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パリの報道とボコハラム
パリでのテロには私自身も衝撃を受けた。
歴史的にも表現の自由を重んじるフランスで、新聞社の襲撃は国が目指すところを踏みにじられたのと同じで、しかもその方法が稚拙で残虐極まりない。亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

ところで、日本でこの報道を見ていたら、ジャーナリスト側のある程度の「節度」の必要性を上げる方がいた。Charlie Hebdo社が過去に掲載したムハンマドの風刺画が度を超していたものもあると。大多数の過激派でないイスラム教徒にとっても、信仰する神を侮辱するイラストが新聞に掲載されたら新聞社を憎いと思うのは当然かもしれない。日本では公共の媒体を使って表現するのだから「節度」が必要だという。それが日本の文化であり日本の社会一般の考え方で、日本で生まれ育った私もそう思う。精神的苦痛を与えるのであれば、それは一種の暴力だと。しかし、欧米ではその「節度」の感覚やレベルが日本とは若干異なるように思える。「節度」とはどのレベルまでのことか、どこまでを慣習的に良しとするかは、国によってかなり異なり、日本の感覚をそのまま当てはめることはできない。ただ、今のこの世の中で、これを表現することでどのような影響があるかは、表現者として予測しながら表現してほしいと思う。

しかしながら、風刺画の恨みは風刺画で晴らしてほしかった。。。



さて、もう一点、書いておきたいことがある。

「ボコ・ハラム」の動きである。

パリの事件に隠れて報道される時間がとても短いが、今ナイジェリアで発生しているボコ・ハラムの活動も残虐極まりない。イスラム国の報道の中でもアルカイダの一派として触れられるだけ。

以前掲載したボコ・ハラムの説明の記事
「ボコハラム過激化の軌跡」の紹介

2014年4月に寄宿制中学校の女子学生270人余りを誘拐した時にボコハラムが大きく報道され、オバマ大統領夫人をはじめとする著名人が「Bring Back our girls」というプラカードを持った写真を掲載して抗議をしたことは記憶に新しい。あまり話題にはならなくなったが、この事件まだ解決していない。それどころか、今年に入って更に40名の若者男性が誘拐された。そして、ナイジェリア北部の政府軍事基地も乗っ取られた。そして1月11日には10代の女性と20代の女性が自爆テロを行った。

まだ社会を知らない子どもたちを誘拐して洗脳し(もしかしたら脅しているのかもしれないが)、自爆テロをさせる。本当に卑劣だ。

この動き、誰が止められるのだろう。


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by iihanashi-africa | 2015-01-13 20:05 | アフリカ全体 | Trackback | Comments(0)
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