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エボラ流行国を支えるモロッコ
エボラ流行のニュースが日本でもトップニュースになったころから、安否確認のメールをいただいていますが、大丈夫、元気に普通に過ごしています。

ブルキナファソでは、まだ感染者は出ていません。

でも、ブルキナファソ出張のキャンセルや延期の話は耳にします。慎重に慎重を重ねるのはとってもよく分かりますが、アフリカも広いのです。現実をしっかり見極め、適切な判断をすることが重要です。もちろん私も自分の身を危険に晒すことには躊躇してしまいますが、アフリカの発展のために働くものとして、ギニア、シエラレオネ、リベリア各国の立場に立ってしまいますね。これらの国で治療を行う方々に本当に敬意を表します。

余談ですが、最近見た日本のテレビ番組で、あるジャニーズの男性が「最近初めて知ったことは?」という質問に「アフリカは国ではなかったこと」と答えており、それを聞いたAKBリーダーが「えっ、国じゃないの?」と反応したのをみて愕然としてしまいました。これが日本の現実かと。。。

さて、セネガルで唯一の感染者が回復したというニュースを見ました。

エボラ熱は致死率50~90%と言われており、感染はしにくいものの一旦感染すると死に至る確率の高い感染症です。でも、100%が亡くなるわけではなく、もちろん回復する患者もいるのです。毎日「感染者を新たに何人確認」という報道ばかりで、「今日は何人回復した」という報道など見たことないのですが、8月上旬時点でシエラレオネで140人が回復していたことを考えると、少なくともこれまでに600人くらいは回復患者がいると思われます。

今、このような回復患者の血清を活用して治療しようと実験が進んでいますね。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM0600A_W4A900C1NNE000/


もう一つ、ここでご紹介したいのは、モロッコの動向

国境を閉鎖し、航空便も見合わせる国が多い中、唯一モロッコ航空だけは、ギニア、シエラレオネ、リベリアの3ヵ国への便を継続しているのです。もともとこれらの国とは関係の強いモロッコですが、これらの国へ向かう便の乗客数は全席数の10%にも満たないという厳しい状況の中でも、「金儲けのためではなく、アフリカとして連帯するため」というポリシーのもと、3ヵ国を見放すことなく、世界と3ヵ国をかろうじてつなげてくれています。

今、この3ヵ国では、食糧も不足し、物価も高騰しています。シエラレオネだったかギニアだったか、空腹に我慢できずに隔離病棟を逃げ出した男性を、防御服を着た方々が追いつめている映像をテレビで見ました。アフリカの中でも貧困層の多いこれらの国で、唯一の生命線ともいえるモロッコ航空は称賛に値しますね。

モロッコは、現在行われているアフリカンカップ予選の「ギニア対トーゴ」の試合を、9月5日に受け入れてくれた国でもあります。一昨日も、ギニア出張団をモロッコに受け入れたというニュースが流れていました。

きっと、エボラ流行が消滅したら、3ヵ国から感謝されるんじゃないかな。


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by iihanashi-africa | 2014-09-13 08:08 | ブルキナファソ | Trackback | Comments(0)
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