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タンザニア映画「White Shadow」:アルビノ狩りの現実
ウガンダ映画「Boda Boda Thieves」に続き、もう一つアフリカ映画を紹介。

2013年のタンザニア映画「White Shadow」
非常に衝撃を受けた。目を覆いたくようなシーンもあるが、タンザニアで起こっている現実を伝える映画なので、しっかり最後まで見た。それにしても衝撃的だった。

http://www.whiteshadowfilm.com/

私はこの映画を見るまで、タンザニアの「アルビノ狩り」の現実を知らなかった。

そもそもアルビノの発症率の世界平均は2万人に1人。しかしタンザニアでは400人に1人という高確率なのだそう。しかし、問題は発症率ではなない。アルビノの人々が次々と狙われているのだ。

タンザニアには、アルビノの体の一部が健康や権力、幸福をもたらすと主張する呪術医(Witch doctors)たちがおり、それを信じている人々もいる。殺されたアルビノの人々の骨や皮膚、その他の体の部位を薬として調合したり、お守りにし、それを売って大金を稼いでいるのだ。政治家の中にも選挙が近くなると購入しようとする人もいるらしい。タンザニアの平均年収は約450USドルだが、アルビノの体の部位は500~5000ドルもする。


これはタンザニアに限ったことではない。その周辺国ブルンジやルワンダでも大きな問題になっている。


映画「White Shadow」はその状況に警告を鳴らす。監督のNoaz Desheは当初ダルエスサラームのドイツ文化センターとフランス文化センターで先生をしており、その際BBCの番組の手伝いをしてアルビノの人々が置かれている状況を知り、映画でこの現実を伝えなくてはならないとこの作品を手掛けたそう(下のインタビュー映像で話している)。

主人公Aliasは、アルビノの男の子。アルビノの子を持つ父が殺され、母がAliasを都市に送り出し、叔父のKosmosの家にかくまってもらいながら、小銭を稼ぐためにサングラスやら携帯やらを販売する。しかし、都市でもアルビノとしての扱われ方は村と同じであることが分かってくる。

映画の予告


監督と主人公のHamisi Baziliと叔父役のJames Gayoのインタビュー



タンザニアのアルビノ狩りについて調べていたら、「In The Shadow of The Sun」というドキュメンタリー映画もあることが分かった。こちらも見てみたい。

http://intheshadowofthesun.org/

「In The Shadow of The Sun」の予告


監督のインタビュー



2006年以降、数えられている範囲で71名のアルビノの人々が命を奪われている。タンザニア政府は、アルビノ狩りを止めるべく啓発活動を行っているがが、今でも闇市場で売買されているのが現状。そして、タンザニアだけでなく近隣の国にも広がっているのだ。

やっぱり衝撃的だなあ。
知らないことはまだまだ沢山ある。


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by iihanashi-africa | 2015-12-06 22:50 | タンザニア | Trackback | Comments(0)
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