9月21日、セネガルのサル大統領率いるCEDEAOの交渉役との協議の結果、暫定政権と大統領警護隊RSP(クーデター側)の政治的合意案を発表した。
http://www.lefaso.net/spip.php?article66985 合意案は13の条項からなる。以下要約。 ①9月17日に拘束された政府要人の無条件解放 ②カファンド大統領率いる暫定政権の回復 ③政府から軍関係者を排除 ④遅くとも11月22日までには大統領選挙を実施 ⑤選挙管理委員会は11月22日までに選挙を実施できるよう環境を整える ⑥暫定政権は選挙の準備を行う ⑦国家評議会はこの合意案以外の選挙に関わる法律を制定しない ⑧立候補が無効とされた立候補者の選挙への参加を認める ⑨軍の再編のような長期的な検討を必要とする改革は、暫定政権後の新政府に任せる ⑩あらゆる暴力行為を中止する ⑪治安・防衛に従事する者は国内の全ての人や財産を保護する ⑫今回のクーデターに関する一連の事件の大赦 ⑬CEDEAOの仲介委員会は合意文書の適用を監視する 注目すべきは、③、⑧、⑨、⑫だろうか。 ③の軍関係者を政府から排除ということは、暫定政権の現首相ジダ氏は政府から離れなければならないということになる。個人的には軍人が大統領や首相ポストにつくことにはリスクが伴うと思っているので、暫定政権を発足させる段階でこういう取り決めになっていればとは思うが、いまさら感がある。やっぱり、クーデター側を指揮していたDiendere大将とジダ首相の間の溝は大きかったのかもしれない。 ⑨は、わざわざ「軍の再編のような」と例を出しているあたり、やはりこれもクーデターを起こした理由の一つだったと思ってしまう。 ⑧は、前コンパオレ大統領の政権CDPも含め、昨年10月の憲法改正に賛成した政党も、次の大統領選挙へ立候補できることを認めさせるもの。コンパオレ政権が国を蝕んだと思っている国民は、その取り巻きたちが次の政権に関わることを拒否しているが、それはそれで民主的ではなく、理論的に考えれば参加は許可したほうがよいとは思う。ただ、長期政権だった前政権には資金力もあり利権もあり経済界との癒着もありで、民主主義とはいっても一般市民の声は反映されない可能性もあり、国民の非難の声も理解はできる。 ⑫については、やっぱり、、、、と思いながらも、こういういわゆる罪を犯した人を許してよいのかとも思う。しかし、国家を揺るがす事態では仕方ないのかもしれない。ただ、クーデターを起こせば、自分の意見を通すことができるという前例は作ってはならないので、クーデター側有利な合意はあってはならないと思う。 ************************ 国民は、この合意案は受け入れていない。そして今も各地でデモが行われている。 昨日は国営電話公社の機材が破壊されたらしく、一部の携帯通話とインターネットが使えなくなっているらしい。昨日までは、頻繁にfacebookに写真などを投稿していた友人たちからのアップが今日はぷっつりと切れた。多くの友人たちは国営電話公社の携帯を使っており、電話もつながらない。。。。 今もデモに参加していることと思う。 にほんブログ村
by iihanashi-africa
| 2015-09-21 23:38
| ブルキナファソ
|
Trackback
|
Comments(1)
|
検索
カテゴリ
全体 アフリカ全体 ガーナ ガボン カーボベルデ カメルーン ケニア コートジボワール コンゴ民 シエラレオネ セネガル タンザニア チャド チュニジア トーゴ ナイジェリア ニジェール ブルキナファソ マダガスカル マリ モーリタニア ルワンダ トルコ オマーン UAE イギリス オーストリア&チェコ オランダ ドイツ フランス カンボジア ネパール ベトナム 韓国 台湾 米国 日本 未分類 タグ
アフリカの街並み・風景(193)
アフリカの歴史・文化(189) アフリカ生活の小話(96) アフリカの農業(77) アフリカの料理(64) アフリカの映画(54) アフリカの野菜・果実(51) アフリカの宗教(46) アフリカの文学・芸術(43) アフリカの植物(41) アフリカの動物・昆虫(29) アフリカのスポーツ(23) アフリカの政治(10) アフリカの音楽(10) アフリカの経済(7) アフリカの衣服・髪型(6) 以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... 最新のコメント
最新の記事
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||