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餅つきの準備と実施マニュアル
今年最後の投稿となる。
今紅白でナミブ砂漠でのMISIAの熱唱を聞いて感動したところ。
やはりアフリカには力を感じる。
MISIAの歌声もよかった。


さて、毎年12月30日、実家では餅つきが恒例行事となっている。

ハレの日には欠かせないもち。しかし、餅つきというのは準備から片付けまで大変な作業である。餅つきも力仕事なので、最近は弟が帰省しないと餅つきが出来ない。一度餅つき機を試したようだが、柔らかくなりすぎて鏡餅が上手く出来なかったらしい。

年末の数日間で餅つきを行うのが全国的にも慣例であるが、29日だけは「二重苦」ということで避ける風習がある。私の実家では必ず30日に餅つきをする。祖父がまだ生きていた頃は、朝5時から準備を始め、つきたての餅が朝食となっていたが、最近はさすがに早朝からの餅つきは大変なので、昼食に間に合うように9時頃から準備を始める。

今日はあいにくの雨。いつもは外で行う餅つきもお蔵の中でつくことになった。

①まず、杵の頭が欠けたり木片が餅に入るのを防ぐために、水を張ったバケツの中に杵の頭を漬けて水分を含ませておく。木臼にも少々水を張って水分を含ませておく。一回の餅つきに2升5合(25合)を焚く。これが4回続く。つまり10升(100合)。

②餅米を水洗いし、しばらく水に浸し、ザルに開けて水切りをする。蒸し器の蒸篭に簀子を敷き、その上に蒸し布を敷き、水切りした餅米を入れて蒸し布でくるんだ後、蒸す。こうして二段になるせいろで蒸す。

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③もち米の芯が残っていない程度に蒸したら、蒸し布に包んだまま臼の中にあける。

④臼にあけたもち米は、臼の外周に沿って杵の柄を腰に沿わせて体重をかけ、もち米を臼に圧しつける。

⑤もち米全体に粘りが出始め、杵でついたときに蒸した米が飛散しない程度になったら、全体をひっくり返す。

⑥そして杵で付き始める。臼に餅がくっつかないよう、あらかじめ桶に水を入れておき、杵でつくたびに餅を「かえす」。この作業は手水というらしい。
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餅つきをしたことがある人ならわかるだろうが、杵を安定して真ん中に振り落すのはかなりの技術と経験を要する。初めて餅をつくと、臼の縁をたたいてしまい、臼がかけてしまったり、杵が割れたりする。これは昨年餅つきのお手伝いに来てくださった方が、力のあまりに割ってしまった杵。
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これは余談だが、3年ほど前杵を壊したときに、両親が十日市で購入しようと行ったら既に売り切れており、ここに来たら購入できるからと名刺をもらった。そして昨年壊してしまったので以前もらった名刺を頼りに山梨県増穂町平林の方を訪ねに行ったそう。そしたら、実はその方は既に亡くなられており、奥さまから遺品が沢山残っているからということで、安く譲っていただいたとのこと。最近は、餅つきをする人が増えているらしく、需要はあるそうだが、臼作り職人は少なくなっている。

⑦つき終わった餅は餅取り粉をまぶした板の上に置き、まずは鏡餅をつくる。私の実家では、基本的に4つの鏡餅をつくる。「御えびすさん」、「屋敷神さん」、「御仏壇」、「神棚」。かつては神棚には12か月ということで12個の鏡餅をお供えしており、4つの神様に加えて「御竈神(おこうじん)さん」にもお供えをしていたそう。今ではガスコンロになってしまったのでお供えをしなくなった。
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餅つきの準備と実施マニュアル_c0116370_21453382.jpg餅つきの準備と実施マニュアル_c0116370_15443783.jpg


⑧残りの白餅は切り餅にするために延ばす。少し冷めたら切り餅の大きさに切る。
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⑨白餅を3回ついた後、残りの1回は豆餅を作る。具は、青のり、アーモンド(普段はクルミを入れる)、ゴマ、砂糖、塩。もち米を粘りが出るまでつき、真ん中にくぼみを作って周りの餅でカバーする。⑥のように、具が飛び散らないようもち米を臼に圧しつける。具が餅に絡んできたら、普通につき始める。青のりがもち全体に行き渡ったらOK。
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⑩餅つきが終わった後の杵と臼はタワシで表面の餅を取り去る。


これが毎年の行事。
味噌作りに続く恒例行事かも?
1200キロの麹味噌

さて、昨年割れた杵は神聖に割って薪として使われることになった。餅つきの準備と実施マニュアル_c0116370_23251975.jpg餅つきの準備と実施マニュアル_c0116370_2326989.jpg




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by iihanashi-africa | 2012-12-31 23:48 | 日本 | Trackback | Comments(0)
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