私たちのNGOは1996年からタカバング村で、環境・農業活動の支援を行っています。当初は、首都のワガドゥグではなく、タカバング村に事務所を構えていました。敷地内には、事務所建物の他、倉庫、藁葺き屋根の円形小屋が2棟、トタン屋根の小屋が2棟あり、通常私は藁葺き小屋に寝泊りします(下の写真参照)。ワガドゥグに事務所を構えてからは、出張や調査で日本人が村を訪れる時以外、村の事務所には誰もおらずしーんと静まり返っています。鍵は掛かっていますが、盗まれるようなものもありませんので、管理人や警備員もいません。時々、村人が通りすがりに問題ないか横目にチェックしてくれているようです。以前も、強い風で屋根がめくれそうになり、すぐに修理するよう電話で伝えてくれました。村人には、私も日ごろから感謝しています。
今日夕方6時頃、村人の一人から電話がありました。私たちNGOと村との仲介・連絡役を務めてくれている男性です。つい数分前に彼のもとを訪ねてきた別の村人の話によると、なんでも牛が事務所の藁葺き小屋の屋根を食べているとのこと。今年は雨の降り始めが遅かったため家畜の餌となる雑草が生えず、だからといって飼料を買うお金も村人は持ちあわせていないため、牛、ヤギ、羊などの家畜はおなかを空かせています。放し飼いにされている牛が食糧を探して歩き回り、やっとたどり着いた先が私たちの事務所の藁葺き小屋でした。首を伸ばして藁を食べているそうです。 私は、電話をくれた村人に、時間がある時に一度様子を見てきてくれるよう頼みました。すると彼は「今すぐ見に行ってくる」と言います。私は「もう6時過ぎているから、明日でも明後日でもいいよ」というと、彼は「いや、今すぐ行ったほうがいい」と言い張るのです。彼によると「一頭がいい餌場を見つけると、今度は友達を誘ってやってくる」そうなのです。何頭もの牛が寄ってたかって屋根を食べれば、さすがに形が崩れてしまいます。今日中に牛が近寄れないよう対策をとる必要があるそうです。 牛は賢い動物です。前回タカバング村へ出張に行ったとき、集団下校する牛たちに出会いました。各家々の牛たちは、朝になると人間の合図もなく集まり、村から少し離れたところへ集団で草を食べに行きます。そして、夕刻には一列に並んで村へ戻ってきて自分の家へ戻ります。感心してしまいます。
by iihanashi-africa
| 2007-07-05 09:56
| ブルキナファソ
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