先日、ロビ族の博物館で聞いた話。
日本では、双子が生まれると戸籍上先に生まれた方が兄あるいは姉になる。私の弟と妹も双子だが、弟の方が先に生まれたので、とりあえず妹にとっては弟が「兄」ということになっている。普段は名前で呼び合っているので、数時間差で生まれた片割れに対して、さすがに「兄」とは呼ばないものの(あっ、でも「双子の兄」という紹介はするかも)、一度だけ妹の結婚式でお色直しに向かうための同伴を「兄にお願いしたい」と行った時は泣けてしまった。 さて、いつものように脱線してしまったが、ブルキナファソ南西部に住むロビ族の文化では、後に生まれた方が兄あるいは姉と呼ばれるらしい。 何故か。 この世界に生まれる前に、双子の片割れに向かって、今から出ていく世界に危険がないかどうか確かめてくるよう命令する。そして、最初に出た方は、おなかの中にいる兄(姉)に向かって安全だという合図を送る。つまり、命令を出す方が兄あるいは姉ということになる。 話を聞いていた私たちは、驚いたと同時に理屈に納得してしまった。 しかし、この話を母にしたら、日本も昔は後に生まれた方が兄だったと教えてくれた。調べてみると、昔は「兄(姉)ならば先に母の中に入ったので奥にいるはずであり、後から出てくるはず」、「弟(妹)が兄(姉)を守るため、先に露払いとして出てくる」などの考え方があったらしい。先に生まれた方が兄という考え方は欧州の考え方らしい。明治に入った1874年12月13日の太政官指令により現在の兄弟姉妹の順が定められたとのこと。但し、この「後から生まれた方が兄(姉)」という考え方は直ぐには改められなかったようで、1898年生まれのあの「きんさんぎんさん」は、後から生まれたきんさんが姉となっている。 ロビ族の文化を知ることで日本の文化を知った。 にほんブログ村
by iihanashi-africa
| 2014-08-04 21:45
| ブルキナファソ
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