シロアリを食べたことありますか?
「シロアリを食べたことありますか?」

私はありません。

2005年、チャドのアベシェで働いていたとき、ある日網戸を覆うほどの羽アリ(シロアリ)が発生したことがありました。翌日には細かい羽が網戸の下のほうにこんもりと積もります。網戸に絡まっていたりもします。これを掃こうすると羽が舞い上がってしまうので、掃除にも苦労します。この羽アリをアベシェの人々は食べます。ぷちぷちとしていて美味しいようです。もちろん羽は取り除きます。

昨日土曜日の3月29日、アフリカ日本協議会が開催した、八木繁実さんによる「アフリカの昆虫食~シロアリを巧みに利用する~」というセミナーに参加しました。私は、仕事ではなく個人的な興味で参加したのですが、実は緑のサヘルと関係がある方だと後から知りました。八木さんは、アフリカの応用昆虫学、昆虫生理学、農学、地域研究などをご専門に研究されており、ケニアのICIPE(国際昆虫生理生態学センター)やガーナ大学農学部で勤務され、現在は多摩アフリカセンターの所長をされています。1990年代半ば、八木さんがチャドに昆虫食の調査に入られたときに、緑のサヘルと行動を共にしたようです。

さて、ここからは八木さんから学んだシロアリに関する知識を紹介します。

●シロアリの性質
c0116370_17395489.jpgアフリカのシロアリ(羽アリ)には大きく分けて3種類あるそう。人間の背丈を超える大きなアリ塚を作るものもあれば、地面にこんもりと盛り上がったアリ塚を作る種類もある(右の写真はカメルーン北部のアリ塚)。チャドのアリは後者が多いそう。ある条件が整うと一斉にアリ塚から出てくる。傾向として、前日に雨が降り湿気が多く風のない日に発生するが(つまりシロアリは雨季に発生する)、発生日を見極めるには相当の経験が必要らしい。

●シロアリの取り方
c0116370_17424223.jpg地面に張ったアリ塚からシロアリを取るには、図のような装置を作る。まず、シロアリが一斉に飛び立つ日を見極めることが先決。そして、アリ塚には幾つも穴があるので、太陽の方向を向いている穴を一つか二つだけ残して全て石などで塞ぐ。装置を作ったら、毛布をかけて暗くする。そして穴の部分だけに日が当たるようにする。すると穴からシロアリが沸いて出てくる。自然に出てくるのを待つこともあれば、足でどんどんと振動を立ててアリを外に出させる場合もある。

●シロアリの食べ方と栄養分
シロアリは、羽を取って生で食べたり、塩漬けにしたり(こうすると2週間持つ)、煮込んだりする。タンパク質や動物性脂肪が豊富で、収穫前で食糧が不足する雨季に発生するシロアリは重要な栄養源である。ある村で調査した結果、村人が雨季中に摂取するタンパク質の1/4、動物性脂肪の3/4をシロアリから取っていたことが分かった。

●シロアリの塚の土も食べる
「土食(Geophagy)」という言葉があるが、シロアリ塚の土を食べる地域もある。カルシウム、鉄分、マグネシウムなどの必須ミネラルが豊富で、特に女性が妊娠すると食べたくなるらしい。「シロアリ塚の土」としてマーケットでも売られている。ミネラル摂取のほか、下痢止め、植物の二次代謝産物の無毒性の要素もある。



シロアリは穀物の種や茎、折角植林した木の根などを食べてしまいます。でも有機物を早く分解してくれ土壌には非常にいい昆虫でもあります。憎んでばかりではなく、一緒に生活しなくては。

そうそう、チャドでは私の周囲でシロアリを食べる人は半数以下でした。アフリカの食生活も変わりつつあり、昆虫を食べる人も減少しています。昆虫や草を食べるのは野蛮だというイメージを持ちつつあるのは事実。栄養分があり、その土地に豊富にあるものは活用する価値があるのに。

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by iihanashi-africa | 2008-03-31 17:52 | 日本 | Trackback | Comments(0)
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