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石灰石の尖塔、ツィンギ
5月1日から3日の3日間、マダガスカルの北端ディエゴ・スアレスへ行ってきた。昨年の12月にも旅行したのだが、ディエゴは何度行っても飽きない。海と森とツィンギがコンパクトに纏まっており、3日間で5日間分の旅行をした気分になれる。

マダガスカルは観光客が多いためか国内線が発達しており、日本より広い島にも拘わらず短期間の旅行を計画しやすく、時間を有効に使える。少なくとも、カメルーン、チャド、ブルキナ、セネガルよりは動きやすい国だと思う。しかし、最近は遅延やキャンセルが際立って多く、予定していた日に帰って来られないケースが目立つ。

5月1日

早朝5時45分出発の便。
朝4時には家を出なければならず、そのためには3時15分に目覚ましをセットしることになる。しかし出発前夜、夜7時頃、マダガスカル航空から携帯に電話があり、明日の出発が5時に早まったと電話があった。遅くなる分にはありがたかったが、早まるのは相当きつい。ああ、朝2時半起きか。となると、いつものペースだと3時間睡眠。。。これは飛行機の中で熟睡に違いない。まあ、こうして時間の変更を電話連絡してくれるだけマダガスカル航空は素晴らしい。

翌朝、4時半には空港に着いた。が、、、、チェックイン・カウンターが開いていない。既に乗客の列が長く蛇行している。結局、カウンターが開いたのは5時。そして飛行機が飛び立ったのは5時45分。なんだ、結局元の時間通りじゃないか。45分の睡眠を損した。考えてみれば、前日の夜、乗客全員に電話連絡できるわけがない。電話連絡できない人も必ずいるはず。もしかしたら、空港職員にも連絡が行き渡っていなかったかもしれない。

石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_2051189.jpgプロペラ機に乗り、約1時間45分の旅。予定通り深い眠りに就き、運ばれてきた朝食にも手をつける気力もなかった。7時半、ディエゴ到着。
石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_20531496.jpg空港を一歩出ると、てんとう虫が並んでいるかのように黄色いタクシーが整列していた。私たちは、ホテルから配車された四駆に乗り、直接ツィンギツアーに出発した。ツィンギを見られるアンカラナ特別保護区までは車で2時間らしい。



ディエゴ・スアレスという名前を聞くと、どこかの南米の都市かと思ってしまうが、実はマダガスカル名でアンチラナナ(「港」という意味)という名前がある。1500年頃に、ポルトガル人のディエゴ・ディアスDiego Diazに発見され、1506年に同じくポルトガル人のフェルナンド・スアレスFernando Suarezが湾を訪れたことから、二人の名前を取ってディエゴ・スアレスという名前が付いたそう。

石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_2133350.jpgマダガスカルの海岸沿いは多くがそうだが、首都アンタナナリボが位置する中央高地と異なり、アフリカ大陸の色合いが濃い。インド・パキスタン系の影響もあり、イスラム教徒も多く、街の雰囲気が全く違う。首都では見かけないこんな衣装を纏った女性も多い。
石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_21122642.jpg中央高地では見かけない家の造り。
石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_2164749.jpg5月は果物が少なかったが、12月に来たときはジャックフルーツやマンゴを沢山見かけた。私はジャックフルーツの実を食べたことはあったが、実っているところを見たことがなく、今回初めて見られて感動。木の幹から実が垂れ下がる不思議なフルーツだ。
石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_2184923.jpgライチも最盛期を迎えていた。
石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_21173765.jpg途中、道を横切るカメレオンに遭遇。
動きが独特で見ていて全く飽きない。石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_21203678.jpg


















ナイジェリアに次ぎアフリカ第2のコメ生産量を誇るマダガスカルは、どこへ行っても田んぼがある。これは海岸部らしい椰子の木と田んぼのコントラスト。
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石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_22305313.jpg自然と果物とカメレオンに一喜一憂しながら二時間という長さを感じずにアンカラナ特別保護区へ到着。
石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_2234230.jpg途中で車を下りて、徒歩でツィンギを目指す。
石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_224135.jpg歩き始めてから1kmほどのところに、突然大きな穴が出現する。フランス語でla perte de riviere。日本語で適当な訳語が見つからないが、「川が吸い込まれる場所」とでも言おうか。雨期になると川の水がこの穴に沈降し、吸い込まれる際に大きな渦を巻くそうだ。奥まで見えず、どこまで続くのか分からないが、相当深いと思われる。
石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_23114834.jpgそれにしてもこの穴を形作る岩。自然のものとは思えないほど綺麗に水平に割れている。
石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_22521850.jpgヘビや鳥に出会いながら森の中を進む。
実はこの日、森を歩いていたらノルウェー人の知り合いにばったり遭遇した。アンタナナリボのレストランで偶然会うことはあっても、アンタナナリボから千キロ以上離れたそれも森の中で会うとは驚いた。
石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_22535777.jpg途中、夜行性のキツネザルに遭遇。昼間は全く見えないらしく、サルが見ている方向で手を振っても何の反応もしない。しかし、ガイドがくしゃみをした瞬間、びくっと震えるのが分かった。
石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_22573117.jpgこんな小さなカメレオンも発見。これで大人サイズ。
それにしても、落ち葉の上を歩くこの小さな茶色いカメレオンを見つけたガイドに脱帽。


どのくらい歩いただろうか。多分7キロ近く、いやそれ以上歩いたかもしれない。目の前に岩の帯が広がった。これがツィンギ。ディエゴ湾からこのあたり一体は石灰土壌であるが、こうしてむき出しの帯になっているところはこの辺りのみ。25kmにわたって広がっている。石灰岩が何万年にも及ぶ風雨によって侵食され、無数の細い尖塔になったものがツィンギ。マダガスカル西部のベマハラ国立公園には1990年に世界遺産に登録されたツィンギがあるが、こちらはアクセスが悪いため、お手ごろにツィンギを見るにはディエゴがいい。
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石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_2322093.jpgツィンギを上から眺めるだけでは満足いかず、「ツィンギの中に入りたい」とガイドに頼んだら、連れて行ってくれたのがここ。12月に来た時とはコースが違った。
石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_2334094.jpgツィンギの合間をこうして歩き、
石灰石の尖塔、ツィンギ_c0116370_23509.jpg谷間にかけられたつり橋を渡る。
今回のトレッキングコースは相当きつかった。


<次へ続く>

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by iihanashi-africa | 2010-05-17 00:04 | マダガスカル | Trackback | Comments(0)
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