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ニアメのブブ・ハマ国立博物館
ニジェールの首都ニアメに、ブブ・ハマ国立博物館(Musée National Boubou-Hama)がある。もともとはIFAN(Institut Fondamental d’Afrique Noire:ブラックアフリカ基礎学院)からアイデアを継承し、1959年にニジェール国立博物館として設立された。そういえば、セネガルのテオドール・モノ・アフリカ美術博物館もIFANの施設が博物館となっている。ブブ・ハマ国立博物館は、2008年に、創設に貢献したブブ・ハマ氏に敬意を表して名称を変更した。ブブ・ハマ氏は、政治家でもあり言語学者、歴史学者、哲学者そして同時に作家でもあり、ニアメのIFANセンターの学長を務めた方でもある。


ブブ・ハマ国立博物館の公式サイト
http://www.museenationalduniger.ne/


私の今回のニジェール出張は2週間と長く、週末を挟むため、この週末でこれまで行きたくても行けなかったこの博物館にどうしても行きたかった。この博物館に行ったことのある方に様子を聞くと、大したものはないとのことだったが、これまで大したことないと言われていたアフリカの観光地を私はそれなりに楽しむことができている経験から、やはり自分の目で確かめてみたかった。そして、思った通り、とても充実した時間を過ごすこととなる。ブルキナファソの博物館よりもセネガルの博物館よりも興味深い展示が多く、2時間かけてじっくりと敷地内を探索できた。

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博物館の敷地の入口で、まず1500fcfa(約300円)を支払う。


敷地が24haもあり、博物館も様々なパビリオンに建物が分かれており、それも動物園と博物館と民芸品売り場が混在しているため、パビリオンとパビリオンがかなり離れている。意外と広い。そのため、入口でガイドをお願いするとよい。パビリオンの中も説明書きが少ないため、ガイドがいると展示物の貴重さが更に良く分かる。ただし、正規のガイドのバッジを持っている方に依頼しないと、ちゃんとした説明が受けられないので要注意。
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博物館の中は写真撮影禁止。そのため、興味深い展示物を見せられなくて残念だが、本当に興味深い展示がある。博物館は、文化・歴史物を展示するブブ・ハマ館、楽器館、衣服館、先史時代館、考古学館、石油館、ウラン館に分かれている。どの館もじっくり見ていると時間が足りなくなる。ブブ・ハマ館には、ニジェールでこれまで使用されてきた貨幣の歴史や、ニジェールの各民族の槍、靴などが展示されている。衣服館には、各民族の伝統衣装やZinder州特有のダチョウの皮を使ったカバン、先史館にはトゥアレグ族の伝統的な鉄細工の歴史が分かる。どれも一つ一つ書き出すときりがないくらい興味深い。ウラン館については、別途記事にしようかな。

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西アフリカの動物園は、国外から動物を輸入して園として成り立っているところが多い中、ここは意外とニジェール国内に生息する動物が多い。飼育環境は劣悪で少々かわいそうではあるのだが、普通に生活していたら見られない動物も多く、ニジェール人の家族連れが多い。

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マラディ州から連れてこられたライオン。当時は4か月だったが今は4歳で立派な大人。

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ニジェールのジャコウネコ。


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ニジェール川のワニ。


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ニジェール川のカバ。


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チャド湖のクーリー牛。これは別途記事にする予定。


そして、この敷地内で一際目を引くのが恐竜だろうか。フランスの古生物学者Philippe Taquetアガデス州で発見したティラノサウルスや体長11メートルのワニ、アメリカの古生物学者Paul Serenoが同じくアガデスで発見した20メートルを超える草食恐竜。Jobaria Tiguidensisという学名を持つ。

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この博物館は、2011年に公共施設となり、芸術習得センターも設置され、国からの予算が配分されるようになった。彫刻、裁縫、皮革製品、電気技術、溶接技術などの学生を受け入れている。

確かに博物館としてはもう少し整備が必要ではあるが、現時点でも十分に見ごたえがある。


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by iihanashi-africa | 2017-11-01 21:20 | ニジェール | Trackback | Comments(3)
Commented at 2017-11-02 13:20 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by taku at 2017-11-05 12:50 x
懐かしい!木工隊員や自動車整備隊員がここに派遣されていました。
Commented by iihanashi-africa at 2017-11-06 18:43
木工隊員と自動車整備隊員が博物館に送られていたのですか??へ~~~~、ニジェールは協力隊員が多かったですからね。あのニジェールに100人近く日本人がいた時代が想像できないです。
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