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砂漠と沙漠
「さばく」という言葉を聞いて何を思い浮かべるでしょう。

やはり美しい風紋を織り成す砂丘が広がり、キャラバンがらくだで移動している光景でしょうか。所々にオアシスがあったりして。このような光景を思い浮かべられた場合、「さばく化」とは砂丘が次第に広がっていくことだと思われるでしょう。世界の砂漠の実に5分の4は岩石砂漠や礫砂漠などということをご存知の方はそう多くはないかもしれません。

先日、砂漠と沙漠の違い友人と議論しました。「沙漠」は全てのタイプのさばくを含む広義、「砂漠」は砂の部分だけを示す狭義なのではないかというのが友人の主張。そして、「さばく化」は「沙漠化」と訳すべきなのではないかと。しかし、砂も沙も両方「すな」です。私には、いまいち砂漠と沙漠の違いが理解できないというのが本音。日本沙漠学界は沙を使っています。きっと何か意図があるのでしょう。もう少し調べてみたいと思います。

砂漠と沙漠の違いはさておき、砂漠化について整理してみたいと思います。

1994年に採択された砂漠化防止条約で、「砂漠化」とは「乾燥地域・半乾燥地域および乾燥半湿潤地域における気候上の変動や人間活動を含む様々な要素に起因する土地の劣化」と定義しています。砂漠化とは土地の劣化なのです。土地の劣化とは、植生が減少するだけでなく、降雨や風による土壌の流出など土地の潜在力が低下することをいいます。

いま叫ばれている砂漠化対策というのは、数千年の気候変動で生じたサハラ砂漠そのものをどう回復するかということではありません。乾燥地および半乾燥地などにおいて、そこで生活している人々が、気候の変化あるいは自らの活動ゆえに、地力を悪化させてしまった状況をどう克服するかということです。農民は伝統的な土壌回復技術を用いて地力を回復しようとしており、成功例も多々ありますが、生活基盤が脆弱なうえ、もともとの生活環境が厳しいため、少しの気候の変化でも生活・農業に大きな影響が出てしまい、農民の精一杯の努力も水の泡になってしまう可能性があります。砂漠化というのは、現在人が住んでいる土地でも進行しています。

(そうそう、今、帰国途中でフランスにいます。)

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by iihanashi-africa | 2008-07-12 08:00 | ブルキナファソ | Trackback | Comments(0)
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