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鉄道とバンフォラの旅 1日目
以前からずっと鉄道の旅をしてみたかった。

コートジボワールのアビジャンとブルキナファソの首都ワガドゥグを繋ぐ鉄道は1954年に開通した。アビジャンで初めて鉄道が敷かれたのが1905年。ボボ・ディウラソまで繋がったのが1934年。それから1954年にワガドゥグまでの全長1260kmが繋がるまで、約50年を要した。本来ならその先のニアメ(ニジェールの首都)までつながる予定だったが、予算不足でワガドゥグまでで一時中断された。

アビジャン=ニジェール間の鉄道プロジェクトは、フランス植民地時代からの公社が実施し、鉄道経営も行ってきた。しかし、1989年に鉄道民営化が決定し、公社は解体された。跡を継いだのは合弁会社のSITARAIL。この民営化が鉄道衰退への分かれ目となった。利益を上げようとするあまり、貨物重視、人員削減、サービス低下、メンテナンス不備が悪循環を生んでいく。

同僚によると、かつてアビジャンまで行く手段と言えば、まずは「鉄道」だったという。道路が発達しバス交通が発展してからは、「バスよりも遅い鉄道」に乗る人はいなくなった。

ちなみに中断されていたワガドゥグ=ニアメ間の鉄道だが、新たなプロジェクトとして再開の動きがある。またアビジャン=ワガドゥグ間も生まれ変わるプロジェクトが動き出した。仏系Bolloreグループがほぼ独占しているのがちょっと気になるけど。。。

でも、今、アフリカで鉄道があつい



マダガスカルでも鉄道に乗ったことがある(↓)。
JAZZ in TRAIN


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さて、旅行の話に戻ろう。

アビジャン=ワガドゥグ間の旅客車は週に3本。貨物も含めたら更に多いが、客車は限られる。ワガドゥグ発は火、木、土。理想的な旅行は、土曜日に電車でワガドゥグからブルキナファソ第2の都市ボボ・ディウラソに移動し、日曜日と月曜午前中にバンフォラを旅行して、月曜の午後に戻ってくる行程。そのため、何カ月も前から月曜日が休日の3連休を待ち望んでおり、やっと見つけた。狙うはイースター休みとなる4月19日(土)~21日(月)の3連休。

旅行2週間前の土曜日、ワガドゥグ中央駅に情報収集に行った。左下の写真は正面から見たワガドゥグ駅。右下は駅構内の待合室。ワガドゥグ駅は1954年に建設されており、とても古めかしい。定期的に清掃をしているようにも見えない。
鉄道とバンフォラの旅 1日目_c0116370_41959.jpg鉄道とバンフォラの旅 1日目_c0116370_42528.jpg


駅の切符販売のおばちゃんによると、列車は朝9時にワガドゥグを出発し、17時半にボボ・ディウラソに到着するという。車だと4時間半の道のりを、電車では8時間半かかる平均時速40㎞。料金もバスと大してかわらないため、電車に乗る意味が感じられないが、いつもとは違う景色をビールを飲みおにぎりを頬張りながら優雅に8時間かけて楽しむのも、ある意味贅沢である。

列車には一等車と二等車があり、一等車はクーラー付とのこと。ワガドゥグからボボ・ディウラソまで、一等車は11,000 FCFA(2400円)で、二等車は6,000 FCFA(1300円)。料金は倍だが、一年で最も暑く最高気温43度の4月に、クーラーなしはきつい。ということで、一等車に即決。但し、アビジャンまでの切符は前売りしてくれるが、ボボ・ディウラソ行きは前日か当日しか購入できないとのこと。

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結局前日に出直して、一等車の切符ゲット。


4月19日当日

朝9時に出発だったので、30分前の8時半に駅到着。8両の列車の一番前の車輌だけが一等車。写真は二等車。見た目は綺麗でしょう。
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中も意外に綺麗でこんな感じ。プラスチックの椅子だから8時間半この椅子はつらいかもしれない。でも座布団を持参したら二等車も悪くない。
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そして、一等車はこんな感じ(↓)。写真左にある白い箱のような物体がクーラー。一席分の大きさのクーラーが4台取り付けられている。そして、冷気を温めないように厚いカーテンで窓が覆われており、少し閉塞感がある。座席のクッションは悪くないものの、時折小さなゴキブリくんたちが壁をつたって走っており、残念ながら清潔感はそんなに感じられない。どちらかというと、開放感のある二等車の方がいいかも。
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列車は予定通り9時定刻に出発。事前に偵察したときも9時ちょうどに発車しており、ちょっと感動。


見慣れたワガドゥグの街中を通り過ぎる。
遮断機はもちろん手動。
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実はこの鉄道の旅では始終写真撮影禁止だった。駅も電車も撮影禁止。だからこれらの写真は全て隠れて撮影したもの。アフリカでは空港やら駅やら、意味もなく撮影禁止の場所が多いと思う。まあそれはさておき、電車の中で係員さんに見つからずに写真を撮れるところを発見した。それがトイレ。トイレの窓が大きく開いていたのでそこから手を伸ばして電車から見える景色をとった。多分、やけにトイレに行って長居する客だなあと思われていたに違いない。

これは列車の前の部分。
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こっちは後ろの部分。
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列車からの景色。
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時速40㎞なので、こんなのどかな写真も撮れてしまう。
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基本的に単線なので、駅が近くなると擦れ違うための線路が複数見えてくる。
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そして、駅はどこもデザインが似ている。
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ボボ・ディウラソに着くまでに、多分6つの駅に泊まったと思うが、その内乗客の乗り降りができるのは、クドゥグKoudougouとシビィSibyだけだったと思う。残りの駅では、売り子がその土地の特産品を線路脇まで売りに来る。

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鉄道とバンフォラの旅 1日目_c0116370_7571849.jpg一等車と二等車の間に小さな食堂車がある。食堂といってもバーカウンターがあるだけだが、ここがまたいろんな人が集まってきて楽しい。さっきまで「撮影禁止だ!」と注意していた係員さんとも、ここで仲良くなった。コートジボワールのビジネスマンと、日本と韓国と中国の違いについての話題で盛り上がった。やっぱりビールを一緒に飲むと打ち解けられる。ちなみに、写真の赤ラベルのビールは「ナンバー1」という1リットルビール。


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ボボ・ディウラソの街に入ると(ワガドゥグを出る時もそうだったが)、見たくない光景が目につく。線路はゴミ捨て場?


やっとボボに到着。初めての鉄道の旅でいろんなことが新鮮だったため、8時間半という長さを全く感じなかった。
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ボボ・ディウラソ駅全景。
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ここから車で目的地バンフォラまで移動した。

2日目へ続く。

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by iihanashi-africa | 2014-05-22 19:40 | ブルキナファソ | Trackback | Comments(2)
Commented by MJ at 2016-09-27 11:53 x
拝見させて頂きました!
西アフリカの鉄道に関する内容にとても惹かれ自分も是非とも体験したくなりました。今後の更なる開通が楽しみです。

ありがとうございました。
Commented by iihanashi-africa at 2016-10-05 16:26
MJさん、コメントをありがとうございます。そしてお返事が遅くなってしまい、すいません。昔カメルーンで鉄道の旅をしたことがあるのですが、その時は熱帯雨林の中をひたすら走り続け、景色が変わらなかったので途中から飽きてきてしまったのですが、このブルキナの鉄道の旅は周囲の村の生活の様子まで見られて感動でした。お勧めです。
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