南北境界見学の条件
3日目

板門店ツアー(非武装地帯DMZ→ボニファスキャンプ→板門店(パンムンジョン)→帰らざる橋)→帰国

2泊3日と短い旅行ではありましたが、時間が許せば北朝鮮との境界へ行ってみたいという思いは母も妹もありました。

板門店へはツアーでしか行けません。幾つかある旅行会社のうち、私たちはチョウさんがお勧めしてくれたパンムンジョン旅行会社を利用することにしました。

韓国出発前日に、ホームページで内容を確認すると、服装に制限があることが判明。ジーンズ禁止、ノースリーブ禁止、サンダル禁止。妹はジーンズしか持っていかないと思ったので、急いでジーンズ以外の軽装を持っていくようメールをすると、案の定「ジーンズしか用意していなかった」との返事。先に確認しておいてよかった。

正確には、破れたジーンズ禁止とのことで、万一北朝鮮の人々がその姿を見ると「韓国はアメリカに制圧されている」とか「破れた服しか着れないような貧しい国なんだ」と思ってしまうからだそう。ノースリーブは下着に見え、サンダルも貧しいと思われるアイテムのようです。ツアーのメンバーで一人サンダルを履いていた人は、旅行会社が用意していた靴に履き替えさせられていました。これらは全て、北朝鮮に誤解を与えないというより、こちらの面目を保つためですね。

ソウルからバスで非武装地帯DMZへ向かう途中、ガイドさんから4つの禁止事項を告げられました。
   1) お酒は飲まない、持ち込まない。
   2) バスから降りたら必ず2列になって歩く。
   3) 北朝鮮人に手を振ったり、指を差さない。
   4) 写真は撮っていいと言われたところでしか撮ってはならない。

お酒は、酔っ払ったら相手を挑発するような行為をしかねないから。手を振ったり指を差すのも相手を挑発してしまうようです。2列になって歩くのは、誰か一人が間違った行動に出ないよう秩序を守るためですね。

日本人は板門店ツアーへ参加する際、大した手続きは必要ではありませんが、韓国人は1年前から申請しなければならないんだそうです。韓国には北朝鮮との離散家族が多いので、北朝鮮へ亡命する可能性が高いからだそう。南から北へ亡命する人などいないように思ってしまいますが、こうして厳しい規制がかけられているということは、いるんでしょうね。

ちなみに、韓国人の他にも、中東や北アフリカの国々、マレーシア、台湾、香港、インド、パキスタン、アフガニスタン、ベトナム、インドネシアのようなアジアの一部の国や地域、キューバやロシアなどの人々も、ツアー1週間前にパスポートのコピーを提出して許可を得なければならないようです。サハラ以南アフリカではナイジェリアとソマリアが含まれていました。

こんな説明を受けている間に、ソウルのロッテホテルから出発したバスはDMZ(DeMilitarized Zone:非武装地帯)へ到着。DMZは韓国と北朝鮮の軍事境界線から南北両側にそれぞれ2キロ(計4キロ)の区域です。この入り口を入ったらDMZ。
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国連軍司令部の最先方基地である「ボニファスキャンプ」でパスポートコントロールや服装チェックを受け、板門店へ向かいます。ここで、ソウルから乗ってきた民間のバスから国連のバスに乗り換えます。

ボニファスキャンプでは、訪問者宣言書に署名をしなければなりません。そこには、
「敵の行動(活動)によっては危害をうける又は死亡する可能性があります。(・・・)国連軍のゲストの皆様は、軍事境界線を越えて北朝鮮軍の管理する統合警備地区へ立ち入ることは許されていません。また、事変・事件を予期することはできませんので国連軍、アメリカ合衆国および大韓民国は訪問者の安全を保障することはできませんし、敵の行なう行動に対し、責任を負うことはできません。」
と書かれています。板門店に到着する前に、かなり脅されます。ルールを守れば問題はないと。でも「敵」って北朝鮮のことだよね。共同警備区域で北朝鮮を敵と表現するのはどうかと思うのですが。

板門店
[板門店は、非武装地帯の中にある唯一の南と北の対話の場所でドイツのベルリンの壁と並び冷戦の象徴である。1953年に北側の朝鮮人民軍と南側の「国連軍」との間で停戦条約が調印された場所。板門店は、停戦協定を結んだ後、国連と北朝鮮側の共同警備区域(JSA:Joint Security Area)に定められ、前後左右の距離がわずか800mにすぎない狭い空間である。]

奥の建物が、北側の「板門閣」で手前の水色の建物が「軍事停戦委員会本会議場」。この本会議場の丁度中央を軍事境界線が走っています。だから建物の手前半分は韓国で、向こう半分は北朝鮮。
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拡大すると・・・(↓) 本会議場の韓国側の入り口。
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本会議場の中は、中央にテーブルがあり、その上に置かれている国連旗が境界を意味しています。境界をまたいで韓国側の軍人が警備しています。ここは、韓国側から来た私たちが、唯一北朝鮮側へ足を踏み入れることが出来る場所です。


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このテーブルで停戦協議が行なわれました。


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すぐに身を隠せるよう壁に半分体を隠し、警備する韓国側の軍人。


偶然、北朝鮮側から板門店を見学に来た観光客を見かけました。こんなに近距離にいるのに近寄れず、全く異次元にいる人たちのように見えてしまいました。中央の国境線の向こう側に立っているのは北朝鮮の軍人です。
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韓国側の「自由の家」。韓国側の南北連絡事務所が設けられています。北朝鮮側の連絡事務所は「板門閣」


「帰らざる橋」。軍事境界線の真ん中を貫いている。1953年7月27日停戦協定後、戦争の捕虜交換がここで行なわれました。韓国側は、北朝鮮人捕虜を3万人返したのに対し、北朝鮮側は1万人しか返してこなかったそう。この橋の名前は、捕虜たちが一旦どちらかを決めると、二度と橋を渡って戻ることはできないことからきたようです。
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c0116370_107857.jpgポプラ事件の発端となったポプラの木の跡。この事件を機に、それまで南北兵士の行き来が自由であった板門店の中でも、境界が引かれるようになりました。(詳しくはwikipediaでどうぞ。)


北朝鮮側の「平和の村(キジョンドン村)」。韓国側には「自由の村(タエスンドン村)」があり、230人余が農業を営みながら生活してます。平和の村には、偵察兵力以外の民間人は誰一人住んでいないそう。村の入り口には高さ160mの世界最大の掲揚台が立っています。
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板門店の見学が終わり、お昼にブルコギを食べていると、脱北者で歌手を目指す男性が日本の曲を歌ってくれました。いい声だった...


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by iihanashi-africa | 2008-08-21 10:35 | 韓国 | Trackback | Comments(2)
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Commented by lazytown at 2008-09-08 06:41
勉強になりました。。ポプラ事件のことをしらなかったので、、

韓国料理わたしも、だいすきなんです。いつか、いってみたいです。
Commented by iihanashi-africa at 2008-09-17 23:13
韓国料理はおいしいですよね。私はよく大韓航空に乗るのですが、最近はサービスもよく、各席に画面もあり非常に快適です。そして、最大のポイントは機内食がおいしいこと。今まで乗った航空会社の中で、最もはずれが少なくおいしいと思っています。
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