ブルキナファソで最も見所の多い地域がバンフォラBanfora周辺だと思う。降雨量600mmで茶色一辺倒のワガドゥグ周辺や北部を見慣れていると、降雨量1000mmの地域の植生が癒しに感じる。ワガドゥグから450km、車で6時間かかってもたまに行きたくなる地域である。
バンフォラは人口約5万人。コートジボワールやマリに最も近い都市ということもあり、人口は少なくても活気はある。バンフォラとは「明るく開けた場所」を意味する。最初に住み着いた民族はカラボロKaraboro族、そしてグワンGouins族、チュルカTurkas族。 バンフォラは、サトウキビ生産・製糖業で知られているが、これも書き出すと長くなるので、この旅行記を書き終わったら、サトウキビの記事を書いてみようと思う。 電車とバンフォラの旅2日目は、サンドゥ岩山群、カバの湖、聖なるバオバブ、カルフィギュラの滝、フェデドゥグの岩のドームと盛り沢山の日程で、掲載したい写真も沢山あるため、午前と午後の2回に分けて記事を書くことにする。 4月20日 2日目午前 サンドゥ岩山群 Pics de Sindou バンフォラから西へ52km、舗装整備されたばかりの道をマリ方面へ進むと、突然右手にのこぎり歯のような岩山群が現れる。若干起伏のある地形のため直前になるまで見えず、突然目の前に現れるため、驚きと感動を覚える。 バンフォラからボボ・ディウラソ、そしてマリ国境方面にかけて、バンフォラ断崖(Falaise de Banfora)と呼ばれる絶壁が続いている。バンフォラ手前のサトウキビ畑付近の断崖は見ごたえある。もう少しマリ方面に向かうと、ブルキナファソで最も高い山、749mのテナクルTenakourou山も見られる。サンドゥ岩山群もこの断崖の一部であり、幅1km、長さ5kmに広がっているが、何世紀にもわたり浸食が進み、奇抜な岩山となっている。 サンドゥと言えばセヌフォSenoufo族というほど、両者の関係は深い。 セヌフォ族は、もともとマリ南部に住んでいた民族だが、度重なる多民族からの攻撃から逃げ、サンドゥ岩山群の上に住むようになった。口承では14世紀頃のこと。岩山群と言っても、岩と岩の間には家を建設できる平坦な場所がある。14世紀にサンドゥ岩山群に住み着いたのは27家族で、それから500年もの間、岩に囲まれて生活していたそう。その間、何度か他民族の攻撃には遭ったものの、岩山に守られて一度も制圧されることはなかった。そのため、セヌフォ族にとってサンドゥ岩山群は、現在でも聖なる場所である。 19世紀に争いが収まってからは、岩山を降りて近くに村を形成している。以降、誰も岩山には住んでおらず、かつての家屋も跡形なくなったが、1993年に、ブルキナファソのDani Kouyate映画監督が「グリオの遺産(L’Heritage du Griot)」という映画をサンドゥ岩山群で撮影しており、その際に復元した家屋跡は今でも残っている。 下に見える水田とのコントラストが美しい。 テングレラ湖(Lac de Tengrela):カバの湖 サンドゥ岩山群からバンフォラへ戻る道沿いを少し入ったところに、テングレラ湖がある。通称「カバの湖」である。幅1km、長さ3kmの湖に、5グループが群れをなして生息している。1グループは大体10頭らしいので、計50頭が生息している計算。 ピローグと呼ばれる木舟で湖を周遊してカバを探しに行く。 周囲に大きな村がなく、また大規模な農園もないため、水は透き通っている。 水藻が良く見える。 浅く見えるが、実はかなり深いらしい。 早速カバ発見! 以前ここに来た友人でカバを見られなかったという人もいたので心配だったが、よかったよかった。乾期に来たのがよかったのかも。ただ、カバを見られると言ってもこれが最大。たまーに運よく口を大きく開ける姿がみられるが、大抵は耳だけ。でも、水中に象ほどの大きさの体が隠れていることを想像してほしい。 カバは、夜10時を過ぎると陸に上がり、朝早く水の中に戻るという。 木舟のおじさんが水蓮の花で何か作っている。 素敵な首飾りの出来上がり。 水蓮はやっぱり水に浸かっていないと生きられないらしく、すぐにしおれて色が変わってしまった。。。 綺麗な湖でしょう。 聖なるバオバブ タングレラ湖の近くにある樹齢500年のバオバブ。 太い幹の中は天然の空洞になっており、民族間闘争の激しかった時期は、村人の隠れ家となっていたらしい。30人くらいは入れる大きさ。また昔から木の枝に大きな蜂の巣があり、敵が襲ってきた際に蜂が盾となってくれたことも「神聖」と呼ばれる所以。 バオバブの入口にお守りがかかっている。見えにくいかな? バオバブの中では、鶏を生贄にして祈祷する場所がある。 2日目午後へ続く。 にほんブログ村
by iihanashi-africa
| 2014-06-03 09:16
| ブルキナファソ
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Comments(2)
現在、今回の記事にとりあげられたBanforaにいるSatoです。非常に興味を引かれる情報ですが、今回は調査予定が立て込んでいて難しいかも。次の機会(あるのか?)にとっておくことにします。
でも帰りに断層ぐらいは遠くから見れるかな。サトウキビについても結構感動してみてました。この話も楽しみにしていますね。
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iihanashi-africa at 2014-06-10 07:14
もう一つ続きの記事を掲載しました。個人的にはファベドゥグがおすすめです。バンフォラからもそれほど遠くなく、サトウキビ畑の合間を縫って辿り着くので、道なりも楽しめます。
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