる?」と電話し、エレベーターですぐに会いに行ける距離になった。本当に仕事が効率的になったと感じる。

さて、新築の農業省は9階建てと大きく、エレベーターがホールに3基並んでいる。引っ越したばかりの2週間は3基のエレベーターが連動していないという不便があったが、今はしっかりと連動しており、1階で上のボタンを押すと、3基のうち最も近いエレベーターが下りてくるようになっている。いわば「当たり前」のことである。

少し前に、私のアシスタントと外出する用事があり、一緒にエレベーターで下に降りようとしたら、アシスタントが上のボタンを押した。「あれ?私たち下に行くのよ」と言うと、「はい」と何も疑問に思っていない様子。そこでなぜ上向きのボタンを押したのか問うと、エレベーターが下にいるので上に呼ぶために上のボタンを押したそうだ。自分の行きたい方向の矢印を押すのよと教えはしたが、全く想像もしなかった理論でかなり目から鱗だった。

しばらくして、農業省内にアシスタントと同じ理論でエレベーターのボタンを押す人が非常に多いことが分かってきた。この理論だと、真ん中あたりの4階や5階からエレベーターに乗ろうとする時、3基のうち1基は上、2基は下にあったりすると、上と下の両方のボタンを押すことになる。こういうことが頻繁に起きているため、エレベーターが各駅停車だったりする。そしてエレベーターの扉が開いてから、「これ上に行くの?下に行くの?」と中にいる人に聞いてくる。それはエレベーターに乗る前に分かることなのだけど、と心の中で思いながらも、なかなか訂正はできずにいる。今朝は、地上階から上のオフィスに行く人たちが、下のボタンしか押しておらず、みなさんこれから地下に行くのですか~?と心の中でつっこんだ。

私の感覚だと、この理論で動いている方は職員の約半数。かなり多い。だからここはとりあえず静観。

これから1カ月不在にするが、帰ってきたときにちょっと変化がみられるかな。


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by iihanashi-africa | 2018-08-03 04:51 | セネガル | Trackback | Comments(0)
SUZUKIのエピソード:銀行編
ここ一週間は忙しくてなかなかブログがアップできていないが、昨日あった出来事だけは書いておきたいと思い、気分転換に一つ記事を書いておこう。セネガルの銀行の話である。

セネガルの銀行では、よく様々な間違いが発生するため、定期的に口座明細をネットでチェックしている。

先週金曜日、いつものようにネットバンキングで明細を確認したら、7月初めに銀行に預け入れした40万円近い額の小切手が、一旦入金されて再度出金されている。で、結局プラマイゼロということになっている。この銀行はよく間違いがあるが、またか!!とため息。こういう余計なやりとりで手間を取るのは本当に気が滅入るのだが、それでも私から動かないと始まらない。それに小切手は保険会社からの払戻金で、金額も金額のため、早く解決しようと昨日月曜朝一で銀行に行ってきた。

明細を見せながら、かくかくしかじか経緯を説明すると、受付の方がこういうケースは小切手の入金が拒絶されたに違いないという。そして後棚から何やら箱を取り出して中を探ると、私が預け入れしたはずの小切手が出てくるではないか。その小切手にホチキスでメモがついており、「会社印がないため不渡り」と書かれている。全くもってメモの意味が分からず、どういうこと?と聞くと、受付の女性も考え込み、その後ピン!と閃いたのか、「あ、多分あなたのSUZUKIという名前を会社名と間違えたのよ」と言うことだった。会社の口座に入金する際は、小切手の裏に会社印を押さなければならないらしい。「お~なるほど~!!」なんて一瞬騙されたかのように納得してしまったが、いやいや銀行だったら個人口座と会社の口座くらい違いが分かるでしょうにと反論。それに、何で連絡一本もくれなかったのさ、と、まあ一通り不満を伝えてから、結局とやかく言っても仕方ないので、再度小切手の預け入れ用紙に記入した。今度はしっかり「マダムSUZUKI」と。さすがにこれで会社名とは思わないだろう。

ただ、あとから気付いたのだが、この小切手不渡り事件で、手数料が100fcfaとられている。20円という大した金額じゃないのだが、それでも銀行の勘違いによるミスなので、なぜ私が手数料を払わなければならないのか全く腑に落ちない。でも、20円のために、それ以上の燃料費をかけてもう一度銀行に行く気にもならない。

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この銀行は過去にも、間違って別の人の小切手が私の口座に入金されたりと、ミスが多発している。とりわけ驚くほどに入力ミスが多い。

特に小切手で現金を引き出す場合は、受け付けた人がその場で内容を入力するため、非常にミスが多い。SUZUKI Kumikoをまともに書けたためしがない。これはある月の口座明細。黒い下線を引いたところは、まともに書けていないところ。実に6回に4回は間違っていた。ただ、金額を間違えているわけではないため、こういう綴り間違いは笑って見過ごすらしい。
SUZUKI Kimiko(おしい)
SUZIKI Kumiko(これもおしい)
SUZUKI Kumino(こういう間違いは珍しい)
SUZIKI Kumolo(これに至ってはひどい)
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ちなみに、ネットバンキングの名前は旧姓のままなのだが、開設当初から間違っている。KUMIKO TAKEHIKO(正確にはTAKEKOSHI)。だれじゃい。
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口座名義はもちろん正しいのだが、ネットバンキング名が間違えており、銀行に修正してほしいと依頼したのだが、「名前が間違っていても口座番号があっていれば大丈夫」と、ぜ~んぜん問題ないわよ~みたいな軽い感じで言われたので呆れて笑ってしまった記憶がある。

まあ、いつも後で笑い話になるエピソードを提供してくれてありがたい。



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by iihanashi-africa | 2018-08-01 05:48 | セネガル | Trackback | Comments(2)