カテゴリ:ニジェール( 18 )
Hanzaという植物
先月7月にニジェールへ出張した際、首都ニアメの空港で、コーヒーを飲もうと立ち寄った売店にHanzaという見たこともない食べ物を発見した。なにやらカタツムリのように渦を巻いていて、色はピーナッツのような色。大きさは小指の爪くらいの小さなもの。コーヒーを頼むついでに、売店のおじさんにこれは何かと尋ねると、「ハンザ」だという。他の名前はないのかと聞いてもハンザということしか分からなかった。ただ、ちゃんと容器にHanzaと書いてあったので、調べるのに時間はかからなかった。
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実はもう一つアップしたい果実があるのだが、未だに名前が分からないため情報を得られず、アップできていない果実がある。ローカルネームを聞いたままにメモしてきたが、綴りが違うのか全くネットでヒットしない。だから、こうしてローカルネームでも綴りが分かるとありがたい。

脱線したが、私が購入したHanzaはキャラメルコーティングされており、ほんのり甘かった。でないと苦くて食べ続けられないかもしれない。
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さて、Hanzaの学名は、Boscia senegalensis。フウチョウソウ科。西アフリカのサヘルが原産地らしい。あまり知られていない植物だが、栄養価は高く、伝統的に食されている果実の一つ。年間降雨量100~500mmの地域で生育するようで、かなり乾燥した砂地でも育つ。現に降雨不足で穀物不足になった時に、現地の方々の代替食品としてかなり活躍しているらしい。WikipediaにHanza以外の様々な呼び名が明記されており、バンバラ語、フラニ語、ザルマ語、タマシェック語など、やはりローカルネームが存在するのはサヘル地域の言語だ。とりわけ、ハウサ族やフラニ族にとっては重要なエネルギー源らしい。
https://en.wikipedia.org/wiki/Boscia_senegalensisより~

ハンザは、果実も食べられるという。銀杏くらいの大きさの果実ができ、生でもドライフルーツとしても食べられる。この銀杏程の果実の中に、私が食べたくるっと渦を巻いた種子があるそうだが、果実と種子を分離させるのが大変な作業らしい。いつか機会があれば果実も見てみたいなあ。

ニジェールでは、様々な調理方法があるらしい。これはwikipedeiaに掲載されていたスープの写真。
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この他にも、ペースト状にしてクスクスにしたり、クッキーにしたり、パンの材料としたりと最近はレシピも豊富らしい。


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by iihanashi-africa | 2018-08-27 17:28 | ニジェール | Trackback | Comments(3)
ニジェールのタバスキ(犠牲祭)の羊たち
昨日、8月22日はセネガルでもニジェールでもタバスキと呼ばれる犠牲祭だった。これまでもいくつかタバスキに関する記事はアップしたことがあるので、詳細はそちらをどうぞ。

タバスキ2週間前
タバスキ(犠牲祭)の日付の決め方
羊、羊、羊、
今年は羊が高い

タバスキでは、羊を犠牲にして食すのが一般的。自分たちの家族のためだけでなく、ご近所や親類にも配る。そしてこの先何日も羊が食事に出てきて飽きてくる(笑)。『タバスキ(犠牲祭)の日付の決め方』の記事にも書いたが、なぜこの日に羊を食べるのかというと、神アッラーが信仰心を試すために預言者アブラハムに対し、息子を犠牲に捧げるよう啓示し、アブラハムが息子を犠牲にすることを決めたことを称え、子羊と引き換えに息子の命を救ったことによる。

犠牲祭の1か月以上前から、マーケットは立派な羊で埋め尽くされ、犠牲祭が近づくほど価格が高騰する。価格高騰の話題はこの記事をどうぞ(⇒今年は羊が高い)。今年はセネガルではいくらだったのだろう。

ニジェールからは、昨日こんな写真が友人から届いた。羊の十文字焼とでも呼ぼうか。こういう焼き方はニジェールの特徴。セネガルではなかなか見られない。ブルキナファソでも、かなり北部のサヘル州のニジェールの国境に近い地域ではこういう焼き方もある。
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この写真を送ってくれた友人によると、4家族分で合計14頭の羊を犠牲にしている。一家族3~4頭か。相当の出費だったでしょうと聞いたら、彼が購入した時期はまだ羊が安く、6万fcfa(約11,000円)だったので問題なかったという。ただ、犠牲祭前日はこの倍の価格になったらしい。犠牲祭前は、給料の前借りも多く、借金返済もこの月だけは免除してほしいと依頼にくる人もいる。イスラム教徒にとっては、一年で最も出費の多いイベントなのだ。


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by iihanashi-africa | 2018-08-23 18:36 | ニジェール | Trackback | Comments(0)
ニジェール川が枯れた
今ニジェール出張中で、野菜農家グループと会って話を来ているのだが、どこのグループからも乾期中にあらゆる水源から水がなくなったという声が聞こえてきた。

ニジェールに限らず、他のサヘル地域の国々でも野菜栽培のメインシーズンは乾期である。雨期はスコールのような雨が降って洪水が発生したと思ったら、2週間近く全く降らないこともある。そのため雨期中の野菜栽培は、畑の維持管理がとても大変で、根が腐ることもあるし、病害虫も多くなる。雨期中に野菜を栽培できればとても儲かるのだが、この環境ではなかなか難しい。だから乾期栽培の方が自分で潅水を調節でき、病害虫も少ないため野菜を作りやすい。

ただし、乾期は水源が近くにないと野菜を作れない。今回訪問した一つの農家グループは、ニジェール川の水を使って野菜栽培をしている。ギニア、マリ、ニジェール、ナイジェリアと流れるアフリカ大陸で3番目に大きいこの大河は一年中枯れることはない、と言われているが、なんと今年はほぼ枯れてしまったのだそうだ。まあ、完全に枯れたというのは言い過ぎだが、歩いて向こう岸に渡れるほどに水が少なくなってしまった。農家さんも乾期に2回作付けをしているが、今年は2回目に作付けしたスイカとメロンは潅水ができずに枯れてしまい収穫ができなかったそうだ。

ニジェール川についてはこの記事をどうぞ。
初めてのニジェール。

2018年5月6日(乾期の終わり)
これがほぼ枯れかかったニジェール川の衝撃的写真。ニアメに住んでいる友人のFacebookに掲載されて衝撃を受けたので、私のブログでも紹介させてもらうことにした。
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ちなみにこの当時のニアメの気温。最高気温44度。
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ちょうど1年前の2017年5月23日(乾期の終わり、1回だけ雨が降った後)にもニジェール出張しており、その時も牛たちは向こう岸にわたれていた。しかし、それなりに川の水はあり、飛行機から見てもちゃんと大河だった。今年の5月は上からの景色はどうだったのだろう。すごく気になる。
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ニジェール川はギニアから始まる。マリやニジェールの雨量はたかが知れているので、ギニアでの雨量でニジェール川の流量が決まるようなものだ。ギニアの年間降雨量は3000ミリを超える。早い時だと4月から雨が降りはじめ、11月まで雨期は続く。今年はギニアの乾期が長かったのかな?それとも雨期の雨量が少なかったのかな?

これまで何度かニジェールに出張しているが、その度にニジェール川の写真を上から撮っている。あまり違いが分からないが、ちょっとまとめてみることにする。

2015年10月21日(雨期の終わり)
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2016年11月20日(乾期が始まってすぐ)
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2017年10月22日(雨期の終わり)
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2018年7月15日(雨期が始まって1か月半)
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さて、今日は朝から大雨、そしてその後もしとしと雨が続き、午前中の農家グループ訪問は雨足が弱まるのを待ってからということでホテル待機。ここ2週間寝不足気味なので、もう一度寝ようと思ったが、やっぱり寝られず、結局気分転換にブログかな。と、思ったらネットが繋がらず結局セネガルに戻ってきてからアップ。



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by iihanashi-africa | 2018-07-24 02:44 | ニジェール | Trackback | Comments(0)
雨期のサヘルとニアメの街並み
今回の出張は、ブルキナファソとニジェールのセット。先週末にブルキナからニジェールへ移動してきた。今年は6月に雨期が始まったが、なかなか順調に雨は降らず、やっとこの時期になって数日に1回降るようになってきた。普段はまっ茶色のサヘル地域が、この時期、急に青くなる。雑草の種子は強いもので、一年のうち8ヶ月は全く雨が降らない砂地で、灼熱と乾燥に耐えながら砂に交じって辛抱強く雨を待つ。そして1回の雨で芽を出し、自己主張を始める。今まで草一本映えていなかったところが青くなるとかなり感動するのだ。

雨が降ると木々も青くなり、水の溜まる部分が葉脈のようにはっきり分かるようになる。
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ニジェールの首都ニアメは、ニジェール川を挟んで街が広がっており、ニジェール川の両岸には灌漑区や野菜の畑が見られる。
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ニジェール川は大きい。
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以前の投稿の方が写真がキレイなので、こちらもどうぞ。
初めてのニジェール。



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by iihanashi-africa | 2018-07-18 02:49 | ニジェール | Trackback | Comments(0)
サバクトビバッタを食す
前回サバクトビバッタ(サバクワタリバッタ)のおすすめ本を紹介したが、そういえばニジェールではサバクトビバッタを美味しく味付けして食べる。バッタに限らず、昆虫は概して良質のプロテインを摂取でき、鉄や亜鉛などのミネラルも豊富と言われている。ニジェールで売られているサバクトビバッタやその他のバッタは、プロテインの含有率50%らしい。

以前、バッタシロアリイモムシの記事を書いたことがある。

ニジェールのバッタ揚げ
シロアリを食べたことありますか?
乾燥イモムシ

ニジェールのバッタの捕獲は、朝7時から9時の間に行われる。寒いとバッタの動きが鈍いため、捕まえやすいらしい。バッタの捕獲は1日150匹から多い時で1000匹を超えることもある。重さだと1~2.3kg。それでも、1日の収入は1800~2900fcfa(4~6.4USD)。
https://www.ajol.info/index.php/jab/article/download/120734/110178

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捕まえたバッタは、一旦塩を入れた熱湯で湯がき、天日干しする。そして乾燥されたバッタがマーケットで売られる。今回のニジェール出張でもバッタを買い慣れた方に買ってきてもらって食べたのだが、これがとても美味しかった。とてもカリカリしていて、ピリ辛味が絶妙(上の写真)。以前の記事で、ブルキナファソで食べたニジェールのバッタ(下の写真)はとても淡白で味があまりなかったと書いたが、なるほどこうして少し味付けをしてから食べた方がよかったのかと納得。

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次回はちゃんとマーケットで売られている写真を撮ってこよう!



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by iihanashi-africa | 2017-11-17 02:54 | ニジェール | Trackback | Comments(6)
サバクトビバッタのおすすめ本
アフリカのサヘル地域では、バッタが大発生することがある。サバクワタリバッタあるいはサバクトビバッタと呼ばれる。FAOが毎年バッタ予報を出しているのだが、大発生すると人間の手に負えなくなる。

サヘル地域の農業省出先機関の重要な任務の一つがサバクトビバッタの退治である。殺虫剤が大量にストックされており、バッタの発生情報があるといち早く現場に駆け付け対応する。バッタはほぼ毎年発生しており、毎年職員はバッタ退治で各地を駆け巡るのだが、いつもどこかの穀物畑が被害に遭う。バッタの大群に襲われた畑は壊滅的被害を受ける。とくに大発生した年の被害は甚大である。ブルキナファソにいた時は、発生時期に北部の農業省出先機関にアポをとっても、バッタ退治でみんな出払っていると言われることがあった。

1988年に大発生した際には、大西洋を渡り、カリブ海まで飛んでいったそう。これには学者も驚き、当初は誰も信じなかったらしい。それもそのはず、あんなに小さな体で1週間何も食べず4000kmも移動するとは到底考えられないのだから。もちろん多くは途中で力尽きたようだが、たどり着いたバッタたちは、空中の微生物などを食べながら、上手く風に乗れたと考えられている。

このサバクトビバッタの研究者が日本にいるらしい。

そのことを知ったのは、友人からとても面白い本があると教えてもらったことに始まる。それが、前野ウルド浩太郎さんの『孤独なバッタが群れるとき』という本。9月に休暇で帰国する前に、Amazonの買い物かごに入れておいたのだが、購入する前にふと訪れた新宿のブックファーストで、「おすすめ本」として紹介されていたのが、同じ著者の『バッタを倒しにアフリカへ』という本。西アフリカの農業に関わるものとして、サバクトビバッタは最大の関心事項の一つで、私もいろいろ知りたいと思い、両方購入することにした。

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この2冊の本、本当におすすめである。

『孤独なバッタが群れるとき』は、著者の処女作。東海大学出版のフィールドの生物学シリーズなのでかなり学術的なのだが、これが素人の私が読んでもとても面白く読める。この本を紹介してくれた友人が、「学術的なのに読み物としてもとても面白い」と言っていたのがとても良く分かる。そして、著者の人柄が伝わってくる好感の持てる文章で読み進めるのが楽しくなる。

著者はサバクトビバッタの相変異の研究をされている。相変異とは何か。

「世界各地で起こるバッタの大発生には共通の謎があった。それは、大発生の時に覆い掛かってくる黒いバッタは、この時にしか見られないのだ。平和な時には忽然と姿を消しており、草根をかき分けてもいっこうに見つからない。奇襲をかけようにも敵のアジトを誰も見つけることができなかった。黒い悪魔と呼ばれた所以がそれである。バッタはまばらに生息している低密度下で発育した個体は孤独相とよばれ、一般的に緑色をしておりおとなしい。一方、辺りにたくさんの仲間がいる高密度下では、群れを成して活発に動き回り、幼虫は黄色や黒の目立つバッタになる。これらは群生相と呼ばれる。

長年にわたって、孤独相群生相はそれぞれ別種のバッタだと考えられてきた。その後、1921年にロシアの昆虫学者ウバロフ卿が、普段は孤独相のバッタが混み合うと群生相に変身することを突き止め、この現象は「相変異」と名付けられた。

大発生時には、全ての個体が群生相になって害虫化する。そのため群生相になることを阻止できれば、大発生そのものを未然に防ぐことができると考えられた。相変異のメカニズムの解明がバッタ問題解決のカギを握っているとされているのだ。」


著者はこの相変異メカニズムについて研究をしている。
ファーブルに憧れて昆虫の研究をしたいと夢見た少年が、今や多くの発見をして次々に論文を発表するようになるまでに通った道と成長の過程が、物語を読んでいるようで面白い。


『バッタを倒しにアフリカへ』は、光文社新書から出ている。著者は、研究室の中の研究後、モーリタニア国立サバクトビバッタ研究所でフィールドワークを3年間行うのだが、このフィールドワークの様子とモーリタニアの研究環境や生活環境も含めた読み物になっている。エッセイと言った方が適切かもしれないが、もともと文章が面白い方なので、学術的ではなくても楽しんで読み進めることができる。

是非ご一読を。

次回の記事は、「サバクトビバッタを食す」。



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by iihanashi-africa | 2017-11-14 06:37 | ニジェール | Trackback | Comments(4)
トゥアレグ族の21個のシンボル
ニジェールのお土産屋さんで、このようなペンダントのコレクションをよく見かける。Croix de Touaregs(トゥアレグ族の十字架)と呼ばれるペンダントで、トゥアレグ族の中でも特にKel Aïr族やKel Geresse族、あるいはアガデスに住む遊牧民、そしてプル族やハウサ族の中にもペンダントとして使う人もいるようだ。各十字架は、それぞれの都市のシンボルで、身につけている人の出身地を示すものでもある。最も有名なペンダントはアガデスのもの(写真の左上)で、イヤリングやネックレス、髪飾りとして民芸品店で売られている。蝋で型を作り、そこに銀を流し入れる方法で作っている。

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これまでの研究によると、このような十字架は古代エジプトから存在したという説もあるようだが、イスラム教が南下する以前のキリスト教の影響が強かった時代に、それぞれの民族が十字架をかたどったシンボルを作ったとも言われている。

このように十字架をも思わせるペンダントだが、トゥアレグ族の中では、「東西南北」を示すと言い伝えられている。通常、このペンダントは父から息子へ受け継がれるのだが、その際に、「息子よ、今後おまえは世界のどこで死ぬのか分からない。だから、おまえに世界の四方向(東西南北)を示しておく」と言って、道しるべとなるように手渡すのだそうだ。



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by iihanashi-africa | 2017-11-10 06:31 | ニジェール | Trackback | Comments(0)
ニジェールの恐竜
サハラ砂漠は、恐竜の化石の宝庫である。

そういえば、そうだった。先日、ニアメ市内のブブ・ハマ国立博物館に行って、恐竜の化石の展示を見て思い出した。アフリカの他国にはなかなかない展示物で、とても新鮮だった。折角の恐竜の化石が砂埃にまみれて茶色くなっているのが残念だが、こうして砂にまみれて発見されたと思えば、なかなかリアリティがあるし、先進国の綺麗な博物館に展示されていると全く異次元のものにしか見えない恐竜の化石が、ニジェールの乾燥した環境の中で見るとついこの間までこの地で生きていたかのように少し命が吹き込まれて見える。

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サハラ砂漠では、モロッコからエジプト、チュニジアからニジェールと、広範囲で様々な化石が発見されている。大半の発掘場所は、アクセス困難なところにあり、最近は昨今の治安情勢不安のために、残念ながら発掘は進んでいない。しかし、これまで肉食恐竜、草食恐竜、水中の恐竜など、すでに様々な化石が発見されている。


1820年代、古生物学者はヨーロッパの恐竜についてある程度の知識を積み上げ、1870年代からはアメリカ西部やアルゼンチン等で様々な恐竜の化石を発掘しだした。1900年代に入るまで、それ以外の大陸にはほとんど目もむけられていなかったのだ。唯一、オーストラリアやインド、南アフリカで多少の化石が発見されていた程度であった。

1906年になって初めて、サハラ砂漠の恐竜探索が開始する。口火を切ったのが、地質学者Emile Haugが記述した書物と、Foureau氏とLamy司令官の探検隊が記述した書物である。フランスの植民地時代だった当時、大変貴重な書物として有名になっている。

1906年以降、アガデスAgadezの近くのアイールAïrという町の周辺で、多数の恐竜の化石が発見される。この時に活躍した古生物学者に、フランス人のPhilippe Taquet氏シカゴ大学のアメリカ人Paul Sereno氏がおり、ニジェールで発見された恐竜のほとんどは、この2名のグループによって発見されている。Aïr地域の発掘サイトGadoufawa、In Gall、Tiguidit、Tawachi等は、恐竜の化石の代名詞となった。

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これまでにニジェールで発見された恐竜は6種類
私は恐竜に詳しくないため、それぞれを丁寧に説明できないのだが、このフランス語のサイトに詳しく記述されている。
http://www.ingall-niger.org/index.php/la-prehistoire/les-dinosaures

現在、治安悪化に加え、財政難で発掘サイトは十分に保護されておらず、密売人がはびこるようになっており、2005年、2006年と立て続けに恐竜の化石を含むニジェールの考古学品がフランスに大量に密輸入されようとして、税関で没収されている。恐竜の発掘サイトは今、ほとんどが土で覆われているようだ。

2007年の時点では、ニジェールの化石サイトをユネスコの世界遺産に登録しようとする動きもあったようだが、治安が悪化した今、この動きはどうなっているのだろうか。当時は、スペインの支援を得て、Tadibèneに博物館も建設されるとのことだった。
http://lactualite.com/monde/2007/05/10/des-dinos-a-la-tonne/

発掘が本格的に再開するまでには、まだまだ時間がかかるだろうが、しばらくは恐竜も身を潜めてゆっくり眠っていた方がいい。



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by iihanashi-africa | 2017-11-06 18:44 | ニジェール | Trackback | Comments(0)
ほら貝のような角をもつクーリー牛
先日訪問したニアメのブブ・ハマ国立博物館で、クーリー牛(Vache Kouri)の存在を初めて知った。博物館の中に、巨大なほら貝のようなクーリー牛の角が展示されていた。残念ながら写真撮影が禁止だったので、別のサイトで見つけた写真を拝借。

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出典:http://unhcrniger.tumblr.com/post/152071119719/quel-avenir-pour-la-vache-kouri-du-lac-tchad

下の写真はブブ・ハマ国立博物館の動物園にいたクーリー牛。角がタケノコみたいだ。
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クーリー牛はチャド湖の周辺に多く見られるそうだ。チャド、カメルーン、ニジェール、ナイジェリアに生息と書かれているが、ニジェールでもやはりチャド湖の近くでないと見られないらしい。クーリー牛は水の中の移動を得意とするため、チャド湖の中で多くの時間を過ごすが、チャド湖の縮小により、生息数に影響が出ている。また、干ばつや灼熱、病気にも弱いため、現在絶滅の危機にあるそうだ。今やアフリカ各地に広まっているセブ牛(Zebu)が取って代わろうとしている。加えて、クーリー牛泥棒も後を絶たず、度重なる泥棒被害に牛を手放す人も増えている。2016年、ニジェールのDiffa州でコミュニティー間の緊張が高まったことから、UNHCRがアンケート調査を行ったところ、実に81%の人が家畜泥棒が原因と回答したそうだ。(http://unhcrniger.tumblr.com/post/152071119719/quel-avenir-pour-la-vache-kouri-du-lac-tchad



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by iihanashi-africa | 2017-11-04 22:33 | ニジェール | Trackback | Comments(0)
ニアメのブブ・ハマ国立博物館
ニジェールの首都ニアメに、ブブ・ハマ国立博物館(Musée National Boubou-Hama)がある。もともとはIFAN(Institut Fondamental d’Afrique Noire:ブラックアフリカ基礎学院)からアイデアを継承し、1959年にニジェール国立博物館として設立された。そういえば、セネガルのテオドール・モノ・アフリカ美術博物館もIFANの施設が博物館となっている。ブブ・ハマ国立博物館は、2008年に、創設に貢献したブブ・ハマ氏に敬意を表して名称を変更した。ブブ・ハマ氏は、政治家でもあり言語学者、歴史学者、哲学者そして同時に作家でもあり、ニアメのIFANセンターの学長を務めた方でもある。


ブブ・ハマ国立博物館の公式サイト
http://www.museenationalduniger.ne/


私の今回のニジェール出張は2週間と長く、週末を挟むため、この週末でこれまで行きたくても行けなかったこの博物館にどうしても行きたかった。この博物館に行ったことのある方に様子を聞くと、大したものはないとのことだったが、これまで大したことないと言われていたアフリカの観光地を私はそれなりに楽しむことができている経験から、やはり自分の目で確かめてみたかった。そして、思った通り、とても充実した時間を過ごすこととなる。ブルキナファソの博物館よりもセネガルの博物館よりも興味深い展示が多く、2時間かけてじっくりと敷地内を探索できた。

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博物館の敷地の入口で、まず1500fcfa(約300円)を支払う。


敷地が24haもあり、博物館も様々なパビリオンに建物が分かれており、それも動物園と博物館と民芸品売り場が混在しているため、パビリオンとパビリオンがかなり離れている。意外と広い。そのため、入口でガイドをお願いするとよい。パビリオンの中も説明書きが少ないため、ガイドがいると展示物の貴重さが更に良く分かる。ただし、正規のガイドのバッジを持っている方に依頼しないと、ちゃんとした説明が受けられないので要注意。
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博物館の中は写真撮影禁止。そのため、興味深い展示物を見せられなくて残念だが、本当に興味深い展示がある。博物館は、文化・歴史物を展示するブブ・ハマ館、楽器館、衣服館、先史時代館、考古学館、石油館、ウラン館に分かれている。どの館もじっくり見ていると時間が足りなくなる。ブブ・ハマ館には、ニジェールでこれまで使用されてきた貨幣の歴史や、ニジェールの各民族の槍、靴などが展示されている。衣服館には、各民族の伝統衣装やZinder州特有のダチョウの皮を使ったカバン、先史館にはトゥアレグ族の伝統的な鉄細工の歴史が分かる。どれも一つ一つ書き出すときりがないくらい興味深い。ウラン館については、別途記事にしようかな。

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西アフリカの動物園は、国外から動物を輸入して園として成り立っているところが多い中、ここは意外とニジェール国内に生息する動物が多い。飼育環境は劣悪で少々かわいそうではあるのだが、普通に生活していたら見られない動物も多く、ニジェール人の家族連れが多い。

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マラディ州から連れてこられたライオン。当時は4か月だったが今は4歳で立派な大人。

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ニジェールのジャコウネコ。


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ニジェール川のワニ。


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ニジェール川のカバ。


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チャド湖のクーリー牛。これは別途記事にする予定。


そして、この敷地内で一際目を引くのが恐竜だろうか。フランスの古生物学者Philippe Taquetアガデス州で発見したティラノサウルスや体長11メートルのワニ、アメリカの古生物学者Paul Serenoが同じくアガデスで発見した20メートルを超える草食恐竜。Jobaria Tiguidensisという学名を持つ。

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この博物館は、2011年に公共施設となり、芸術習得センターも設置され、国からの予算が配分されるようになった。彫刻、裁縫、皮革製品、電気技術、溶接技術などの学生を受け入れている。

確かに博物館としてはもう少し整備が必要ではあるが、現時点でも十分に見ごたえがある。


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by iihanashi-africa | 2017-11-01 21:20 | ニジェール | Trackback | Comments(3)