人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ジェルバ島:ユダヤとイスラムが共存する島
少し前のことになるが、チュニジア南部のジェルバ島へ出張した。
チュニジア南部旅行1:オリーブ農園

ジェルバ島は地中海で10番目に大きい島で、日本の淡路島の3分の2ほどの広さ。海抜10mのほぼ平らな島である。ギリシャ神話においては、オデュッセウスが漂着した「ロータス島」としても知られ(諸説あるが)、観光地としての知名度も高い。島の東海岸にはリゾートホテルが建ち並び、西欧の主要都市からは直行便が飛んでおり、欧州の人々にとっては気軽に行けるバカンスの地である。私たちがジェルバ島へ到着した日も、フランスやドイツ、イタリアの主要都市から直行便が到着していて、チュニスの空港よりも活気があった笑。

ジェルバ島:ユダヤとイスラムが共存する島_c0116370_00080275.png

この島を語る上で、よく使われるのが「ユダヤ教文化が色濃く残る島」だろうか。

実際に現地で面談した方が、ジェルバの特徴は「多様性」にあると話していたのが印象的だった。宗教的・文化的多様性に加え、国際色も豊なので、インターナショナルとローカルの交流も多い。宗教面では、スンナ派ムスリムに加え、イスラム初期に分派したイバード派、そして世界最古級とされるユダヤ教ディアスポラの共同体が共存しており、アラブ系・ベルベル系の要素も混ざりながら、多様な社会を形成している。写真はホテルの前にあったモスク。

ジェルバ島:ユダヤとイスラムが共存する島_c0116370_00010304.jpg

ジェルバ島に限らず、1948年のイスラエル建国までは、チュニジアの多くの都市にはユダヤ教徒居住区ハーラがあり、ユダヤ教徒もムスリムも、宗教以外の面では仕事も近所付き合いも共にしていたという(今でももちろん付き合いはあるとは思うが)。当時、チュニジアにおけるユダヤ教徒は全国で10万人ほどいたようだ。しかし、イスラエル建国後はごくわずかとなり、現在全土で2000人ほど。その半分がジェルバ島に集中している。


ジェルバ島には、紀元前6世紀に建てられたとされるアフリカ最古のシナゴーグがある。このシナゴーグにはユダヤ教徒でなくても見学ができるそうで、私が仕事をしていた間に夫がタクシーで訪れようと、複数の運転手に行き先を伝えると全て断られたそうだ。最後にタクシーの乗り場にいた運転手が話しかけてくれたが「シナゴーグは15時まで昼休みだから今行っても開いていない」と言っていたようだ。ただ、他の運転手は難色を示して取り合ってくれなかったそう。昨今の中東情勢もあり、平和に共存していた共同体の中に潜在的な緊張が浮かび上がってきている可能性も感じさせられた。
https://maps.app.goo.gl/sSo5acVa4eskqQ9T9

そういえば、以前、私たちが作成したプレゼン資料にイスラエルの取引先名を記載していた際、チュニジア側の先生から「生徒たちを刺激しないように削除してくれないか」と事前に連絡があった。

やはり多様性は受け入れつつも、複雑な感情はありそうだ。

by iihanashi-africa | 2025-07-13 00:15 | チュニジア | Trackback | Comments(0)
<< ジェルバの麦わら帽子 注文していないウーバーイーツが届く件 >>