先日、こんな記事を発見しました。
BURKINA FASO: High rice prices despite tripled harvest ブルキナファソの2008年の米の収穫量は、2007年の3倍に増加したにもかかわらず、ローカル米の価格が下がらず、多くの消費者がまだまだ購入できない状況にあるようです。 2008年初めに、「静かな津波」という表現が使われ、穀物価格の高騰に警笛が鳴らされました。ブルキナでは今年2月に物価上昇の抗議デモが発生しています。特に急激に価格が上昇したのが、米。2倍近くにまで上昇した米の価格をなんとか下げるために、政府は関税の一時撤廃や小売業者支援など四苦八苦しました。現在、ピーク時よりは下がったものの、1年前と比べると依然30~50%高い状況が続いています。今、政府は価格統制を考えているようです。 私がこの記事を読んでいて気になったのは、価格のこともそうですが、むしろ肥料や種子に1400ドルの補助金を投入したということ。今年、サヘル地域は例年以上の降雨に恵まれたこともあり、どの穀物収穫量も昨年を上回っていたのですが、肥料の投入は食糧増産にここまでここまで貢献するのかと驚きました。 今月の初めに「有機農業」勉強会に参加し、批判のある日本の食糧増産援助(2KR)に代わるものとしての有機農業を話し合いました。しかし、話し合いながら、食糧増産と有機農業は同じ視点では議論できないのではないかとの思いを巡らせました。アフリカにおける有機農業は、肥料を購入できないような貧困層や厳しい環境で生活する人々にとっての生活する手段であり、荒廃地を有効的に活用するための手段であり、自給自足を達成するための手段であるような気がします。だから主に小農が活用します。貧困脱却のとても有効な手段だと思います。 しかし、トラクターを所有しているような大規模農家は、有機農法を行っていたらむしろお金と労力がかかってしまうかもしれません。国レベルで食糧増産を考えるなら、化学肥料を投入してしまったほうが早いのかもしれません。でも、2KRの化学肥料支援方法は肯定しません。ただ、必要性や量、質を見極めたうえでの投入が大事だということ。 なんか、取り留めのない文章になってしまいました。。。ブルキナの種子・肥料支援はどこの機関が行ったのでしょう。FAOかなあ。
by iihanashi-africa
| 2008-12-15 21:47
| ブルキナファソ
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Comments(3)
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by
Sato
at 2008-12-15 22:40
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この問題は難しいですよね。うちの研究所では、小規模農家にたいしても最低限の化学肥料は積極的に導入するという方針です。
化学肥料の代金よりも増産によるベネフィットが大きいという枠内では、有機肥料一辺倒より化学肥料と有機肥料(厩堆肥)の組み合わせを推奨するということで、けっして有機肥料の否定ではないのですが。 やっぱり科学肥料の効果って大きいですよ。経験的に2倍の収量もうなづけます。ただ、サヘルでは有機肥料をうまく使わないと肥料の(流出による)無駄が大きいので、もっとこのあたりの研究が進まないといけないですね。
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iihanashi-africa at 2008-12-16 23:53
参考になります。
私も専門家ではないのでわからないのですが、化学肥料と有機肥料の組み合わせは、その量や方法を学ばないと有効的ではないのでしょうか。そうだとすると、地方の農業局の方はこのあたりの知識を農民に伝える役目を果たしていないですね。
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Sato
at 2008-12-17 00:27
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そうですね、このあたりについては各国の農業研究機関と農業局ががんばってほしいですね。日本の国立(もう独立法人になりましたが)や各県の農業研究所ではこのあたりがイヤというほど、試されています。ま、その技術を理解できるぐらい農家のレベルが高いということもあるのですが、やっぱりこのような細かい情報というのは重要なものです。
特にサヘルやサバンナだとOrganic Cの量が日本では考えられないくらい低いこともあり、こういうところにいくら元肥をいれてもすぐに流出してしまいますので、分散施肥が重要。あと、労働力の関係もあるのでしょうが、厩堆肥を3月ごろから圃場におきっぱなしにしているのもかなり効率がわるいですよね。このあたりも改善の余地があるとおもいます。 うーん、Satoは専門家ではないのでなかなかいいコメントができませんが、Nigerでおこなわれている日本のプロジェクトがこのあたりを研究しているので、いい結果がでて、現地に還元できるといいなーとおもってます。
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