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サヘルの写真家、大塚さんの訃報
8月25日、写真家の大塚雅貴さんがコンゴ民主共和国で亡くなられました。

8月初めにコンゴ民主共和国の首都キンシャサに入り、コンゴ河上流にむかって移動しながら取材を進めていたようですが、8月25日の夕方、小休止の折、何か気になるものがあって森の中へ少し入ったとき、突然倒れかかってきた折れた木の下敷きになり亡くなられたとのことでした。

私が大塚さんに出会ったのは、NGO緑のサヘルの忘年会。毎年行われる忘年会の中で、私が最も楽しみにしている忘年会で、写真家、民間企業の社員、NGO職員、コンサルタント、大学関係者、学生など様々な業種の方々が一堂に会するので、普段聞けない話が飛び交って本当に楽しいひと時なのです。大塚さんとはこの忘年会で出会いました。大塚さんが個展を開かれた時には、まだ駆け出しのころの大塚さんを知る方々が、とても感慨深く話されていたのを覚えています。

私自身、サヘル地域でかれこれ15年近く働いてきたこともあり、各国に知り合いが多くなってきました。昨年末の忘年会でコンゴ行きを検討していることを大塚さんから聞き、キンシャサで働いている知り合いを紹介したのですが、それ以来、こまめに連絡をいただき、治安の関係上、少し渡航を延期せざるを得ないこと、やっと8月に渡航ができるかもしれないこと、取材許可がなかなか下りずに苦労していること、など、逐次経過について把握できたので、同じように一喜一憂していました。そして、大塚さんのFacebookでコンゴ入りした後の写真が掲載され、ほっとしていたところでした。

訃報は、大塚さんと親しい方がFacebookに記事を載せたことで初めて知りました。

その方も書いていましたが、「大塚さんはこれまでにも取材中に危険な目に遭ったことは何度かありましたが、その都度切り抜けてこられています。コンゴも治安がよいわけではないですが、紛争やテロに巻き込まれたわけでも、強盗に襲われたわけでも、風土病にかかったわけでも、交通事故にあったわけでもなく、まさかとしか思えない事故で命を落とされたことに」、私もショックを受けています。

好奇心の塊のような大塚さんらしい最期ともいえるかもしれませんが、サハラ砂漠のあの美しい写真を時間をかけて撮られる希有な写真家を、こんな早くに失ったのは本当に残念です。

ご冥福をお祈りいたします。

大塚さんのホームページ
「SAHARA」という写真集をぜひご覧ください。壮大なサハラ砂漠とそこに暮らす方々の自然と一体となった生活を感じられます。



by iihanashi-africa | 2017-09-18 21:19 | アフリカ全体 | Trackback | Comments(0)
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