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韓国旅行2日目 1/2:DMZツアー
韓国旅行:下準備
韓国旅行1日目 1/2:宗廟~北村~明洞
韓国旅行1日目 2/2:宗廟~北村~明洞

韓国旅行を決めた時、板門店ツアーにだけは行くと決めていた。私は2008年に一度行っているが、なかなか行けない場所なので、夫を連れていきたかったのだ。

板門店は、北朝鮮と韓国の軍事境界線上にある、唯一南と北の対話ができる場所である。軍事停戦委員会本会議場という、おそらくテレビでも見たことがあるであろう青い会議室があり、ちょうど会議室の真ん中に軍事境界線がある。共同警備区域(JSA)で、南と北の軍人が顔を突き合わして警備を行っている場所である。ツアーに参加するとその会議場の中に入れ、唯一会議場内で北朝鮮側に足を踏み入れることができるのだ。
南北境界見学の条件

こんな経験なかなかできないし、夫にも是非経験してもらいたいと思い、ツアーを探した。
しかし、いくら探してもツアーが出てこない。

色々と情報を収集すると、現在は板門店ツアーが中止されていることが判明した。昨年7月にツアーに参加したアメリカ軍の兵士が北朝鮮側に無断で渡ったという事件があったらしく、その後見学ツアーは中止となったのだそう。昨年末に再開されたが、その後すぐに南北の緊張が高まり、再度中止になっている。

ただ、よくよく調べると、板門店以外のDMZツアー(Demilitarized Zone:非武装地帯)はありそうだった。

私も行ったことのない北朝鮮が秘密裏に掘った南への侵用トンネルの見学など、気になる場所も多く、こちらのツアーに行ってみることにした。

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当日、朝6時40分に明洞駅に集合とのことで、朝5時半に起床。

明洞駅からは大型のバスに満席の参加者。
ガイドの李(リ)さんが、とても流暢な日本語で38度線の歴史を語ってくれた。

38度線は東側と西側の戦いに巻き込まれた結果生まれたものと言われ、もちろんその影響はあるかもしれないが、元々は朝鮮内部の対立に端を発すると、歴史をとうとうと語ってくれた。その語り口調も弁士のようで、聞き終わった時、1本の映画を観終わったような感覚だった。

第二次世界大戦中、米国からは朝鮮は重要な拠点とは認識されておらず、連合国内で朝鮮の処遇が議論されることはなかった。他方、朝鮮内部では、複数の運動団体が存在し、とりわけ朝鮮独立運動団体、すなわち臨時政府系の韓国独立党と、反臨時政府系の朝鮮民族革命党が、朝鮮半島の南と北に拠点を構えて対立していた。当時、中国は国民党の蒋介石政権。1942年頃から、中国周辺へのソ連の影響力を未然に阻止しようと、対立する両者を統合し、中国の庇護のもとにある大韓民国臨時政の独立を承認するよう精力的に動いていた。

他方、米国は大韓民国臨時政府を承認すると、ソ連の反発を買い、朝鮮内のイデオロギーを同じくするグループを支援して対立を深める可能性があると考え、承認を見送っていた。

しかし日本の敗北が明確になるにつれて、朝鮮の将来が協議の対象となり、朝鮮に対する暫定的な信託統治の議論が始まる。そして1945年12月、米ソ英の3か国による共同信託統治が決まる。しかし、朝鮮内では、朝鮮人民の意思を全く反映していないと、左右の全政党が結束して信託統治反対を表明し、デモやストライキが起きた。だが、その直後、朝鮮共産党をはじめ左翼が、突如、態度を一変させて、信託統治に賛成すると表明したことで、左右が激しく対立して分裂構想を強めていった。

上述は、以下のサイトの文章を参考にしたものだが、内容は説明を受けたものと同じ。信託統治に関しても朝鮮が自ら受けることを決定したのだから、我々の選択の問題でもあると李さんは語っていた。
https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00224504-20020128-0013
https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00224504-20090828-0001

その後も現在に至るまでの歴史について、李さんの語りは続くが、話を聞きながらなぜかとても胸が熱くなる瞬間があり、本当に映画を観終わった気分だった。

李さんから、韓国と北朝鮮は何度も歩み寄る機会があったのに、その機会をうまく利用してこなかったという反省があるという言葉があり、とても印象的だった。ドイツは東西が統一できたのに、朝鮮ができていないのは我々の問題だと。

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話を聞いていたら、あっという間にDMZの手前の案内所に8時過ぎ頃に到着した。

韓国と北朝鮮の間には所謂38度線と呼ばれる軍事境界線がある。1953年の休戦協定に基づいて設定された「休戦ライン」であり国境ではない。直線ではなく、かなりジグザグしている。これに肉付けされるように南北双方約2kmのところに「南方限界線」「北方限界線」が設置され、その間が非武装地帯とされている。これをDemilitarized Zone:DMZと呼ぶ。非武装地帯内は、一面に地雷が埋まっており、ツアーでも動ける範囲は決まっている。また、韓国側には南方限界線から更に5-10km南に、民間人統制区域と呼ばれる地域も設定されている。この区域に入るには検問所を通らなければならない。

DMZの出発点は、臨津閣(イムジンガク)観光案内所
民間人出入統制区域の内側にはツアーでしか入れないため、まずはここへきて登録をする。今回のツアーの経路に入っていた第3トンネルは、入場制限があり、事前予約もできないため、その日に観光案内所に着いた順に、時間が振り分けられる。私たちのツアーは早めに着いたため10時半。早い方だという。

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観光地になっており、外には遊園地やキャンプ場もあるほか、建物の2階にはレストランもある。

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望拝壇

数千年間統一国家として存続してきた国は38度線で南北分断されたが、北側に家族や祖先を残してきた人々は、毎年秋夕(チュソク)の頃になると、臨津閣に臨時の祭壇を設け、先祖への祈りを捧げてきた。しかし、1985年に政府が工事費を負担してこの祭壇を建設したのだそう。

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臨津江鉄橋

臨津閣に2本の京義線の鉄道の橋が架けられていた。朝鮮戦争時に爆撃を受けて破壊されたが、後に1本は復旧された。手前の壊れたままの橋は、現在ミュージアムになっている。

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朝鮮戦争の最中に爆撃され、半世紀以上にわたり非武装地帯に放置されていた蒸気機関車。銃弾の痕がそのまま残っており生々しい。この蒸気機関車の運転手は最近までご存命だったそうで、その方のインタビューをミュージアムの中で見られる。

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自由の橋

1953年、朝鮮戦争の休戦協定が結ばれ、捕虜の交換が行われた際、北から南に向かった1万3千人の捕虜が「自由万歳」と叫んだことから、自由の橋と呼ばれている。

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2020年9月にゴンドラがオープンしている。

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なかなか手に入らない北朝鮮の紙幣を販売しているショップもあった。

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第3トンネル

DMZには北朝鮮が韓国に攻め入るために掘ったといわれる南侵トンネルが4つある。その中でも京畿道(キョンギド)・坡州(パジュ)市で発見された第3トンネルは、軍事境界線まで約200m地点まで近付くことができることから一番多くの観光客が訪れるトンネルだそう。このトンネルの存在は、脱北者の証言から明らかになり、1978年に発見された。場所は板門店の南方4kmの地点。幅2m、高さ2mで、地下73mの地点に1.6kmも掘削されていた。トンネル内は現在は観光コースになっており、現代(ヒュンダイ)がトロッコを設置して地下まで下りられるようになったが、トロッコのチケットは朝一で売り切れてしまうらしく、私たちは徒歩で地下深くまで進んだ。

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トンネル構内は荷物を持っていってはならず、撮影も禁止。全ての荷物はロッカーに入れからトンネルに入る。
身長166cmの私でさえ、時折かがむこともあり、天井に頭がぶつかる危険もあるためヘルメット着用は義務。

今回のDMZツアーはほとんどバス移動なので、歩くことは少ないだろうと思っていたが、情報収集が甘かった。第3トンネルの急勾配の坂はかなり大変だった。73メートルの深さまで350mで降りるのだから膝が痛くなる。上りも山登りをしている感じ。トンネル内部も狭いので、健康に不安のある方は無理をせず入口のベンチで休んでいてくださいと言われる。

内部は撮影禁止だったので、戻ってきてから監視カメラ画像を撮らしてもらった。こういうところを歩く。急勾配の坂を350m、そこから更に250m以上を歩く。トンネルの先は塞がれており行きどまり。3つの壁が設置されており、壁と壁の間を穴から見られる。

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都羅展望台

展望台の望遠鏡からは鉄条網の軍事境界線が見え、北朝鮮側の畑や町もよく見える。畑で働く住民も見えた。

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北朝鮮側に開城(ケソン)という都市が見える。元々は高麗の王都として栄えた古都であるが、朝鮮戦争の休戦後、北朝鮮の直轄地になっていた。しかし2003年から特別市に制定され、韓国(とりわけ現代(ヒュンダイ))からの経済的支援を得て工業団地として発展してきた。しかし、南北の緊張が高まり、2013年以降、全ての韓国企業が撤退している。

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展望台のカフェで、北朝鮮側を眺めながらコーヒーを飲む。

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このような時計があった。韓国の時計と北朝鮮の時計。30分の時差がある。
もともと大韓帝国時代、平壌時間のように日本との30分差を標準時としていた。しかし、1910年に日韓併合時に、日本と同じ時間に変更された。北朝鮮は、2015年に「祖国解放70周年に際して朝鮮の軍隊と人民の確固不動の信念と意志を反映して」、再度元の30分差の時差に戻したため、韓国と北朝鮮に30分の時差が生じていた。その後、やはり統一を目指す両国の時差があるのは胸が痛いとして、北朝鮮が歩み寄り、再度同じ時刻に戻している。写真は時差があった時の時計を示している。
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統一村

民間人統制区域には現在2カ所の村があるようで、軍事や警備に支障のない範囲で民間人の営農が許可されている。今回訪問した「統一村」には現在400人ほどが住み、高麗人参や豆、米などを栽培しているとのこと。住民は自由や安全が制限されている代わりに、納税や兵役の義務が免除されているそう。住民の平均年収はおよそ1000万円ほどと、韓国の他の地域に比べ高い。ただし、多くの秘密事項にアクセス可能なこともあり、住民の域内への出入りは厳重に監視されており、半年間域外へ出たままになると、もう戻ってこられないのだそう。域内に、小学校もあり10数名が通っているが、中学・高校は域外へ通う。

統一村で栽培された農作物や加工品を購入できる直売所に立ち寄り、豆チョコと米を購入。

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南方限界線には、鉄条網のフェンスが張られており物々しい。ここを韓国軍の兵士が巡回している。

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韓国に旅行する際は、是非DMZへ。
前回もそうだったが、北朝鮮と韓国が同じ国だったということを実感するとともに、イデオロギーの違いでこんなにも文化の異なる国になってしまったのかと愕然とする。


by iihanashi-africa | 2024-04-13 00:17 | 韓国 | Trackback | Comments(2)
Commented at 2024-04-13 20:47
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by iihanashi-africa at 2024-04-15 01:56
>sgmhmmrさん!うわ~~~~、助かります。ありがたや。そして、この文章から正しいサイトまで探し出していただき・・・。

韓国、まだあと1日半分あるのに、力尽きてきました笑
徐々に文章が少なく、そして粗くなると思いますが、お付き合いくださいませ。
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