男性が収穫してきたミレット(稗)を脱穀・製粉するのは女性の仕事です。この作業は3段階に分かれています。まず、①房からミレットの粒を取る作業。そして、②粒から皮を取り除く脱穀作業。最後に、③脱穀された実を製粉する作業。①と②の作業はかすが出る作業ですので、自宅の庭では行わず、かすをその場に落としてもよい村の外れまで出かけて行います。この女性は、帰りに水も汲んでくるつもりのようです。女性は朝、日の出と共に起きて、水浴びをしたら、7時か8時に脱穀作業を始めます。
臼にミレットを山盛りに入れます。 そして、杵でつきます。右手が疲れたら、左手に持ち替え、ミレットをつきながら左右の手を上手に操ります。以前、私も試したことがありますが、まず杵が真ん中に落ちず、臼が安定しません。さらに腕が相当疲れます。女性たちはこの動作を4時間も5時間も続けます。脱帽です。これが彼女たちの通常の家事ですので、この作業をしない女性は即離婚させられるそうです。 粒が取れたら、こうして吹き落としてかすを飛ばします。これを何度も何度も繰り返します。周りに茎のようなかすが飛び散っているのが分かりますか?後で家畜が食べにきます。 一気に作業が飛んでしまいましたが、写真は製粉したミレットをふるいにかけているところです。この前に、脱穀作業が延々と続きます。製粉作業はかすが出てこないので、家の庭で行います。 脱穀・製粉作業が終わるのは、昼の12時から1時頃。朝7時から働くとすると、5時間も継続してミレットをつくことになります。これが終わっても、水汲みに行かなければなりません。アフリカの女性が働き者と称されるのは、毎日このような一見過酷な作業を行っているからです。 村で聞き取り調査を行うと、女性が最も欲しいと思っているものとして、製粉機が第一に挙げられます。1日5時間かかる作業を、製粉機なら30分で終わらせることが出来るからです。家事が軽減すると、別の活動(裁縫や石鹸作製などの副収入を得られる活動)にも時間を割けるようにもなります。村によっては製粉機をうまく活用して、修理費を捻出している村もありますし、折角製粉機を導入したのに、設置場所が悪かったり、マネジメントがしっかりしていなかったために活用されていない例もあります。
by iihanashi-africa
| 2007-12-06 06:32
| ブルキナファソ
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