先日、ブルキナ人の同僚と「農民組織による機械の共同購入」について議論していた時に、ブルキナファソにはこういう諺があることを聞いた。
『L'ane de tout le monde meurt de faim.』 『皆が共同で飼うロバは餓死する』 何を言いたいか分かるだろうか。 個人所有のロバであれば、定期的に放牧させ丁寧に面倒を見るが、複数名が共同で飼うロバは、面倒を見た分だけのベネフィットが得られるか分からないため、世話がおろそかになる。一人が世話をしなくなれば、他の人々も自分が馬鹿を見ていると感じ始め、徐々に全員が世話をしなくなり、仕舞いには餓死してしまうという理屈である。 日本人の感覚だと、餓死する前に何かしらの手立てが考えられるはず!と思ってしまうが、ブルキナファソにいると、この諺に何故か納得してしまう。 個人の購買力が高くないブルキナでは、少し値が張るものを共同購入するアイデアを提案することがある。しかし、組織としてまとまることにそれほど意義を感じていない人々の集まりにおいては、このアイデアは上手くいかない。但し、購買力のある富裕層だけに利益のあるものにはしたくない。出来るだけ多くの方に裨益するものにしたい。かといって、組織として責任を持つという形は出来るだけ避けたい。 ということで、いつも代替案がなく頭を悩ませる。 にほんブログ村
by iihanashi-africa
| 2013-04-04 08:40
| ブルキナファソ
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Comments(6)
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deko
at 2013-04-08 16:24
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[皆で飼うロバは・・」大事にするよねえ。わたしの責任になってはこまっちゃうもの。アフリカでも国によって違うのかしら、それとも全体がほぼ同じなのかしら、日本企業が進出しない理由はここにあるんだろうね。考え方も含めた意識改革はやっぱり対価をどうして得るかにかかってくる。想像もつかない大変さが伝わってきました。いつものすてきな笑顔で頑張ってね。
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石田
at 2013-04-10 21:55
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こんにちは!
話は少し違いますが、学校で使用している機材について、悩まされています。多分、皆、自分で買ったミシンやハサミなどは大切に使うと思うのですが、援助でもらった機材は手入れをあまりしないので、すぐに使えなくなってしまいます。 故障したミシンが教室の後ろに並んでいます・・・。
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小島
at 2013-04-11 22:32
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こんばんは!
マダガスカルでお世話になった小島です。 とても納得のいく諺だと思いました。しかも、これはアフリカだけではなくて、日本人にも当てはまると思います!現在、児童館で働いています。 金魚の飼育やハムスターの飼育をしています。誰か手のあいてる人が世話をすることになっていますが、世話する人を決めておかないと誰も餌を与えない。誰かがやってくれるだろうってみんなが思ってしまうので す。 個人にメリットがあるものでも何でもないですが・・・。 来てくれる子どもや親が喜んでくれるだけです。 いつも決まった人が世話するだけです。その人もやらなくなったら、死んでしまいます。 「誰かがやるだろう」、この他人まかせの気持ちをどう変えていけるか。自分のためだけじゃなくて、誰かのために動けるか。 アフリカのコミュニティも日本のコミュニティも似ているのかなと思いました。
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iihanashi-africa at 2013-04-15 21:41
そうね。「自分の責任にされちゃこまるから大事にする」という考えはあまりないかもね。大人になってからの意識改革は本当に難しいです。すべてはどのような環境でどんな社会で育ち、どんな教育を受けたかによります。
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iihanashi-africa at 2013-04-15 22:05
石田さん、やはりただでもらったものは、何かしらの思いが積もっていない限り、丁寧に扱う意識が欠けてしまいますよね。学校で教えても、家でお母さんが手入れをしていなかったら、やっぱり身につかない。石田さんもご苦労されていることと思います。
でも、手入れをするしないという問題は、自分がお金を出して購入したものについてもよく起きる問題です。「手入れをすれば長持ちする」、「壊れたものは何度でも修理して使える」、「正しい使い方をしなければすぐに壊れる」ということを知らない人も結構いるように思います。 イチローがアメリカの小学校で講演をした時に、「練習が終わった後は、必ず道具の手入れをしてください。野球が上手くなる秘訣は道具を大切にすること」と話していたのを思い出します。途上国ではなくても、この感覚を分からない人々はいるような気がします。
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iihanashi-africa at 2013-04-15 22:17
小島くん、お久しぶり!!!
コメントありがとう! 全く小島くんのコメントの通りで、日本の社会もアフリカの社会も根本は似ていると思います。でも幸運なことに、日本では小島くんのように勉強以外の考え方の部分を教えてくれる人がたくさんいます。 子供の将来に少なからず影響を与える重要な仕事です。がんばれ~ また連絡ください!
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