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バティック芸術の魅力
日本でバティック(ろうけつ染め)と言えば、インドネシア、マレーシア、インド、スリランカなど、東南アジアのものが有名だが、西アフリカのマリやブルキナファソにも独特のバティックが存在する。

普段マーケットでよく見るのはこういうデザイン。西アフリカ独特のデザインと色合い。人によって好みは異なるだろう。私はデザインは好きだが、購入したいと思う作品に今まで出会ったことがなかった。
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しかし、ブルキナファソで今までに見たこともない芸術的なバティックに出会った。
これは、私が一目ぼれ購入して家に飾っていたバティック。結構大きく1m×1.5mくらいはあると思う。
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これを作成したのはテオさんというブルキナファソの方。約20年前からろうけつ染めの制作を始め、今では定期的にヨーロッパでの個展も開催している。

私の元同僚が「ブルキナファソで見つけた『色鮮やかな世界』」という記事をWEDGEに寄稿していて、ブルキナファソの色彩を魅力的に表現しているので是非ご覧あれ。テオさんについても記載されている。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3200?page=1

さて、一度テオさんのアトリエを訪問したことがある。私にとってバティック制作の現場を見るのは初めて。

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まず、こうしてデザインを描く。


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その後、色を重ねていくが、一色ずつ染色していくので、その色で染めたくない部分を蝋で塗る。


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蝋にこうして亀裂を入れることでバティックの独特の文様を出すことができる。手でくしゃくしゃとすることで更に細かい亀裂にすることもあるそう。



一つの色が染まると、温水に入れて蝋を溶かす。そして、布を乾かしてからまた別の色を染めるために蝋を塗りつけるという作業が始まる。色が多ければ多いほど、そして細かければ細かいほど時間がかかり難しい。

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蝋は一旦溶かしても冷めたら水に浮いて固まるため、それを再利用できる。
これは水面で固まった蝋。


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固まった蝋を砕いて炊飯器のようなもので温めて溶かす。


残念ながら染めている様子は見られなかったが、テオさんの芸術作品を見てその素晴らしさを実感してほしい。どれもとても大きな作品なので、一つを作成するのに数ヶ月を要する。

テオさんの作品の特徴は、端々に見られるドット模様。このドットを作るために試行錯誤して自分で編み出した道具がある。これは企業秘密。
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色の濃淡やにじみを出すのも難しい技術。クリムトを彷彿させるが、これほど鮮やかな色彩はなかなか組み合わせられない。

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これはほんと大作。
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是非日本でも注目を集めて欲しい作品たちだ。
by iihanashi-africa | 2014-12-30 23:37 | ブルキナファソ | Trackback | Comments(3)
Commented by katcat2121 at 2014-12-31 01:24
こんばんは! K◎です!
アフリカのバティック… 2枚ほど持っていますが
亜細亜のものより 動物をモチーフにした図柄が多く
大胆で 色彩も派手で 好きです!
が、日本では なかなか扱っているお店も少ないですし
お高いんですよネ…

今年も あと僅かとなりましたネ!
アフリカの太陽のように 笑顔に満ちた新年になりますように! \(^▽^)/
Commented by iihanashi-africa at 2015-01-03 16:31
ありがとうございます。今年もどうぞどうぞよろしくお願いいたします。
確かにアフリカのバティックは手に入りにくいですね。アフリカの色彩が好きな方も日本には多いはずなのですが。あと良質なものは本当に高いし。テオさんの作品もご本人のところで購入すると8千~1万円のものが、国外に出るとその数倍の値がつきます。
Commented at 2016-11-11 18:46 x
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