日本は昨日「中秋の名月」だったが、今何かと話題に事欠かない中国や韓国でも、この日は祝日となる。ブルキナファソの韓国人コミュニティーと親しくさせてもらっている私は、昨日「秋夕(チュソク)」のお祝いイベントに参加させてもらった。
ブルキナファソに滞在する韓国人の9割が参加していたようだが、最近はキリスト教関係の方々が増えた。ワガドゥグとボボ・ディウラソに教会があり、両方に韓国人の牧師さんがいる。そこで働く韓国人も多い。主な活動はやはり布教。各地の村を回って、現地の言葉に訳されたイエス・キリストの映画の上映会を行うらしい。その他にも、ハンディキャップのある方々を対象としたスポーツ大会や孤児を対象としたイベントも開催している。私の友人である写真屋さんのチョーさんは、「最近はキリスト教系の方が多く、ちょっと一杯外に飲みに行く仲間が限られる」と言っていた。昨日の「秋夕(チュソク)」のイベントでもアルコールを飲む方々はほとんどいなかった。 さて、2007年にこんな記事を書いたことがある。 アフリカの韓国人は写真屋 今まで滞在した国々の写真屋さんは全て韓国人なのだ。カメルーンも、チャドも、セネガルも、マダガスカルも、ここブルキナファソも。 何故ここまで韓国人写真屋さんがアフリカに散在しているのか。 写真屋さんが儲かるため、知り合いが知り合いを韓国から呼んで、数珠つなぎに広がっていったことは以前も聞いていた。 しかし、昨日のイベントで出会ったファンさんから、初めてこの写真屋さんのルーツを教えてもらった。 アフリカで初めて韓国人が写真屋を開いたのは1982年のこと。場所はナイジェリア。韓国人のオーナーの元に10人の韓国人従業員いた。この写真屋は相当繁盛したようで、ナイジェリアを訪れた当時の韓国大統領がこの写真屋に注目し、他のアフリカ諸国で写真屋をオープンする韓国人に対して、返済期間20年の貸付を行うことが決定された。 ナイジェリアの写真屋で雇用されていた韓国人10人は、契約期間終了後、アフリカ各地に散らばり自分の写真屋をオープンさせた。中でも最も早いオープンに漕ぎつけたのがコートジボワールの写真屋。この話をしてくれたファンさんも当初はコートジボワールの写真屋の従業員だったらしい。 ファンさんは1988年に独立してブルキナファソに自分の写真屋Lotte Photoをオープンした。一年前の1987年に既にCinephotoという写真屋が存在したが、共同出資したブルキナファソ人に売り上げを盗まれ、その後店を閉めたらしい。 今日、カーボベルデを除くアフリカの全ての国に韓国人の写真屋は存在するとのこと。 現在ブルキナファソでは、先進国同様デジタルカメラが普及しているが、その前までは写真現像は相当儲かるビジネスで、4ヶ月で1千万円の売り上げも上げていたらしい。特にラマダンやタバスキ(犠牲祭)、クリスマスなどの年中行事の際は、10日間連続して24時間仕事をしていたとのこと。 しかし、デジタルカメラが普及した今、売り上げは激減。かつてワガドゥグに10件あった韓国人の写真屋は、今ファンさんのLotte Photo1件のみとなった。韓国に戻った人もいれば、別のアフリカ諸国へ移った人もいるそう。ファンさんも、今は24時間仕事をする日はなく、閉店時間の午後6時には帰宅できてしまうらしい。 写真屋に代わって、今売り上げを伸ばしているのが韓国のかつらメーカー。 アフリカの女性も皆さんオシャレですから。 そのうち、写真屋と同じようにアフリカ各国に韓国のかつらメーカーのお店がある時代がくるかも? にほんブログ村
by iihanashi-africa
| 2012-10-01 11:22
| ブルキナファソ
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Comments(6)
ほほう、Satoもなぜ韓国人の写真屋さんが多いのかは気になっていたのですが、そういうことですか。逆にNigeriaでは見たことがなかったのでNigeriaがルーツだとは思っていませんでしたね。デジカメの普及など、どんどんこちらの生活も変わっていきますね。あと10年後にはどうなっているのだろう?
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iihanashi-africa at 2012-10-02 07:46
写真屋第一人者の方は、ナイジェリアに写真屋を開いた時点で既に60歳を超えていたそうです。私の周囲にこの方の消息を知る人はいないのですが、もうナイジェリアにはいないのではないかとのことです。この方もナイジェリア人のアソシエートがいたようなので、もし写真屋が現在も存在していてもナイジェリア人が経営者になっているかもしれません。
それにしても最近の社会の動きは早いですね。iPhoneやiPadを持っている人も結構見かけ、一昔前の携帯を持っていると「それはいつの時代の携帯だ」と言われたりもします(笑)。
それじゃ、もうないかもしれませんね。Nigeria人経営じゃ、たとえ有ったとしても見分けがつかないかもしれませんね。
Satoも普通の携帯愛用者で、Smartphoneに変えろと言われるのですが、あんなでかいものをポケットに入れてあるく気にはならないので、携帯不携帯率が増えそうで遠慮しています。というSatoもIpadぐらいは利用してはいますけどね。 こちらでもノートパソコンを使用しないままタブレット利用を開始する世代も出てきているようですね。ホントこちらもどんどんかわっていきます。
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iihanashi-africa at 2012-10-06 15:47
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koremitsu at 2012-10-13 18:47
NYの我が家近くの写真屋も韓国人だよ。使ってる機械は富士フィルムだけど。アメリカでは移民の出身国によって職業の棲み分けがあるから理由は特に気にしてなかったんだけど、ゴミ収集やクリーニング、タクシー運転手、デリバリーとかを担う民族がいる一方で、ウォール街は白人で・・・端から見ていて気分のいいものじゃないね。
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iihanashi-africa at 2012-10-14 01:55
全く。ニューヨークは特に顕著なんだろうね。
先進国に住むアフリカの友人を見ていると、その気分のよくない感覚を同じように感じたりします。でも実は「気分がいいものじゃない」と感じる人は半分にも満たないんだと思う。私たちはマイノリティーかも。自分の国にいないので、客観的に見ることができるけれど、実際にそこに住んでいたら感じ方は少し違ってくるのかもと思うこともあるのです。
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