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読めない情勢
マダガスカル情勢をしばらく更新しないうちに、また状況は悪化し始めちゃいましたね。

今日は郊外へお昼を食べに行ったら、帰りに市内へ戻る道にバリケードが張られており、かなり遠回りをして家に戻ってきました。普段はほとんど車が通らないような込み入った住宅街の細い路地裏を、今日はひっきりなしに車が通り、住民も驚いたことでしょう。

軍の分裂
このバリケード、何故張られていたかと言うと、Saonieranaという地区にある軍キャンプで、内部分裂が起きたからだそう。午後、私の使用している携帯会社Orangeが発信するニュースで情報を収集すると、「Le quartier de Saonierana fortement deconseille. Risque d’affrontement entre l’armee et des militaires refusant de se soumettre aux ordres des officiers superieurs.」とありました。軍と兵士の衝突(affrontement entre l’armee et des militaires)?何?どういうこと?軍と兵士は違うもの? なんでも、一部が寝返って前市長側につくと決めたのだそう。

これまで、治安維持部隊による発砲や催涙弾の使用はありましたが、反政府側が武器で応戦することはありませんでした。武器を持っていないわけではないと思いますが、1月26日以降ずっと軍は大統領についていたので、抵抗したとしても全く勝ち目はないですし、何より武器を使う兵士がいませんでした。

しかし、軍の一部が正式に反旗を翻したとなると、これは軍事衝突がかなり危惧されますね。困りましたね。まだ、情報が錯綜しているので正確なことは言えませんが、大統領側も前市長側も強硬行為に出る可能性大です。

交渉決裂
マダガスカル・キリスト教会連合の仲介による両者の交渉は、2月24日の大統領による対話放棄で、続行不可となりました。その後、国連特使が仲介を試みますが、全く譲歩しようとしない両者の対話はできるはずもなく、今のマダガスカル情勢を平和裏に解決する選択肢が一つ消えました。

資金の枯渇
ラジュエリナ前市長は、1月26日以降少なくとも週に3回は大規模集会を開いています。当初は数万人の参加者が独立大通りを埋め尽くしていましたが、最近は独立大通りの中央に位置する5月13日広場さえも埋め尽くせないほど少数の支持者しか集められません。その主な要因は資金が枯渇してきたから。

以前、大統領がマハマシナのスタジアムで集会を開いたときに、お金をばらまいて参加者を募ったことが報道されましたが、ラジュエリナ前市長も同様のことを行ってきました。ここにきて、それが大きく露呈しました。集会参加者も現金なものですね。

3月4日以降、治安維持部隊により独立大通りが完全封鎖され、集会参加者が集会会場へ辿り着けない状況が続いていました。しかし、集会が行われていたとしても、参加者は大幅に減少していたことでしょう。

この資金不足で、前市長が設置した"暫定政権"内でも意見の相違により分裂し始めているという情報もあります。一部は既に距離を置いているとか。

前市長の主な資金源は、フランスに亡命中の前大統領ラツィラカ氏だと言われています。支援金の額も聞きましたが忘れました。とにかく相当な額です。ラジュエリナ氏がラツィラカ氏の支持を得ているというより、ラツィラカ氏がラジュエリナ氏を操っていると言っても過言ではないかも。見ていてとても痛々しい。

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今後、情勢がどう変化していくのか皆目検討がつきません。大統領暗殺?ラジュエリナ前市長暗殺?あるいは逮捕?どちからかが亡命?どちらにしろ平穏はしばらく保たれないですね。

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by iihanashi-africa | 2009-03-09 06:50 | マダガスカル | Trackback | Comments(0)
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