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いちご生産のポテンシャル
一か月ほど前に、ブルキナファソのイチゴ生産の記事をアップしたが(イチゴの季節が終わりました)、先月これらのイチゴを生産する農家グループを訪問してきた。

ワガドゥグ中心街からボボ・ディウラソ方面へ走ること15分、一つ目の料金所手前にブルミウグBoulmiougouという地区がある。依然ワガドゥグ市内である。ここに大きな溜池があり、その周辺でイチゴ栽培や野菜栽培が行われている。

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Boulmiougouは、イチゴだけでなく、サラダ菜や人参、ピーマンなどの生鮮野菜も栽培しており、800人もの生産者が6つの生産者グループに分かれて活動している。その中で、イチゴの生産者は約200人。その中心人物が、Nikiemaさん(下の写真がNikiemaさん、手に持っているのはイチゴの苗)。

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イチゴ生産は、1940年頃にNikiemaさんのお父さんが始めたという。1970年にNikiemaさんが後を継いだ。開始当初に、複数の品種を試験的に栽培し、現在生産するスペインの品種が選定された。栽培方法も、長年の経験からこの地に適した形に工夫されている。例えば、強烈な日射と暑さからイチゴを保護するために、意図的に雑草をそのまま残しておく。苗の自家採取も出来るようになった。

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年間平均生産量は90~100tで、その半分にあたる40~50tがワガドゥグで販売され、残りはコートジボアールやトーゴ、ベナンに輸出される。多い時で一生産者あたり50kg/日を出荷できる。1500FCFA/kgで30日間販売出来れば、225万FCFAの売り上げとなる。計算してみると、相当儲かる農業のように思われる。

しかし、話を聞く限り、まだ農民組合の域を出ていないように思う。自分たちでアビジャンに赴き顧客を探すなどしているものの、よりシステマティックに輸出して、販路を拡大していくには、もう少しビジネス知識が必要だろう。ベナンやトーゴよりも需要が多そうなガーナには、言語が異なるためにビジネス交渉が出来ていないらしい。半世紀にわたり一か所でこれだけの量を生産しながらも、売り方はまだまだ発展の余地がある。とても期待できる農産品だと思う。

但し、現在Boulmiougouの溜池は堆砂の問題が発生している。また周囲でイチゴや野菜を生産する農家も年々増え、水の確保が徐々に厳しくなっている。農業開発を進めるためには、環境への影響も必ず考慮しなければならない。

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by iihanashi-africa | 2013-05-10 09:20 | ブルキナファソ | Trackback | Comments(0)
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