人気ブログランキング | 話題のタグを見る
アラート:ブルキナファソで大統領退陣か?
前回の記事(ブルキナファソ:憲法改正反対デモ)に書いたように、今日ブルキナファソでは憲法改正の国会審議が行われる「予定」だった。しかし、山場だった今日、抗議が過激な暴動と化し、クーデターか?と思われるところまで発展した。

今の時点で「クーデター」と呼ぶのはまだ早い。ただ、France24では既に「クーデター」と言っている。

私は、自宅勤務の指示が出ていたので、一日中家のパソコンの前にいたが、自宅勤務とは言っても仕事に集中できる状況でもなく、結局Burkina 24lefaso.netの両メディアのfacebookとtwitterを追いながら街中の状況を把握していた。


≪今日の動き≫
昨日29日の夜:市内各地で道路が封鎖され火がつけられていた。私も迂回して帰宅。国会周辺もかなり広い範囲でバリケードが敷かれ、進入禁止となった。

今日30日
9時:国会議事堂に議員が集まり始める。
9時半:一部のデモ参加者が国会周辺のバリケードを破って侵入開始。国会を乗っ取り、火がつけられる
10時:国会から数百メートルの距離のRTB(国営テレビ・ラジオ局)が強奪・放火に遭う。
10時半:政府が、「憲法改正審議を中止する。平穏を保つように。」というコミュニケを発表。
http://www.sig.bf/2014/10/communique-3/
10時45分:与党の国会議員を宿泊させていたAzalaiホテルが強奪・放火に遭う。
10時50分:一部のデモ参加者が大統領府に到着。大統領は大統領府を離れ避難したとの噂。
11時:与党CDPの本部が強奪に遭う。
11時20分:バンフォラ市でも与党CDP事務所が襲われる。
11時半:ボボ・ディウラソの市役所と与党CDP事務所が襲われる。
11時50分:大統領の弟Francois COMPAOREの家を襲撃しようとしたデモ隊と警備軍とが衝突。
12時:ワガドゥグ市内の全ての医者、医学部の学生に、負傷者の手当てのためにヤルガド病院に集まるよう指令が出る。
12時半:反政府側に寝返った軍責任者とモシ族の王(反大統領派)が話し合いを開始。
13時15分:フランスとアメリカが平和的解決を望む声明を発表。
14時:この日の空港閉鎖が決定。
16時半:国連が平和的解決のため特使の派遣を発表。
19時:軍の参謀長が、政府・国会の解散、今後12か月間の暫定的組織の設置、19時~6時までの外出禁止令、を発表
21時半:コンパオレ大統領がCanal 3(ブルキナファソの民放テレビ)で声明を発表。憲法改正案の撤回、暫定政府で民主的に選出された大統領に権限を委譲することを発表
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=757474550995672

以下、Burkina 24がFacebookで配信していた今日の写真。

アラート:ブルキナファソで大統領退陣か?_c0116370_819403.jpg

襲われた国会議事堂。
アラート:ブルキナファソで大統領退陣か?_c0116370_8195139.jpg

国会議事堂が乗っ取られた様子。
アラート:ブルキナファソで大統領退陣か?_c0116370_8202640.jpg

国会議事堂前の大通り。
アラート:ブルキナファソで大統領退陣か?_c0116370_8204268.jpg

略奪に遭ったホテルの入り口。
アラート:ブルキナファソで大統領退陣か?_c0116370_8211755.jpg

略奪に遭ったホテルの駐車場。
アラート:ブルキナファソで大統領退陣か?_c0116370_8212964.jpg

参謀長の発表の様子。



野党やデモ参加者の当初の目的は、憲法改正をやめさせ大統領の再選を阻止することだった。一昨日28日には、過去に例のない規模の憲法改正反対デモが行われたが、ここまで市民が反対しているにも関わらず、大統領は国会審議を強行しようとした。28日の軍と一部のデモ隊との衝突を見たら、国会審議を強行したら激しい衝突になることは必至だった。でも、、、強行した。

結局、10時に開始予定だった国会審議の前に抗議する若者たちが国会を乗っ取り、審議は中止。その後、短時間で国営テレビや与党事務所、与党議員の自宅などが強奪・放火被害に遭い、10時半に、政府が憲法改正を撤回するという声明を出した

しかし、若者の暴動は続き、目的が「憲法改正中止」から「大統領の即退陣」にと変わっていった。ここまで抗議が過激化すると、後戻りはできないのか。野党の一部がたとえ交渉に応じてもよいと思っていても、若者や市民が納得しない状況になっていそうな気がする。

午後野党側の話し合いが開始されてから、市内は徐々に静かになってはいった。しかし、暴動に便乗した一部の市民が、ホテルやスーパーに強奪に入り、マットレスやらコメ袋やらを担いでいるところを見たという友人もいる。

そして、今夜から夜間外出禁止令が出されたため、ニュースによると街中は閑散としているらしい。それでも、抗議を続ける人々はおり、私の家の周囲でも外出している人に対する威嚇射撃の音は今でも聞こえる。さっきは、爆発音みたいなのも聞こえたけどなんだろう。。。


先ほど21時半に、コンパオレ大統領が「暫定政府で民主的に選出された大統領に権限を委譲する」ことを発表した。軍がトップになって上手く権力が移譲された例はほとんどなく、ブルキナファソの安定が長引くだけなので、やっぱり軍だけは避けてもらいたい。そうなると、今となっては、この提案が最も平和的な解決なような気もする。しかししかし!!!発表が遅すぎる。せめて、28日の大規模デモの後に発表しておくべきだったと思う。ここまで悪化させた責任は重い。

あっ、今、野党の一人が「大統領の声明は受け入れられない。今すぐ退陣をすべき」と話している。解決までには、しばらく時間がかかりそうだな。。。

今日は、死傷者が多数出ているらしい。まだ、人数は発表されていないが、病院は大変なことになっているようだ。本当に早く解決してほしい。

さて、今日はもう寝ます。
明日、どうなることやら。



にほんブログ村 海外生活ブログ アフリカ情報へ
にほんブログ村
by iihanashi-africa | 2014-10-31 08:27 | ブルキナファソ | Trackback | Comments(0)
<< ブルキナファソ:大統領辞任 ブルキナファソ:憲法改正反対デモ >>