時々、こういう質問をされることがあります。「なぜNGOで働こうと思ったのですか?」
私は、日本の大学の大学院を修了し、その時点で既に6ヵ月後からフランスの大学院に入学することが決まっていましたが、その間の時間をどうにか有効活用しようと、開発コンサルタントやNGOでインターンとして受け入れてくれる団体を探していました。その時丁度、現在私が働く「緑のサヘル」がチャドの現地調整員を募集していたのです。アフリカで、しかもインターンではなく仕事で開発関係の活動(実際は人道支援の枠組みの中で活動を行っていましたが...)に関われるということで、即履歴書を送り採用されました。「緑のサヘル」も政情不安定のチャドで働いてくれる人材がなかなかおらず苦労していたようです。 この時、私にとってNGOで働くことは一つの選択肢でしかなかったのですが、チャド現地調整員として働きながら、「緑のサヘル」の目指している方向性や目標に同感・同意出来るものがあり、スタッフの人柄や知識の豊富さにも惹かれ、フランスで大学院を修了後、再び緑のサヘルから誘いが来たときに働くことに決めました。英語圏であるタンザニアのプロジェクトも担当できるということも誘いを受けた理由の一つです。ただし、NGOで働きたかったというよりは、緑のサヘルの環境活動に対する考え方に惹かれたと説明したほうが正しいかと思います。私は、国際機関、JICAあるいはコンサルで働いたことがありません。JICAの方とは仕事の面で関わることがありますが、JICAの中で仕事をすることがNGOと比べてどうなのか、人から話を聞くことはありますが、自分では判断できません。ただ、現場に頻繁に行き、住民と話をする機会が多く、住民が望むように活動を変化させ、フレキシブルに動けるのは、NGOの特権かもしれません。とはいえ、様々な開発関係の仕事の中からNGOを選んだというよりは、偶然NGOに出会って、その団体が良かったのですね。 収入の面から考えると、割に合わないかもしれません。贅沢をしなければ生活に苦労することはありませんが、私は「NGOだから仕方ない」とは思いません。日本の市民社会のNGOに対する認識がまだまだ薄く、NGOに対する理解や支持が十分でないことが一因だと思っています。それが、日本政府がNGOを十分に支援できていない点にも繋がっています。欧米のNGOは、公的機関や企業、そして市民からの支援を得て、組織や人材、財政の面から十分な体制が整っている団体が多々あります。日本のNGOも、仕事内容に見合うだけの収入や働きやすい環境が整い、専門性を持った人材が組織に残れるだけの体制が出来ることを期待しています。 にほんブログ村
by iihanashi-africa
| 2007-07-17 10:40
| ブルキナファソ
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from 光をみつけに
at 2007-07-24 14:17
タイトル : 価値と存在とは ― アフリカからの問い ―
タンザニア、チャド、ブルキナファソと聞くと、チーター、ハイエナ、視力5.0などを思い浮かべてしまいます。セネガルやカメルーンでさえ、はだしで槍を持っているイメージを最近まで持っていました。それって、「ニッポン、ゲイシャ、フジヤマ、サムライ」と同レベルなんでしょう。 姉のブログを読んでいると、アフリカの生活がよくわかります。地酒やフトゥという山芋の料理は、おいしそうです。 元引越し屋としては、アフリカで引っ越しは見落とせません。 ミニ知識もたくさんつきます。牛はとても賢かったり、アフリカ...... more
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