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アラート!マダガスカル大統領府前で死者多数
昨夜6日から、友人の家に泊まっています。
危険を感じたわけではなく、ここ2週間日没後は外出禁止のため、少し気分を変えて友人と話をしたかったから。
でも、、、、ここに居てよかった。不安定な情勢の時に話し相手がいるのはとてもありがたい。

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今日7日午後2時45分頃、タイトルの通り、中心街の大統領府前(下の注を参照)でデモ隊に対して発砲され、午後6時現在、マダガスカルのラジオでは30人以上の死者が出たと発表されています。7時になっても断続的な銃声が聞こえていました。多分、まだ抵抗しようとするデモ隊を散らばらせるための威嚇射撃、あるいは抵抗する市民に発砲しているかもしれません。ただ、この様子では先週の80人の死者を超える可能性もあります。負傷者は相当の数になる恐れがあります。各地の病院は負傷者であふれ、「世界の医療団」が300人分の外科医療キットを送ったという報道もあります。輸血のための血が足りないとも。。。

今日、市長側の集会が10時から行われることは前々から発表されていたので、少なくとも午前中は友人宅から出ないようにしていました。以前の記事にも書きましたが、先週から何度も集会が行われており、徐々に参加支持者が減少し、前回水曜日の集会は1500人。その流れだと、今回は同じか更に少なくなることも考えられました。しかし、木曜日に、マダガスカルの有名な歌手Rossyが集会にやってくるという報道があり、これが実現したら、市長支持者でなくてもRossy見たさにやってくる市民でごった返す可能性があり、油断はできませんでした。

友人宅は中心街に位置し、独立通りから1キロ、大統領府から1キロほどのところにあります。でも鉄格子を破って、さらに2重3重の頑丈な鍵の扉を打ち破らないと入ってこれない建物の4階なのでご安心ください。私は大丈夫です。友人といるので心細くないし。

今日昼の12時20分、予定の10時からは少し遅れましたが、市長側の集会は予定通り行われたそうです。この集会で、ラジュエリーナ市長は、チュレアール出身のMonja Roindefo氏を暫定政権の首相に任命しました。ただ集会の声はここまでは聞こえてきませんでしたので、何も起こらないのかなと油断していたら、1時半頃、友人宅の下の通りが騒々しくなってきました。そして数千人のデモ隊が15分から20分くらいかけて、笛を吹いたり、「Andry TGV」と叫びながら大統領府へ向かっていきます。このときは危害を加えるわけではなく通り過ぎましたが、士気が高揚している感じを受けました。

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そして、友人とパスタを作って食べようと席に着いた瞬間機関銃の連続射撃。ものすごい音でした。最後には何かが爆発したような音。そして、しばらくしてまた機関銃の音。ここからは、大統領府の庭は見えますが、前の広場は見えないので、威嚇射撃なのかデモ隊に発砲したのか分かりませんでしたが、ネットで確認すると、まず市長側のGuy将軍が大統領府の中に入り、(多分、大統領府を明け渡すための?)交渉をし、そして決裂して外に出てきた後に、デモ隊が大統領府に突進していったそうです。それに対し大統領府の警備隊が発砲したそう。

さらにしばらくして、建物の間から黒煙がもくもくと。位置からすると郵便局か財務省のあたりか。ネット情報では軍用車が放火されたようです。大統領府から150メートルほどのところです。

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この銃撃音は断続的に2時間ほど続きました。そして、7時近くまで単発的にパンパンという乾いた鉄砲の音が聞こえ、私も友人も物音に敏感になってしまい、普段だったら気にも留めない音まで銃声かと思ってしまうしまつ。この近くでも、レンガほどの石を持った人が、抵抗しようとしていましたが、鉄砲対石、そんなんで抵抗して大丈夫なのだろうか。

とりあえず、今日はおさまったようです。ただ、病院は今も混乱しているでしょう。大統領府前も惨劇の血が生々しく残っているかもしれません。明日、明後日、そして今後、どうやってこの状況は治まるのでしょう。

ちなみに、歌手のRossyは結局来ませんでした。トランジットのレユニオン(モーリシャス?)だかで、マダガスカル行きの飛行機に乗れなかっただか、乗らなかっただか。

とりあえず、今日は実況中継のみ。
また、明日書きます。

ちなみに、フランス語が分かる方のために、マダガスカルの分刻みの状況が分かるサイトを紹介します。
http://sobika.com/

注:アンタナナリヴには一般に大統領府と呼ばれている場所が2箇所あり、1箇所は中心街に位置し執務室の役割を持ち、もう1箇所は中心街から16キロ離れた場所の広大な土地に式典等を行うためのお城のような建物があります。正式には後者が「大統領府」ですが、大統領がこちらに行くことは少なく、特別な会議や式典かジョギングのためだけだそう。大統領個人宅も別にあり、通常はそこに住んでいるようです。

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by iihanashi-africa | 2009-02-08 05:27 | マダガスカル | Trackback | Comments(1)
Commented by iihanashi-africa at 2009-02-09 07:29
一つ訂正です。
大統領府警備隊がデモ隊に発砲する直前、「Guy将軍が大統領府に入って交渉」と書きましたが、正確には大統領府の中に入った訳ではなく、「大統領府前のレッドゾーンに入って交渉した」というのが正しい記述でした。
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