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ブルキナファソ暫定政府組閣
そういえば前回「ブルキナ暫定政権の大枠」という記事をアップして以来、政治の動きを書いていなかったが、11月17日にMichel KAFANDO氏が暫定大統領に就任することが決定し、2日後の11月19日にこれまで暫定的にトップに立っていたジダ中佐が首相に任命されている。そして、11月23日には組閣があり25名の大臣が任命された。

閣僚リスト
http://www.lefaso.net/spip.php?article61950

大統領となったカファンド氏は、ラミザナ大統領の下で外務大臣を歴任し、その後13年間国連大使を務めている。もちろん軍関係者ではないので、とりあえず民政は確保されたとは言える。但し、首相は一時トップにたったジダ中佐であり、軍関係者が極めて重要なポストを得たことは外部の人間の私からみると不安ではある。ただ、ブルキナファソの国民は政変後に軍全体を取り纏めたジダ中佐を高く評価しており、とても歓迎している様子。

政変以降ワガドゥグの友人たちに会って思うのだが、国家の膿と言われていたコンパオレファミリーが追い出されたことに相当の喜びを感じており、数年しかブルキナファソに住んでいない外国人の私たちにとっては計り知れないほどの不満があったのだと感じる。ある友人は、たとえ前大統領が2015年の選挙に出ないとなっても、そのまま居座らせていたら国家が破たんするまでに汚職でむしり取り、次の大統領は国庫にお金がない状態から始めることになっていただろうと話していた。ちょっと言い過ぎな気もするが、確かにそうだったかもしれない。

暫定政権の新内閣が発表され、農業省は農業研究所INERAの所長が任命された。農業省は、かつては農業・水利省だったのだが、2013年1月の内閣再編で農業・食糧安全保障省と水・衛生・水利省に分かれている。しかし、暫定政権内閣では、農業・水利・衛生・食糧安全保障省と再度一つの省になり、州レベル・県レベルではきっと再び混乱することになる。

また、私が担当する農村開発分野では、もう一つ水産局の引っ越しがあった。水産局と言えば、かつて環境省管轄下にあり、その後農業省に移り、再び環境省に戻り、2013年1月には動物資源省に移るという、とても引っ越しの多い局である。そして、今回の組閣でまた環境省に移った。どういう背景があったのだろう。。。ブルキナファソにおいて水産は重要なセクターではないのだが、養殖分野は注目されておりドナーからの資金が見込める分野でもある。だから、お荷物だから移動が多いというよりは、むしろ資金が見込める分野だから自分の省に欲しがるというほうが説明がつくかも。

ちなみに、最初に大臣リストを見た時には気が付かなかったのだが、環境大臣Saidou MAIGA氏は2007年来の知り合いのあのSaidouだった。2007年に知り合った時は税務局検査官だったが、2014年に野党PDS/METBAの国会議員になっている。まだ若くあまり世間に知られていないがために、軍のSadou MAIGA大佐と間違えて記述しているメディアもあり、Facebook上で「ジャーナリストよ、しっかり調べてから掲載しろ!」というコメントが飛び交っていた。彼の仕事ぶりは分からないが、非常に落ち着いており、彼の周囲の友人もよい人が多く、人となりはとてもいい。まだ若いけど頑張ってまっとうしてほしいな。

さて、暫定政権が発表され、アフリカ連合はブルキナファソの動きを歓迎する旨を発表している。こういう政変があっても制裁が下されないというケースは少ないと思う。アフリカにとっての新しい民主主義の形として好事例になるとよいけど。

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by iihanashi-africa | 2014-11-27 10:36 | ブルキナファソ | Trackback | Comments(2)
Commented by HiT at 2014-12-14 03:00 x
昨日ENEFに行ったのですが、偶然、新環境大臣訪問!がありました。軽く挨拶しただけでしたが、もし先にこの記事を読んでいたらば・・「Kさんご存知ですよね」と話しかけたかも・・。
いやあ、世間は狭い、というよりKさん顔が広いですね。
Commented by iihanashi-africa at 2014-12-15 00:03
おお、そうだったのですね。大臣になってからは会う機会はなかったのですが、離任2日前に電話でお話しした時に「大臣に挨拶もなく帰国するつもりか、ははっ笑」と言われました。知り合ったころは、まさか大臣になる人だとは思いもしなかったのですが。
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