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『主戦場』という慰安婦問題を取り扱ったドキュメンタリー映画
一昨日、『主戦場』という慰安婦問題を取り扱ったドキュメンタリー映画を見た。

『主戦場』
監督:ミキ・デザキ
2018年、アメリカ
122分

公式サイト

4月20日に公開されたばかりの映画。ネットでの評価がとても高くて面白そうだったので、5月初めに映画館に行ったら、なんとその日4回もある上映のチケットが全て売り切れだった。そのリベンジで行った一昨日は、もちろん学習したのでしっかり事前予約。やっぱり全ての回が満席。立見席も完売。会場も定員100人と小さめで、しかもゴールデンウイーク中だったこともあるが、それでも連日すべての回が満席という盛況ぶりは本当にすごい。。。

この映画は、あまりよく考えたこともなかった問題を喚起してくれてありがとうという思いで、十分に見る価値はあった。なるほど、この問題の争点はそこだったのか、と改めて自分が慰安婦問題を分かっていなかったことを思い知らされる。そうそうたる方々の様々なインタビューが巧みにつなぎ合わされて、構成が良くできていて、これまでの流れと争点が分かりやすいのだ。若い映画監督が、よくぞ、ここまでの方々のインタビューを撮れたものだと感心する。

映画の構成は、基本的には、慰安婦の「強制連行」はなかった、慰安婦は「性奴隷」ではないという否定派と、それとは相反する意見を持つ方々の対立構造で出来上がっている。そして最終的に何が正しくて何が間違っているのかというところは観客の判断に委ねる形に「形式上は」なっている。ただ、素直に映画を見ると、否定派の方々(映画の中では歴史修正主義者と呼んでいる)がかなり滑稽に見えてしまって、ちょっと可哀そうというか心苦しい感じもしないでもない。でも、彼らの理論の突っ込みどころがあまりに多いのだろうから仕方ないのかな。。。

この映画だけ見てもまだまだ解決しない疑問が頭を駆け巡って混乱していたが、改めて感じたのは、慰安婦問題は関係各国の政治問題として議論されることが多いけれど、やはり当事者の女性にとっては、一生背負うことになる思い出したくない事実なのではないかということ。それが、強制であればなおさらだけれど、たとえ慰安婦の役割を深く知らずお金をもらうために自ら慰安所に行くことを申し出たとしても、それは知らずに行ったほうが悪いとは言えないだろうなあ。そういう時代だったといえばそれまでだけど、やはり一人の女性として一生抱える辛さはいつの時代も変わらないんじゃないかなあ。

映画のタイトルである『主戦場』とは、慰安婦問題はいまや日本と韓国だけの問題ではなく、アメリカを含め世界各地でも論争が起きているということでもあり、また下の記事の中にある監督の言葉を借りると、慰安婦の問題について対立する双方から話を聞いてきた監督本人の頭の中が主戦場になったということでもあるそうだ。まさに、私の頭も戦場になった。
https://news.yahoo.co.jp/byline/shinodahiroyuki/20190504-00124778/?fbclid=IwAR21FpVLp0S756Lpf8wW-LZyVROf5Arl3RxRzR6ELo6E2mJbuBf3D7JXmT0

今現在、この映画を上映する映画館は渋谷のイメージフォーラムだけ。でも6月から全国でもちらほらと上映されるらしい。
『主戦場』という慰安婦問題を取り扱ったドキュメンタリー映画_c0116370_16314924.jpg


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by iihanashi-africa | 2019-05-08 16:50 | 日本 | Trackback | Comments(0)
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