首都ンジャメナの友人からメールが来ました。その一部です。
「Merci d'abord de penser à nous pendant ce temps de désolation et de peur. Il y a eu une guerre intensive à N'djamena ce jour samedi et merci Dieu nous sommes sain et sauf. Mais cette guerre nous a ramené à 10 ans en arrière. La population mal intentionnée a pillé le bien public et prive. Pour le moment les activités ont commencées, mais pas totalement. (悲しみと恐怖に包まれている時に、私たちのことを心配してくれてありがとう。ンジャメナでは土曜日に集中的に激しい衝突がありましたが、私たちは無事です。神様ありがとう。しかし、この内戦で私たちは10年後進しました。一般市民の中には、公共のもの私的なものに限らず略奪する心無い人もいました。現在、仕事は始まっています。でも全てが機能しているわけではありません。)」 相変わらずチャドは携帯がつながりません。ブルキナファソのチャド人の友人も、ンジャメナの両親と連絡が取れたそうです。お父さんは、先週の金曜から仕事を始め、職場の固定電話から電話をくれたとか。でも、仕事に復帰したのはまだほんの一部だそう。同僚の一人はカメルーンに避難しているそうです。 2月3日に、反政府連合軍がンジャメナから撤退して以来、首都は落ち着いており、一昨日から大統領府前の道路も通行できるようになっているようです。反政府勢力は中部・南部を通り、ンジャメナから400kmの中部のGuera州のMongoとBitkineを、政府軍との衝突の上、占拠し、さらに南東部のAm Timane(ンジャメナから600km)でも政府軍とスーダンからの傭兵(MJEとMLS)と対立し占拠しました。ンジャメナの激しい衝突とその前からの移動で、燃料や武器・弾薬が不足しているはずでしたが、Am Timaneで大量の武器・弾薬を奪ったそうです。政府軍からも大佐クラスの軍人が何人も反政府連合軍に合流しています。 私がよくチェックするインターネットのサイトの中に、チャド反政府系のtchad espoirというサイトがあります。このサイトは情報を発信するだけでなく、投稿を出来る形になっています。ただし、サイトに掲載される投稿は厳選されています。このサイトで最近、興味深いやりとりを見ました。反政府勢力の一つMDJTスポークスマンのOusmane Hisseinの声明と、今回ンジャメナを攻撃した反政府連合軍のスポークスマンAbderaman Koulamallahの声明、そしてこれまた反政府勢力の一つMDDのChef d’état major particulier(なんと訳すんだろう)であるL.T CHOUKOU BrahimのAbderaman Koulamallahの声明に対するコメントです。 MDJTとMDDは今回のンジャメナ攻撃の連合軍には属していません。ただし、打倒Déby政権という共通の目標は持っています。MDJTはTibestiにベースを置く北部の主要反政府勢力です。1998年にゴラン族で元外務大臣のYoussouf Togoimiが設立し、その後Togoimiの死や内部分裂なども起きましたが、2005年1月からはChoua Daziが代表のはずです。変わってなければですが。知らないうちに、代表が変わっていたり、誰かが離脱・合流していたりするので、全てを追うのは結構大変です。そのMDJTですが、Déby政権を早急に打倒するため、今回の反政府連合軍のンジャメナ攻撃に部隊を送り、それと同時に北部のFaya-Largeau、Bardaï、Tanaouaも包囲したという声明を出しました。 それに対し、反政府連合軍スポークスマンのAbderrahmane Khoudamallahは、メディアの前で反政府連合軍の名を語って話さないよう注意を促しています。 そのAbderrahmane Khoudamallahの声明に対し、別の反政府勢力MDDのL.T CHOUKOU Brahimが抗議のコメントを出しました。MDDは、何年に設立されたか忘れましたが、1992年にナイジェリアで活動していたメンバーが、多数チャドへ送還され殺害された経緯があります。最近はあまりMDDの名前を聞いていませんでした。Choukouのコメントの一部です。 「(一部抜粋)全てのチャド人が、私たちの国について意見を述べる権利を持っており、反政府連合軍のKhoulamallahやNouri、Aboud、TimaneあるいはDéby大統領の許可は必要ない。(・・・)チャドは全てのチャド人に属しており、反政府連合軍だけのものではない。」 多くのチャド人は反政府連合軍の設立を歓迎しています。しかし、それはDéby政権に飽き飽きしているから。反政府連合軍に政権についてもらいたいと思っているわけではないと思います。 Déby政権が崩壊しても結局新たな反政府勢力が出ることを今回のやりとりが示唆しています。
by iihanashi-africa
| 2008-02-12 23:31
| チャド
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