今週の月曜日から、国際緑化推進センターという日本の財団法人が、A/R CDM(Afforestation / Reforestation Clear Development Mechanism)プロジェクトのワークショップをワガドゥグで開催しており、私も参加させてもらいました。CDMに関しては、次の機会にお話しするとして、今日は、このワークショップで講師をされた大学教授からお聞きした興味深い話を紹介します。
環境保全のために再生紙を利用しましょう!というキャッチフレーズを見かけることがあります。しかし、紙のリサイクルは本当に環境保全に役立っているのでしょうか。 木材を紙に加工する場合、紙の原料となるセルロース(繊維)を分離させますが、その際に木の構造を支えるリグニンという成分が廃液として残り、それを製紙工程の燃料として使用できます。しかし、古紙を再生する際には、既に取り除かれているリグニンを燃料に出来ないため、木材を加工するときよりも多くの化石燃料を消費するのだそうです。再生紙の利用は、「省資源」にはなっていても「省エネ」にはなっていないというのです。しかし、アルミニウムなどはリサイクルすることでかなりの省エネになるそうで、リサイクルが省エネに繋がるかどうかは物質により大きく異なるそうです。 今回のCDMワークショップでも感じましたが、首都から遠く離れた土地まで、大量の燃料を消費するトラックで苗木を運び植林をすることが、二酸化炭素の削減にどれだけ役立つのか、温暖化を食い止めるためのプロジェクトという意味では矛盾を感じてしまう部分があります。そこに住む人々の生活環境を改善するという視点から植林を推進するほうが、私には向いているようです。
by iihanashi-africa
| 2007-11-08 03:57
| ブルキナファソ
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