やたら長いマダガスカル人の名前
マダガスカルに来てから、人名をフルネームで覚えたことがほとんどありません。覚えたのは世間を騒がしている政治家の名前くらい。仕事で関わる方は皆、呼び名で覚えています。なぜなら名前がやたら長いから。

かつてマダガスカルでは、姓しかなく名(ファーストネーム)がなかったそうです。今ではほとんど見かけなくなりましたが、まだファーストネームを持たない方もいます。しかし姓に関しては、昔から長かったようです。18世紀後半のメリナ王国4代目の王は、Andrianampoinimerinaと言います。アンドリアナンプイニメリナ。絶対覚えられない。

マダガスカル人の姓は、家系図であると言えるかも知れません。子供には父方と母方の姓の一部をとって新たな姓を与えます。つまり両親と姓が異なるのです。ただ、マダガスカルの伝統社会は家母長制なので、父方の姓を与えるのは義務ではありません。母方の特に祖父や伯父の名前を与えることが多いようです。ただし、地域によって異なるかもしれません。それに、首都タナでは伝統文化が少しずつ変化してきているような気がします。それでも、いくつかの姓を切り貼りして作る姓は今でも変わりません。フランス留学中、開発経済の先生がマダガスカルの専門家で、授業中に1時間も家母長制の話を聞かされたことがあります。その時は、興味が沸かず眠くてたまらなかったのですが、実際にマダガスカルで生活しながら話を聞くと面白いですね。

さて、長いという姓や名の例をいくつか紹介します。
1.RANDRIANARIMANANA Norbert
2.RAKOTONDRATOANDRO Jean Francois
3.ANDRIAMIHANTARIVOHITRA Clement
4.RAKOTONANDRASANA Henri
5.RASOARIMANATSITOHAINA Merline Lala
6.RAFANOMEZANTSOA Jean Michel
7.RAKOTONDRAMANANA Andriantiana Lala
8.RAKOTOSON Andriamanalimanana David
9.RAMISASON Andriamaromanana
10.RATSIMBAZAFY Vohangiarisoa Noro
11.RAZANAMANDIMBY Solofoherinirina Elie


これは私が知っている方だけなので、もっと長い名前を持っている方はいるでしょう。これだけ長いと呼ぶほうも大変なので呼び名があります。それが下線を引いた部分。ファーストネームで呼ぶ方がほとんどですが、6番のFanoさんのように姓の真ん中の一部をとって呼ぶ場合もあり、名刺をもらったときはまずなんと呼んだらよいか聞き、こうして下線を引いておきます。

今名前を書いていて気がついたのですが、ほとんどの名前は"RA"で始まりますね。あとは"ANDRI"。どちらもメリナ王国の名残かな。。。ANDRIは最初に書いた4代目の王の系統、RAはその後政権をとったRanavalona女王やRadama王、Rasoherina女王の名残かと思われますが、これは私の想像にすぎません。

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by iihanashi-africa | 2009-04-27 01:45 | マダガスカル | Trackback | Comments(5)
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Commented by ザマニパンバ at 2009-04-28 09:52 x
 Ra- は、人名を表す接頭辞になります。 Ra-ほどには使用されませんが、 I- と言う接頭辞もあります。 Koto は、男性をあらわす言わば日本語ならば「太郎」と言った意味ですが、これが人名として使われますと、Rakoto もしくは Ikoto となります。 ですから、この1月~3月の紛争中、ラズエリナ支持派の人びとが RA8 miala ! と書いた横断幕を掲げたりしていましたね。 マダガスカルの人は、RA8=ラヴァルマナナとわかるわけです。

 Andriana- は、かつてイメリナ王国時代は、<貴族階層>に属する人間を表す称号的人名の一部でしたが、今では表面上この階層がなくなりましたので、みんなが勝手に使い始め、Andriana-がついているからと言って、旧貴族階層に属する人とは限らなくなりました。 また、旧貴族の中でも、高位の人たちは、Andriana-をつけませんので、現代では名前からその属する階層を推測することは難しくなっています。

 マダガスカル人の名前には、親などがつけた名前、洗礼名、あだ名、それに<~のお父さん>、<~のお母さん>などのテクノニーム、一部では王族のおくり名などもろもろがあり、これから調べてみられると面白いでしょう。
Commented by iihanashi-africa at 2009-04-29 03:48
ザマニバンバさん、非常に興味深いコメントをありがとうございます。参考になったので、そのうち本文に引用させてください。そして今後もコメントを!

どうしてRA8=ラヴァルマナナなのか分からない方のために、もう一言付け加えると、Valo(ヴァル)はマダガスカル語で数字の8のこと。だからRavalo=Ra8なのですね。英語もフランス語も携帯でメッセージを送るときに、for=4やde=2、suis=s8と数字を使って略すことがありますが、略す文化は世界共通ですね。
Commented by ザマニパンバ at 2009-04-29 10:37 x
 RA8はもちろん、ラヴァルマナナを小馬鹿にした略記で、人の名前をこのように表記することは通常であれば、許されません。

 いかにもマダガスカル語らしい、よく用いられる省略表記法を、紹介しましょう。

 1) @ : アットマークではありません。 これで、マダガスカル語の aminy を表します。 aminy は、英語の with,in,on, at などの広い意味を持ち、多様されますので、このように省略して書くエネルギーを節約します。 アットマークが使われる以前から、この書き方が存在しました。 起源はどこでしょうね?

 2)マダガスカル語では、形容詞、副詞、動詞の語根を重ねて用いることが多く、これを ×2 あるいはもっと短く 2 と書きます。 たとえば、挨拶の Inona no vaovao ? も、 Inona no vao×2 ? あるいは、 Inona no vao2 ? と書いたりします。
Commented by iihanashi-africa at 2009-05-08 05:31
ザマニバンバさん、更なる情報をありがとうございます。最近、マダガスカル語の教室に通うことを考えています。運転手と話をしていますが、なかなか上達しなくて。ただ、出張が多いため、定期的に通えないのがネックになっています。でも、意欲は十分。ローカル言語が話せたほうが、社会へ溶け込むスピードが圧倒的に違いますから。
Commented by ザマニパンバ at 2009-05-10 23:07 x
  マダガスカル語の習得、がんばってください。 とは言え、まとまった学習時間を確保することのできない派遣専門家の方には、障害が多いですね。 マダガスカル語会話についての本も幾つか出版されていますが、公用マダガスカル語中心であまり感心しません(マダガスカル語もかなり方言差がありますから)。 Ambohijatovoの古本屋街で、Elsie L.Stark , Malagasy without Moans, 1969, Tananarive:Trano Pritny Loterana, 総計 128ページを探してみてください。 マダガスカル語の文法をたいへんコンパクトにうまくまとめており、各章の終りには練習問題もついているため、独習も可能です。 この本でマダガスカル語の骨格を学び終えたら、後は日々の実践の中で会話能力を鍛えるのが、良いかと思います。
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