社会学的に天水稲作をみる
あるブルキナファソ人の農業技術者が低地の天水稲作サイトを訪れたときのこと。

1週間以上降雨がなく、田んぼが乾いてしまっていた。しかし、低地の真ん中を小川が流れており、水が溢れている。それを見た技術者が「なぜこの水を使って潅水しないのか」と農家に聞いた。すると、そんな考えは思い浮かびもしなかったと農家は言う。

ブルキナファソにおいて、一般的に穀物(トウモロコシ、ヒエ、コメ等)は天水のみで栽培するものという暗黙の慣習がある。水やりをするには、神に家畜のいけにえを捧げて許しを乞うてからでなければならないという地域もある。乾期中に行う野菜栽培では水やりをしているにも関わらず、穀物では御法度なのである。

そういう時、技術者は、まず「雨の水と地下水は同じ水」ということから説明する。雨の水が土壌に浸透して地下水となり、浅井戸の水はその地下水が上がってきた水なのだと説明する。だから穀物にその水をやってもばちは当たらないと。

ブルキナの農家一人当たりの低地稲作面積は最高0.25ha。それに満たないケースも多い。そのため、2~3haの畑地で栽培するトウモロコシやソルガムと違い、潅水も不可能ではない。たとえ一回で全面積を水やりできなかったとしても、降雨がない期間に毎日少しずつでもやることが出来ればかなり違う。低地に浅井戸が設置されていることもあるが、乾期の野菜栽培用の井戸のため、雨期に水が一杯に溜まっていても何にも使われていない。折角これだけ溜まっており、いずれ浸透あるいは蒸発してしまうのだから使えるときに有効に使っておきたいところである。

農家とじっくり話をして、農家の話を聞いて、農家の考えを理解しようとしないと分からない習慣。

有効に活用できると頭では理解していても、農家は受け入れないかもしれない。

こういう視点も重要。


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by iihanashi-africa | 2013-09-26 22:16 | ブルキナファソ | Trackback | Comments(0)
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