1週間ほど更新が途絶えまして失礼しました。7月8日から11日までタカバング村へ出張に行ってきました。
今年は、雨季の開始は遅かったものの鼠や害虫の被害が少なく、2週間前に播種された粟は順調に発芽しています。通常、粟を砂地で、稗を粘土質の土地で栽培し、雨が降り出すとまず村人にとって特に重要な作物である粟を播種し、その後稗を播種し始めます。今回はまだ稗の播種は終わっていませんでした。 私たちが支援している活動の中に、ザイとディゲット(浸食防止小堰)いう農業緑化技術があります。これは、砂漠化の進行に伴って荒廃が進んだ土地でも農耕を可能とし、かつ荒廃地の回復に繋がる農法です。ディゲットは大きな石を等高線上に並べ、大雨が降ったときに表面の土壌が流出するのを食い止めます。石のラインを間隔をあけながら何本も作ることで水の流れの勢いを弱め、さらに流出した土壌や枯れ木、落ち葉、家畜の糞などが石のラインに堰き止められます。この堰き止められた部分は土地が肥沃になります。一方ザイは、乾季の間に、直径30cm深さ20cmの半円型の穴を、粟や稗の栽培間隔に掘り、そこに、堆肥と混ぜた土を半分ほど入れ、残りの土は穴の谷側に盛って土壌流出を防止します。こうする事で、穴には十分に水分が溜まり、少ない降雨でも生長する可能性が高くなります。このザイとディゲットは複合させると更に効果が高まります。つまり、ディゲットとディゲットの間の土地でザイ農法を行うのです。 今回私は、この農法が本当に土地を肥沃にすることを実際に目で確かめてきました。タカバング村の周辺には、雨季になっても草一本生えない土地が所々に見られます。このような土地でザイやディゲットを行うと、草が生えるようになるのです。まだ、青々と草が生えているわけではありませんが、土の質は明らかに周囲と異なるのが分かります。 ザイはブルキナファソやニジェールの伝統的な耕作技術です。ブルキナファソでは一部の地域でしか用いられていなかった技術で、タカバング村では支援を通して始めて導入されました。ブルキナファソの伝統技術が、ブルキナファソ北部の農耕を救うかもしれません。 ザイの穴に稗を播種している。 手前の石のラインがディゲット。ラインの右側が所々草が生え青くなっているのが分かります。
by iihanashi-africa
| 2007-07-12 03:49
| ブルキナファソ
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