緑のサヘルは、ブルキナファソのほぼ中央に位置するバム県(コングシが県庁所在地)で、小学校植林支援事業を行っており、その活動は何度も紹介していますが、実は今年度からバム湖周辺自然管理という事業も開始しました。
バム湖周辺は、1970年代半ばに起こった大干ばつを契機に、植生が減少し、土地が劣化しつつあります。植生を失った土地に叩きつけるように降る雨が、土壌を押し流し湖へと運び去るため、大量の土砂が湖に堆積しつつあります。水深が浅くなった湖は雨季になると氾濫し、湖の近くに設けられた耕作地を水没させてしまうのです。さらに、植生の喪失と表土の流亡により回復力と肥沃度を失った耕作地では、穀物収穫量が30年前の1/4以下にまで落ち込んでいるといわれています。 そのため、バム湖への土壌流入を食い止めるため、ディゲットと呼ばれる石堤を設置したり、石堤に沿ってアンドロポゴンという有用草を植栽する支援をしています。来年からは堆肥作りと施肥も活動に加える予定です。 これらの活動を開始して既に1ヶ月になりますが、幾つかの理由で、なかなかブログ上で紹介できていませんでした。 理由1:植林活動の写真と異なり、活動写真にインパクトがない。 理由2:「土壌流出が減った」などという結果が写真では見えない。 理由3:日本人にとってこの作業があまりに単純なため、いかに効果的か説明するのが難しい。 でも、土壌固定は、そこに住む人々の生活を左右する非常に重要な活動です。植林ももちろん重要ですが、土壌流出が激しい土地では、石堤や石帯などと植林を同時に行った方が数倍の効果が得られます。 自分の畑に石堤を設置したい村人は数え切れないほどいます。しかし、7キロ先の岩山で岩を砕いて、石を運ぶ作業は並大抵のものでなく、一人では不可能です。それでも、6ヶ月かけて、毎日毎日ロバで2,3個の石を運んで数本の石堤を設置した男性もいます。それだけ時間と労力をかけてでも設置したいものなんです。 これは設置された石堤。 下の写真は緑のサヘルの活動地ではありませんが、石堤が設置された畑を上から見るとこんな感じになっています。
by iihanashi-africa
| 2008-06-23 07:20
| ブルキナファソ
|
Trackback
|
Comments(0)
|
検索
カテゴリ
全体 アフリカ全体 ガーナ ガボン カーボベルデ カメルーン ケニア コートジボワール コンゴ民 シエラレオネ セネガル タンザニア チャド チュニジア トーゴ ナイジェリア ニジェール ブルキナファソ マダガスカル マリ モーリタニア ルワンダ トルコ オマーン UAE イギリス オーストリア&チェコ オランダ ドイツ フランス カンボジア ネパール ベトナム 韓国 台湾 米国 日本 未分類 タグ
アフリカの街並み・風景(193)
アフリカの歴史・文化(189) アフリカ生活の小話(96) アフリカの農業(77) アフリカの料理(64) アフリカの映画(54) アフリカの野菜・果実(51) アフリカの宗教(46) アフリカの文学・芸術(43) アフリカの植物(41) アフリカの動物・昆虫(29) アフリカのスポーツ(23) アフリカの政治(10) アフリカの音楽(10) アフリカの経済(7) アフリカの衣服・髪型(6) 以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... 最新のコメント
最新の記事
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||