3つ前の記事でオマーンのワジの話を書いた際に、チャドのワジを思い出した。
ドバイからナイロビへ、茶色から緑へ 前回も記述したが、乾燥地帯に見られる流水のない涸れ川を「ワジ Wadi」と呼ぶ。雨季の一時的な豪雨のときのみに水が流れる。ワジは乾燥していても危険だし、雨が降っても危険である。 チャドのワジは乾燥している時はこういう感じ。四駆でワジを横断して手前から奥までわたる。砂漠を走っている感覚で、それも砂の厚みが相当あるので、勢いよく走らないとタイヤが砂にはまってしまう。 この乾燥したワジも、雨が降るとこんなに水が流れる。 もちろん橋などないので横断できず、水嵩が減るのを待つ。写真の通り、私が立っている場所は全く雨が降っていないのだが、上流で豪雨になっているのだ。これだけの量の水がどこからやってくるのか本当に疑問だ。 無理に渡ろうとすると、こうしてスタックしてしまう。ただ、スタックするだけならまだいいが、車ごと流されてしまうこともあり、このくらいだったら行けるだろうと過信してはいけない。あんなに重いランドクルーザーが流されてしまうこともあるのだ。 チャドのアベシェから首都ンジャメナへ約900km陸路移動した際、渋滞するはずのない道で車が並んで停車していた。 降りて近づくと、ワジを急流が走っている。この勢いはさすがにどんな車も通れない。しかし、不思議なことに2時間ほどすると、これまでの急流がウソだったかのように水量が減る。 ちなみに、ワジは涸れてはいるが「川」であるため、掘ると水が出てくる。 チャドのアベシェでは、ワジの近くに育苗所を設置し、ワジの中に穴を掘って簡易井戸を作り、そこから水を汲んで灌水していた。乾期だからできる井戸。雨期に雨が降れば一発で跡形もなく埋まってしまう。 チャド、懐かしいなあ。 そういえば、写真家大塚雅貴さんのサヘル地域の写真集「SAHARA」が発売された。チャド北部の写真が沢山入っている。 一度現物の写真を見せていただいたのだが、アフリカにこんな素敵な場所があったのかとため息が出た。マリもしかり、ニジェールもしかり。いつの日か行ける日が訪れるのだろうか。 にほんブログ村
by iihanashi-africa
| 2015-06-14 21:00
| チャド
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