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同じことの繰り返し
ラジュエリナ暫定政権トップの姿勢が強硬になってきました。反暫定政権側に圧力をかければかけるほど、反対分子の反発は過激になっていきます。これまでラヴァルマナナ支持者が集会を行ってきた民主主義広場での集会開催を、暫定政権は明日から禁止しました。禁止すれば、反暫定政権の動きはより高まってくるはずです。

ラジオ・テレビ局の機材押収
4月19日日曜日の夕方、RTMというマダテレビ・ラジオ局に軍が押し入り、機材を押収しました。RTMは今現在唯一残るTIM系(ラヴァルマナナ派)のテレビ局です。先日RTMが3月17日のララ牧師逮捕についての報道を流し、郵政・通信大臣から「民衆を扇動する報道だ」と抗議レターが出されています。RTMはこれに対し何の返答もせず、昨日の機材押収に至ったわけです。強硬手段に出たのは、これだけが理由ではなくその前も後も集会参加者を扇動する報道が行われているからだと思われます。

あれ?そういえばこれもデジャ・ヴですね。ラジュエリナ氏のVIVAテレビ・ラジオ局がラツィラカ氏のインタビューを放送して、ラヴァルマナナ前大統領が放送禁止にしましたよね。これが引き金となり、反大統領の声が高まりラヴァルマナナが退陣するまでに至ったことをまさか忘れたわけではないでしょうに。

全県知事の解任
4月10日、暫定政権は全土22県の県知事を解任しました。ラジュエリナ氏が政権をとってすぐにアンブシチャやアンチラベで県知事や市長の席を狙い見逃せない衝突が起きていました。そのため全ての県知事を一旦解任し、新たな県知事を任命することにしたようです。そして20日、8県の県知事が任命されました。でも8県だけ。閣僚の任命にも手こずっていますが、県知事も同じですね。

その閣僚も17日に新たに11省の大臣が任命され、残るは鉱山省、公共事業省、青年・スポーツ省の3省。あの~~、農業省もまだ兼任の大臣代理しかいないんですけど。。。

TIKOグループの操業停止
ラヴァルマナナ氏が創設した乳製品等を製造するTIKOが操業を停止することになりました。4月10日のことです。主要な理由は、TIKO製品を売り卸している前大統領所有のMAGROというスーパーマーケットが1月に略奪・放火の対象になり、卸売りできなくなったこと、TIKOグループの大型トラックや倉庫が略奪・放火されたこと、さらに従業員が周囲から圧力を受けていることを挙げています。そして、暫定政権からこれまでの未納税金7億9千万ドルの支払いも請求されています。TIKO側はこの額はありえないとしています。

TIKOグループに対する暫定政権の対応を見ていると、ラジュエリナ氏は国のことを考えているのか疑ってしまいます。TIKOグループはマダガスカル最大級の会社です。工場の従業員などTIKOに関わる人が何人いるのかは知りませんが、操業停止になれば彼らは皆失業します。マダガスカル経済にも大きな打撃を与えるはずです。ラヴァルマナナ前大統領の職権乱用でTIKOの脱税を行ってきたことは確かですので、それなりの刑罰は必要になると思います。しかし、ラジュエリナ氏は、ラヴァルマナナ氏が立ち直れなくなるまでとことん潰そうとしか考えていないような気がします。会社を潰すのは簡単ですが、これだけの会社を育てるのはそう簡単ではないはずです。今後数年はこれだけ大きな会社は出てこないのではないでしょうか。この設備の整った大きな会社を、マダガスカル経済のために利用しようという考えは微塵もないようです。


続く。

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by iihanashi-africa | 2009-04-22 06:03 | マダガスカル | Trackback | Comments(0)
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