『Politisez-vous !(政治に関心を)』という本
2017年8月、セネガルで『Politisez-vous!』という本が出版された。

英語に訳すと「Politicize yourself!」、日本語だと「政治に興味を示せ!」とでもいうのだろうか。

私がこの本を知ったのは、2か月ほど前。2014年にブルキナファソで起きた民衆蜂起による政権交代のドキュメンタリー映画「Place à la révolution(革命の出番だ)」を見に行った時に、コメンテーターとして登壇したBalai Citoyenの理事が、「最近セネガルで、若者たちがPlitisez-vous!という本を出版したと聞いた。是非買って帰ろうと思う」と話していたのだ。

映画についてはこちらを↓
Cine Droit Libre Dakar 5:ブルキナのBalai CitoyenからトーゴのTogo deboutへ

こういう運動家が関心を持つ本はどんなものなのだろうと思って、翌週末にすぐに本屋に行って探し、購入した。それがこの本。

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普段は、読まざるを得ない仕事関連の報告書くらいしかフランス語の書物を読まないため、買ったはいいもの、なかなか1ページ目を開けず、やっと意を決して読み始めたら、2ページ読んですぐ眠くなってしまうという残念な結果。かなり倫理的で少々哲学的でもあって、仏語の本を読みなれていない私にはハードルが高かったが、100ページ程度の薄い本なので、仕事が落ち着いて気持ちに余裕があるときに何とか読み切った。しっかりと理解して読もうとするとかなり時間のかかる本だったが、若い世代の熱い気持ちが良く分かったし、こうして筆をとる若い方々がいるセネガルは、どっかの独裁政権のようにはならないだろうなと改めて思った。

これまでいくら投票をしても全く生活は変わらないし、格差は残ったままだし、汚職は横行するし、仕事の価値は低下する。それを目の当たりにしている人々は落胆し、政治への信頼を失っている。そして政治への信頼が欠乏すると、社会の不平等がより大きくなる。

こうして、政治から離れていった若い世代の関心を呼び起こそうと、10名の若者が共同でこの本を出版した。若者といっても、ジャーナリスト、起業家、市長顧問、法律家など様々。それぞれが、「政治に関心を持つ」とはどういうことかを述べている。

「政治に関心を持つ」とは、社会で共同で生活することの利点・欠点を知ることである。あらゆる不法な操作から免れる方法を探すことである。特権や独占によってゲームを支配しようとする権力者たちによって作られた腐敗したシステムと断絶するすべを模索し訴えることである。質の高い共同生活に必要な集団の価値を理解することである。「プロ」の政治家は、幻想を売り物にすることもあり、ときにその幻想がものごとを窮地に追い込む。

「政治に関心を持たない」ということは、自分たちの運命を他人に任せ、他人が運命をどう動かそうとも気に掛けないことである。

この10人の若者が訴えるように、独立以降セネガルが変わっていないかというとそうではないような気もする。でも、政治が国の発展に良くも悪くも影響しているのは確か。こういう熱い本が出版され、メディアでも取り上げられるのは、いい社会だなあと思う。



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by iihanashi-africa | 2017-12-11 09:11 | セネガル | Trackback | Comments(0)
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