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クーデター or 革命?
今日も夜間は外出禁止令が出ているので、自宅でおとなしくしており、こうして長文のブログを書く時間がある(笑)。


ブルキナファソ:大統領辞任
アラート:ブルキナファソで大統領退陣か?
ブルキナファソ:憲法改正反対デモ


昨日、コンパオレ大統領が辞任し、Nabéré参謀総長が暫定政権のトップに立つと発表されたが、今日午前2時に大統領警備部隊No2のZida中佐が、自分が暫定政権のトップに立つと発表。軍内で意見が割れた。しかし、今日13時半、軍幹部全員一致でZida中佐が暫定政権トップに任命されたと発表

Zida中佐とはこの方。
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しかし、市民社会は「市民の勝利を軍が盗むな。私たちは民主主義には準ずるがクーデターには反対だ」と反発。野党側も、軍の協議には全く参加しておらず、また市民の勝利は市民に帰属するもので軍ではないと表明し、市民の共通認識を確かめるため、再度明日11月2日8時からPlace de la Nationで集会を行うと発表した。アフリカ連合も、正当で民主的な暫定政権を期待している旨の声明を発表している。

野党と市民社会の声明
http://burkina24.com/2014/11/01/transition-lopposition-et-la-societe-civile-organisent-un-meeting-le-2-novembre-a-la-place-de-la-nation/


余談だが、様々な野党議員や市民社会の発言を読んでいて感じるのは(全部読むなんてほんと暇人?)、野党側の中心的人物であるUPC(野党政党の一つ)の党首Zéphirin Diabré議員の言葉の選び方は慎重だし感心するということ。最初に言っておくが、Diabré議員の支持者ではない。彼の人となりも知らないし。ただ、以前もあるドキュメンタリー映画祭の後の討論でDiabré議員の質疑応答の受け答えを聞いて、非常に論理立てて話す方だし、インテリ層には好かれそうな方だという印象を持った。ごめんなさい、ほんと余談。

これはその時の映画の記事
Cine Droit Libre1:長期政権と映画検閲


さて、市民社会の「市民の勝利を軍が盗むな。私たちは民主主義には準ずるがクーデターには反対だ」という反発、全くその通りだと思う。

今回の運動は、野党と市民社会が起こしたもの。軍隊は当初は全く関わっていなかった。途中から、軍も野党側に寝返ったために大統領も辞任せざるをえなかったとは思うが、もとはと言えば市民の運動(かなり過激だったけど)。市民が大統領を辞任まで追い込んだのに、途中から入ってきた軍がその勝利を横取りした感じ。傍から見ている私も納得できない。ただ、コンパオレ前大統領が辞任する前に、国家非常事態を宣言しており、これによると非常事態時に国家の治安維持のために警察の権限を軍に移譲するらしい。これに軍も乗じたのか???

前回の記事(ブルキナファソ:大統領辞任)で、クーデターの定義が分からないと書いたが、友人に聞いた話と私がネットで探した情報をまとめると、『違法に、そして時に乱暴な方法で、権力を持つ一人の人が政権を倒すこと』らしい。民衆が起こしたものは『革命(Revolution)』と呼ぶとのこと。つまり今回のブルキナの政変は、最初から最後まで一人の人が扇動したわけではなく、また民衆蜂起の結果なのでRevolutionなのかも?しかし、軍がトップについてしまっては、クーデターと同じことになってしまい、納得いかないのはよく分かる。

さて、明日、どう動くか。。。

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もう一つ、さすがブルキナファソだなあと思ったこと。

昨日、市民社会団体が呼び掛けて、ワガドゥグ市内を清掃する「Mana Mana運動」を実施した。Mana Mana とはジュラ語で「きれい、きれい」という意味だそう。多くの若者を含む市民が、もちろんボランティアで市内に繰り出し清掃をした。一部の心無い市民による略奪行為は今日も続いたものの、多くの市民が清掃に参加。こういう社会的な活動を団結して実施できるのは、さすがブルキナファソだと思う。

私がよく見ているフランス系のメディアでも取り上げられていた。日本でも、暴動だけでなくこうした運動も取り上げてくれないかなあ。。。

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更にもう一点、実はお隣の国ベナンでも、ブルキナファソで大規模デモがあった翌日の10月29日に、ベナンのBoni Yayi大統領に対する国民の抗議デモがあった。Boni Yayi大統領は3選目に立候補はしないと発言しているものの、2013年に実施されるべき地方選挙を延期するなど、全てを後ろ倒しにしようとしていることから、国民も何らかの裏があって意図的に行っているのではと疑っている。そのため、再度大統領にプレッシャーをかけるべく、ブルキナファソのデモにならって同じようなデモが実施された。

国民が声を合わせれば、独裁的大統領も退陣に追い込むことができるという例を見せたことは、他のアフリカ諸国の未来にとってもよかったと思う。


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by iihanashi-africa | 2014-11-02 09:25 | ブルキナファソ | Trackback | Comments(2)
Commented by K◎ at 2014-11-02 10:24 x
おはようござます! あ、こんばんはかしらん?

自分の知る限り こちらでは あまり触れられてはいないように思います
なぜだ? 日本って ホント ことながれ主義っすよね?

まだまだ 緊張が続くかと、思いますが 気をつけてくださましね!
Commented by iihanashi-africa at 2014-11-02 21:22
ありがとうございます。日本でも一部のメディアでは触れられているとは聞きますが、大統領が辞任し軍事政権になったというニュースが多いですね。実は結構複雑なので、そこを正確に伝えられる日本のメディアはなかなかないですね。でも、遠く離れたブルキナファソですから・・・仕方ないか。とりあえず暴動は治まったので、外出できそうです。
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