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タバスキ(犠牲祭)の日付の決め方
ワガドゥグでは、昨日12月19日がタバスキでした。イスラム教で最大のお祭り「犠牲祭」です。正式には「イール・アル=アドハー」と呼ばれ、世界各国で様々な呼び名があるようですが、西・中央アフリカでは「タバスキ」と呼ばれています。

神アッラーが信仰心を試すために預言者アブラハムに対し、息子イスマイルを犠牲に捧げるよう夢の中で啓示をし、アブラハムは悩んだ結果応じようとすると、神はその信仰心を称えました。アブラハムと息子イスマイルがこの試練を乗り越えたとき、ザビル山の近くで子羊が木に縛り付けられていたそうです。神は、子羊と引き換えにイスマイルの命を救い、アブラハムはその子羊を神に捧げたのです。これが犠牲祭の起源だそうです。(詳しくは→http://www.isuramu.com/questions/Q8.htm

イスラム教は太陰暦に基づいています。犠牲祭は、太陰暦の12月10日に行われます。ラマダンの時の投稿にも書きましたが、太陰暦は太陽歴よりも約11日短いため、犠牲祭やラマダン明けの祭りも毎年11日ずつ早まります。昨年の犠牲祭は12月31日でした。しかし、イスラム教の宗教関係者は、月の満ち欠けを自分の目で見て判断をしているため、毎年正確に11日ずつ早まるわけではありません。太陰暦は、毎月1日が新月の日ですので、各国の宗教関係者は、毎晩空を眺めながら新月が出たかどうかを確認します(確認できるのか???)。12月10日は新月から10日目と考えるそうです。なので、国によっても日付が異なりますし、同じ国内でも宗教関係者の判断が異なることがあります。

今年、ブルキナファソは12月19日が犠牲祭でした。チャドも12月19日。でもカメルーンに「Bonne Fete!」と伝えるために電話をしたら、カメルーンは12月20日だそうで、セネガルは12月21日なんだそうです。ちなみに、ブルキナファソの同じ国内のサヘル地方は12月21日に犠牲祭を祝うそう。同じ国内で2日もずれが出るのは珍しいようですが、サヘル地方の宗教関係者は「そんなに早く月は出なかった」言っているそうです。大抵は行政がこの日と決めて(もちろん宗教関係者の判断に沿っていると思いますが)正式に発表し、犠牲祭は祝日になります。でも、首都から離れたところでは、行政の決定より、その地方の宗教関係者の判断の方が重要視されているようです。

新月というのは、ほんの一筋の光にすぎないので、人によって見え方が違うかもしれませんし、真夜中の太陽の光が邪魔しない時間帯に見られるとは限りません。判断が異なるのは自然なことかもしれません。

でも、一つ理解できないことがあります。それは、犠牲祭の日が、前日か前々日、とにかく数日前にならないと発表されないということ。もし、新月を基準にしているのであれば、犠牲祭は新月から10日後なので、9日か8日前には発表されてもいいはず。ブルキナファソも今年の犠牲祭の日が正式に発表されたのは10月17日。サヘル地方では、昨日の朝の時点でも明日なのか明後日なのか明確に発表されていませんでした。何故なのでしょう。

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by iihanashi-africa | 2007-12-21 00:22 | ブルキナファソ | Trackback | Comments(0)
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